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【DbD】リージョンの過去が描かれたアーカイブストーリー「学術書Ⅲ」

リージョン アーカイブストーリー

 

こんにちわ。きまぐれ(@kimagure_DbD)です。
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きまぐれ

本日は【学術書Ⅲ】で解放されるリージョンのアーカイブ物語のご紹介ですスキマ時間にお読みいただければと思います。

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【DbD】リージョンの過去が描かれたアーカイブストーリー「学術書Ⅲ-騒乱戦士-ジュリー・コスチェンコ」

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大衆食堂のガヤガヤとした雑音の中からジュリーに語りかける声が聞こえた。君は画家なのかい?振り返ると、そこにはフランクがいた。画家?まさか。つまらないオーモンドから逃れたくて落書きをしているだけ。

彼はスケッチを見つめる。ホットチョコレートの列に並んでいる自分を見つけたようだ。これは僕かな?ジュリーは首元が急激に熱くなるのを感じる。フランクがオーモンド出身でないことは、言われなくてもわかる。

彼は他の人とは違って見える。面白い。自由だ。"じゃじゃ馬"だ。彼はジュリーの隣に座り、笑いながらモデルになることを提案する。二人は長い間、お互いを見つめ合った。

ジュリーは、解雇されたばかりの友人を景気づけるために自宅で開くパーティーに、この見知らぬ人を招待することにした。ジョーイはなぜか定職に就けないのよ。笑いながら彼は言う。ジョーイはいたって普通なようだ。

人に1日8時間制のルーチンを受け入れさせるのに、どれほどの労力が費やされているかわかるかい?学校で受けているのは 教育ではなく"洗脳"だ。彼はそう続ける。もし本当に教育したいのなら...本当に教育したいのなら、主要な科目は哲学とクリティカル・シンキングであるはずだ。

ジュリーは笑いながら思う。友人たちもこの因習打破主義者を好きになるに違いない。実際、彼女は好きになっている。

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最初に会ってから、彼のことが頭から離れなかった。

パーティーに来てほしいと願っている。彼の主張が気になり、教育が腐敗して産業革命と釣り合っていないことについてのリサーチに数時間を費やした。

生産ラインのためのベルトコンベ ア式教育。数百年もの間なにも変わっていないのだ。変わったのは製品だけ。フランクがドラッグと酒を持参してやって来た。パーティーにはつきものだ。

ジュリーは彼を親友のジョーイとスージーに紹介する。夜通し好きな食べ物や、ホラー映画や殺人鬼について語った。ジュリーは連続殺人犯に関する豊富な知識 を披露し、フランクを驚かせる。

彼をベッドルームに招き入れると、有名な殺人 鬼たちの写真や記事が貼られたスクラップブックを見せた。ジュリーとフランクが殺人や暴力についての知識を競う中、他の者たちは帰宅するか眠ってしまった。

勝負は"ソルジャー・オブ・メイヘム"の逸話を披露したジュリーの勝利に終わった。彼らは放棄された小屋を拠点とし、オーモンドの無防備な獲物に手をかけるのだ。フランクはでたらめだ、と笑い飛ばした。そんな事件は起きていないと断言できるほどにはオーモンドのことを知っている。不景気で会社が倒産する程度のことしか起きていない。

ジュリーは笑う。このお話はね、フランキー。未来のお話なの。マジックペンを手に取ると、彼の白いシャツに"ソルジャー・オ ブ・メイヘム"と書く。フランクはにやりと笑う。アイデアは好きだ。でも名前がダサい。ジュリーは肩をすくめる。まだ検討中よ。

 

 

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ジュリーはフランクといると生を実感する。それ以上だ。完全になったと感じる。最初は因習打破主義者だと思ったが、すぐに彼はただ討論することを楽しんでいるだけ
だということに気付いた。ジュリーと同じぐらい慣習に反論し人を" 解明”することを楽しんでいた。

ただの人ではない。彼は"醜い者"と呼んだ。自分が正しくないと気が済まないような者たちをそう呼んだ。いつだって自分が正しくないと気が済まない者たち。そういう人間こそ脆く崩れやすいものだ。オーモ ンドはその類の人間に事欠かない。

醜い者。偉そうな成金や政治家たち。主張に反論すれば顔を真っ青にするような者たち。ジュリーはフランクに目出し帽を手渡す。彼は怪訝な表情を彼女に向ける。

今夜はゲームをしましょう。

車のエンブレムを多く盗んだ方が勝ち。フランクはにやりと笑う。何かもらえるのかい?彼女はフランクに近寄り囁く。勝者が望むものなんでも。フランクは慌てて目出し帽を被り、雪の積もったオーモンドの待ちに飛び出していった。

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愛情以上のもの。

情熱以上のもの。

ジュリーは、フランクのことを魂の繋がった片割れのように感じる。彼女は一晩かけて、内に秘めた邪悪な欲望を打ち明けた。街全体に火を放ったらどうなるかなんてことをしばしば考えていることを。

フランクは身を乗り出してこう言う何でもしたいことをすればいいと。本当に何を望んでいるかを知り、頭にそのイメージを浮かべる。彼は世界を精神や感情で支配するなどと、麻薬中毒者のような理論を述べる。

願望が明確であるほど、そのイメージに集中するほど早く、世界を意のままに操ることができるのだと。皆が長い間、フランクを見つめる。そして同時に吹き出した。皆で大金を手にするイメージを思い浮かべようと。

フランクは首を振る。金はそれだけでは死んでいる。金は世界を変えることはできない。本物の情熱と感情が変えるのだと。今後の人生で、情熱を持って自分のやりたいことをやることを想像してみるんだ。明確な目標を持って集中すれば、世界が自分の意のままに動く。

皆はまた沈黙する。ジュリーはにやりと笑う。フランクは大まじめに頷く。ジュリーは目を閉じ、友人たちとオーモンドを自分たちの遊び場にすることをイメージする。そして彼女は目を開いた。

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ジュリーとフランクは、古い放棄された小屋でジョーイとスージーを待っていた。もちろん、この小屋でなければならない。オーモンドで唯一刺激的な場所だ。ジュリーは小屋を見つめた。改修が必要ね。

ジョーイとスージーはいつも通りにオーモンドの獲物と戯れている。間もなく2人は停止標識をいくつも抱えて来て、起こしてきた事故について笑った。死者はいなかったが、何人かは重症だ。正確に言えば6人。いくつかその瞬間の写真も撮ってきた。

そしてジョーイは、地元の工具店に就職したと話す。皆は彼がまた辞めるまでどのぐらいかかるかを賭ける。ジュリーは小屋を観察し、妙案を思いついた。壁にオーモンドの車から盗んだエンブレムを飾るのだ。皆、それに賛成した。ジョーイは停止標識も飾りたいと言う。

ジョーイとスージーが起こした小さな交通事故から着想を得たジュリーは、チームに別の名前を思いつく。"マローダー・オブ・メイヘム"フランクは首を振り、眉をひそめる。言いづらいよ。ジョーイはそれに反論する。すごくいい名前だ。皆がスージーの意見を待つ。彼女は肩をすくめる。フランクに同意よ...言いづらいわ。

 

 

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ジュリーとスージーは工具店を訪れた。ジョーイは急ぐように促す。10分もすれば店主が戻って来てしまう。フランクは慌てるな、とジョーイをなだめる。彼らは小屋を改修するための用具をかき集める。

ペンキ。ブラシ。マスク。

スノードームがフランクの目に留まる。オーモンドがスノボードやスキー場への玄関口となって有名になった時の、初めて作られたものだ。

フランクは冷笑するが、そのスノードームも掴んだ。ジュリーはジョーイを見つめ、肩をすくめた。お好きにどうぞ。しかしそのスノードームでアイデアが浮かんだ。個人的なプロジェクトのために、スノードームをいくつか手に取った。

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小屋はもうすぐ完成する。最後の仕上げだ。フランクとスージーはそれを"調達しに行っている。

トースター。フライパン。食器類。テレビ。PC。シーツ。秘密基地をもう少し居心地よくするためのものをなんでも。

ジュリーは残り、オーモンドのスノードームを暴力的なシーンに作り替えている。フランクが尋ねる。一つもらってもいいかい?ジュリーは4人の棒人間が雪だるまに火をつけているドームを渡す。彼は、本物の人間でやろうと言う。ジュリーは憤慨する。彼は細かいところまで見ていない。それは人間だ。フランクはドームを注意深く観察すると、偽の雪に埋もれている棒人間を見つけた。ナイスだ。

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ジュリーはとんでもない想像をする。心の中の目で、友人と共に殺人を犯すこと を想像する。他のイメージは浮かばないし、確信めいたものがある。初めての殺人のイメージとは違う...彼女自身が新聞の記事に登場しているイメージ。連続殺人を起こし、オーモンドを再び活気のある街にするのだ。

電話が鳴りはっとす る。フランクからだ。かれはオーモンド・マジェスティック・シアターに来てほしいと言う。なぜ?何を上映しているの?彼は答えない。彼女は中古のセダンに乗り込み、吹雪の中シアターに向かう。フランクはうやうやしくドアを開く。

彼女をエスコートする。ジョーイとスージーはシアターの傍らに立っている。空のガソリンの容器を持って。フランクはジュリーにマッチを手渡す。さあ...名誉を果たすんだ。彼女はマッチを擦る。力強く火が灯り、冷たい風に揺れる。火が消える前に、マッチをシアターに向けて放り投げる。一瞬で視界を遮るような吹雪の中に巨大な炎が上がる。

彼女はフランクを見つめる。炎を見つめる。ジョーイ とスージーを見つめる。そして突拍子もない考えが頭を過ぎる。フランクは正しいのだ。世界は彼女の意のままに動きだしている。

 

 

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ジョーイは小屋の中を歩き回り、チームの名前を提案している。スージーはスー パーヒーローのようにコスチュームが必要だと思っている。ジュリーは笑う。有名になりたいの?フランクは肩をすくめる。だめなのかい?ジュリーも肩をすくめる。

つまらない窃盗と放火で有名になった人なんていないわ。もっと本格的なことをやらないと。フランクは身を乗り出す。それはどういう意味だい?本格的なこと?ジュリーは押し黙る。

何をイメージしているのか、何もイメージしてい ないのかがわからなくなる。しかし...本で読むようなスリルを味わいたい。普通の人間以上のものでありたい。特別な存在。偉大な存在。フランクは彼女に微笑みかけこう聞く。

誰かを殺せると思うかい?ジュリーは少し考え、こう答える。できるわ。フランクは懐疑的に眉を上げた。しばらくして、こう言う。僕はおそらく人を殺すことはできない。ジュリーは彼をからかう。

私のためだとしても?彼は首を振る。君のためだとしてもだ。そして君は?僕のために誰かを殺せるのか?彼女はフランクの嘘っぱちを繰り返す。できないわ。

フランクは笑いジュリーと同じように問う。僕のためだとしても?あなたのためだとしてもよ。

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賭けはフランクの勝ちだった。ジョーイは新しい職場で一月ももたなかったのだ。店主は彼がチョコレートバーを盗んだと責め立て、ジョーイは苛立ちで小屋の中をせわしなく歩き回っている。

よりにもよって...チョコレートバーだと!盗んではいないと言う。なんという不名誉だ。ジュリーは仕返しをすればいいと提案する。店に侵入しよう!もっと品物を盗み出そう!火を放ってオーモンドに"リージョン"の怒りを思い知らせるのよ。

ジョーイはその名を聞くとピタッと止まる。フランクは興味ありげに眉を上げると、納得したように頷く。いいね。すごくいいよ。ジュリーはメンバーに一般的なマスクを投げ渡す。

普通。味気ない。退屈。後はちゃんとしたマスクがあれば、完璧ね。