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【DbD】トリックスターの過去が描かれた「アーカイブストーリー(背景物語)を見てみよう」

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こんにちわ。きまぐれ(@kimagure_DbD)です。
当ブログでは、DbD(デッドバイデイライト)に関する情報をお届けしています。初心者さん・中級者さん向けに分かりやすい解説を心掛けております。どうぞよろしくお願いいたします。(※総プレイ時間約3000時間程度の若輩者です)

 

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きまぐれ

本記事では学術書Ⅸで解放されるトリックスターの背景物語をご紹介していきます。

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今回は、同じ時間軸でトリックスターとユンジンの物語が描かれています。ぜひ2つの物語をお読み頂ければと思います。

トリックスター固有パーク

パーク名 解放レベル 優先度
スターに憧れて 30 ★★★★☆
呪術:クラウドコントロール 35 ★★★☆☆
袋小路 40 ★★★☆☆

 

 

死者に捧げる不協和音 「記憶435」

ジウンはリオデジャネイロの喧騒の中で暮らしている。水たまりの水が飛び散り、スケートボードの車輪がアスファルトの上を削り、ナンベイコマツグミが鳴く。あとは...歌声だ。開いた窓から、ブラジル人青年の天使のような歌声が流れ、てくる。ジウンは

その男を知っている。ルーカスだ。

いい声だ。俺には遠く及ばないが、それでも磨けば光る。
彼の声は力強く、まさにジウンが探し求めていたものだ。ルーカスは運が良かった。ジウンが訪れたレコーディングスタジオで歌っていたのだ。

ジウンはルーカスの歌声でアートを作ることができる。それも本物の、悶絶するようなアートだ。絹のように柔らかいが、ゾッとするほど恐ろしい。

ジウンは明日の演奏ために、廃墟となった港に倉庫を用意していた。些細なことにも気を配っている。この一週間、彼はコンサートのリハーサルをする傍ら、その有名人の顔を変装させ、被害者を張り込み、別の人物を装い、備品を購入し、レコーディング機材を盗んだ。その間は警備員に金を払って見逃すように仕向けた。些細なことが、彼の作品の素晴らしさを高めていた。

ルーカスは明日には死んでもらう。きっと美しい作品になるだろう。

死者に捧げる不協和音 「記憶436」

ジウンがホテルの部屋に着くと、彼は凍りつく。扉が少し開いていた。中で誰かが物色しているのが、かすかに聞こえてくる。それならそれでいい。彼は、熱狂的なファンが、いつか度を越してしまうことを知っていた。奴らはどうやって抵抗してくるだろうか?しかし、彼には準備ができていた。自分を守りながら、腹に刃物を突き立てて侵入者を驚かせ、即興のアリアのようなオペラみたいな声がでるか試そう。

彼は足首の上に隠したナイフを撫でる。準備完了だ。扉を押し開け、豪華なカーペットをそっと歩き、角を曲がったところで侵入者の声が聞こえる。そこにいるのは...ユンジン?マネージャーだ。

怒りが次から次へとこみ上げてくる。

ここで何をしているんだ!

彼女はファンから受けた殺人予告に被害妄想的になっている。警備員がジウンを見つけられなかったため、自分が探しにきたのだ。笑える。あの脅しは単なる計略だった。ユンに気づかれそうになった場合に備え、彼女をまくために彼が作った嘘だ。しかし、彼はこのことを予想できたはずだ。ユンはすべてを把握していたーーだからこそ彼は彼女を尊敬していたし、だからこそ二人は素晴らしいチー、ムになれた。彼には百万ドルの歌声があり、彼女は行く手を阻むあらゆる問題を解決する。いつもなら、それはいい方向に働いた。

彼女の手には...クソッ!彼のサンプラーだ。その中には、彼の個人的なプロジェクトが入っている。彼が殺した犠牲者の悲鳴を重ねて歌にしたものだ。それはまだ繊細さに欠けた初期の下書きにすぎない。気の弱い人には少し露骨すぎるパイオレンスとホラーだ。彼女は吐き気を覚えた。怯えた声の向こうの、人間の苦しみの中にある美しさを理解することはできなかった。ジウンの首のところの髪の毛が逆立っている。彼はその様子を冷静に見ている。とても危うい状態だ。ユンは彼の正体に気付きつつある。

死者に捧げる不協和音 「記憶437」

ユンが持っているサンプラーは、まるで滴る血のように見える。ジウンにとって、唯一の安心材料は、彼女がそれが本当は何であるかを理解していないことだ。彼は彼女のことをよく知っている。もしこれが実際の殺害時の音声だと知ったら、彼女は股間に膝蹴りを入れて逃げ出そうとするだろう。しかし、怒りが収まらない彼女は、彼に向かって近付いてくる。

このホラーの真似っこは何よ。これが外部に漏れたらどうするつもり?あなたに、はすでに熱狂的で暴力的なファンがいるけど、この馬鹿みたいな音楽をマスコミが手に入れたらどうするの?マイティー・ワンはあなたを見捨てるわ。キャリアは台無しよ。

彼女が本当に恐れているのは、彼女自身のキャリアが終わってしまうことだということをジウンは知っている。彼女は背が高く、歩き方は力強いが、失敗を恐れる若い女性に過ぎない。彼には彼女の扱い方が分かっている。頭を下げて深呼吸し、手の甲で目を拭う。

ユン...火事で...NOSPINが亡くなってから...恐ろしい考えにさいなまれているんだ。友達を失い...自分がおかしくなるんじゃないかと心配になった。目を閉じると、ひどいものが目に浮かぶんだ。暗い霧の中で俺を導いてくれるのは、痛みを音に変えること...断末魔の苦しみを俺の心の中から歌に注ぎ込むことだよ。

ユンの顔が穏やかになる。彼女は座って、彼に同情する。彼は心の中でバンド仲間が燃えたときの神々しい悲鳴や、彼の名前を叫ぶときの膨らんだ胸を思い出していたが、顔は悲劇で歪んでいるように見える。

彼女は判断ミスを謝る。サンプラーは没収し、コンサートが終わるまでホテルの敷地内にいるようにと要求する。彼のためにはそのほうが安全である。彼女は彼にミニバーからドリンクを飲んで落ち着くように言う。

彼は静かに頷いて応じる。そして数日後にサンプラーを盗み返そうと自分に言い聞かせる。彼は彼女に、自分をコントロールしているかのように思わせる。  

 

死者に捧げる不協和音 「記憶438」

蒸し暑さにもかかわらず、ジウンはパーカーのフードを被り、大きなサングラスで顔を隠している。今は熱狂的なファンから注目を集めてはならない。ユンが、ミーティングに参加するまで待って、必要なものを入れたバッグを手にしてホテルを出る。ショーの主役は彼だ。

彼はイヤホンをポケットから出し、音楽を流して体を包み込む。楽曲「HowlBecame」は、6か月前にソウルで録音された。この作品は、酔っ払ったある晩に古い写真を見ながら書いたもので、彼の子供の頃のメタファーとなっている。

彼が7歳のときだ。教室の後ろのほうに座っている。人に見られたり、人前で話すことが苦手だった。しかし、今日は違う。数分後には自分の好きなものを発表することになっている。少年がクラスにハムスターを持ってきていたが、ジウンは、気にもかけない。フルートを抱え、自分が書いた歌の音符を見直す。

彼は静かに教室の前に出て、汗ばんだ指を楽器に乗せる。深く、不安定な呼吸に続いてそっと空気を吐き出すと、軽やかで気まぐれな音が流れる。目を閉じ、指を正確に動かし、一つ一つの音で戯れる。彼はハムスターの鳴き声を無視する。フルートの音は、風に乗ったチャイムのように伝わる。最後に魂に突き刺さるような音を出すとともに、彼は微笑んで目を開ける。クラスメイトはハムスターの周りに集まり、その動物の一挙手一投足を笑っている。彼の教師も同様だ。

彼はグループに近付く。ハムスターが鳴き続ける間も、クラスメイトたちは手から手へと回して遊んでいる。それがジウンの手のひらにも向けられる。彼は両手で受け取ると、しっかりとした動きでひねり潰す。鳴き声がして、軽く歯が動く。そして静かになった。子供たちは泣き叫ぶ。ジウンは何も感じない。

死者に捧げる不協和音 「記憶439」

雨雲が空を覆い、ジウンのサングラスに最初の雨が降る。彼は深呼吸をし、頭の中で繰り返して準備をする。期待に押しつぶされそうになる。これが芸術的なプロセスの喜びだ。

「彼は1980年代の安物のセダンの後部ドアに大股で近付き、両サイドをちらりと見
て、通りを歩いている数人の人々を確認する。誰も見ていないことが分かると、まっすぐに伸ばしたコートハンガーを窓の上部に突き刺し、反対側に押し込む。彼の細い指が素早く動く。壊して中に入るという過去の経験が報われる。ワイ」ヤーをドアロックに引っ掛けて、それを弾き上げる。間髪入れずに車内に入り、ドアを閉め、後部座席に体を横たえる。そこで彼はパーカーを脱ぎ、サングラス」を外す。

バッグの中から、ロープ、ナイフ、ぼろきれ、クロロフォルムの瓶を取り出す。それから彼は待った。イヤホンを取り出し、彼のものではない曲を聴く。ずっと以前に聴いたことがある曲。

彼が8歳のときだ。父親に肩車をしてもらい、海のように広がる大勢の人を見渡している。色とりどりのスポットライトに照らされた手の込んだステージが前方にある。派手で大胆な服を着た男がマイクの前に立っている。両サイドにはギタリストがいて、背後にはドラマーがいる。音がぶつかり、美しく、リズミカルな音楽を奏でている。メロディーの中で歌声が繊細に絡み合う。

父親が何かを叫んでいたが、聞き取れない。また叫ぶ。

お前の進むべき道はこれだ。お前の才能ならきっと成功する。

彼は背中がゾクゾクするような感覚を覚え、信じられない光景を目の当たりにする。一人の男の歌声に、みんなが夢中になっている。彼の歌声によって、何千人もの感情が動かされている。彼はみんなに見られ、そして愛されている。不思議な存在だ。

ジウンは二度とフルートを演奏しなかった。彼は、世界中の聴衆に音を届けることを大いに楽しんだ。熱狂的なファンを魅了し、男女を問わず憧れる存在になった。子供の頃の恐怖心は消え、ポップスの複雑さと柔軟性を通じて自分自身をさらけ出すことを学んだ。自分の内なる考えが音波の上に乗り、ロック、ヒップ」ホップ、ジャズ、パンクといった他のジャンルと融合していった。それは、彼にふさわしい爆発的な名声をもたらす音楽であり、彼は注目されることを約束され、た。もはや臆病な殻に閉じこもる必要はなく、音楽を極めることで自分をさらけ出し、心の内を音に込めた。彼は、その肺から生み出されるヒット作で、羨望や、欲望の的となり、尊敬されるようになった。

彼はイヤホンを手に取って微笑む。少年が神になっただなんて奇跡だ。

 

 

死者に捧げる不協和音 「記憶440」

雨が車の屋根に降り注ぐ。ジウンは時間を確認する。いつもなら、ルーカスはも」う車に戻っているはずだ。彼はこのことを知っていて、やることを済ませている。しかし、ルーカスは遅れた。ジウンは嵐のせいで計画が変わってしまったのではないかと不審に思う。

彼はコントロールが失われ、何か他のものに取って代わられるように感じてい」た。それは彼の胸に押し付けられ、彼は肺の中で重くてペタペタした空気を吸うことを余儀なくされた。すべてが台無しになってしまう。車のシートに爪を立て、声を出さないように口を閉じている。すべての計画が無駄になるかもしれない。ブラジルを離れる前に、別の美声の持ち主を探す暇はない。すぐに...彼は音楽を欲した。イヤホンをいじり、床に落としてしまい、必死になって探す。彼の歯ぎしりの音だけが聞こえてくる。車外に出ようとしたとき、彼の姿が見える。ルーカスは大雨でびっしょりと濡れながら運転席のドアに向かって歩いてくる。

しっかりしろ。ショーが始まるぞ。

ジウンはルーカスの首を絞めて、クロロホルムを染み込ませた布を顔に押し当て、る。二人は熱狂的なダンスのようにもがく。ルーカスが体を左右にひねって、腕を後ろに回し、何かを掴もうとする。ジウンはその動きに抵抗して、力いっぱい」彼を押さえつける。雨が降り、百粒の雨粒の音が争う声を打ち消し、流れる水でフロントガラスの中の様子は外に見えない。ルーカスは髪の毛を鷲掴みにして、ジウンを前方に引っ張り、首を解く。彼がジウンの手首を深く噛み付き、血が流れる。ジウンは歯を食いしばって叫び、布をルーカスの顔を殴るかのように強く、一押し付ける。ルーカスはもう片方の腕を必死に振り回し、意味もなく逃げ場を探そうとする。彼の手の力が抜け、ジウンの髪を離す。彼は前のめりになり、頭をハンドルに打ちつけ、クラクションを鳴らす。

ジウンはシートを乗り越え、ぐったりしたルーカスの体を助手席側に押しやる。彼はシートにもたれかかり、間を置いて呼吸を元に戻す。バックミラーを見て、自分の顔や髪の毛を確認すると、降りしきる雨の中、予想もしなかった光景を目にする。ユンの車が後ろに停まっている。

彼はルーカスのポケットからキーを奪い、シリンダーに差し込むと、アクセルを踏み込んだ。

死者に捧げる不協和音 「記憶441」

助手席では、ぐったりしたルーカスの体が前後に揺れている。ジウンが角を曲がると、通り沿いの店や落書きされた壁がぼやけて見える。風と雨が、まるで街を吹き飛ばそうとするかのように激しく打ちつける。ジウンは計画を見失う。いつもならユンに問題を解決してもらうのだが、今回は無理だ。自分が知らない道を走り、方向もぼんやりとしか分かっていない。ユンは後ろに付いてきている。彼女がいつになったら諦めるか分からない。レコード会社との契約交渉では役に立った粘り強さと度胸が、今では腹立たしい。彼は芸術的なプロセスをコント」ロールできなくなっている。手でハンドルを握る。できるならハンドルを引き抜きたいと思った。

くそ...駄目だ!このまま引き下がるわけにはいかない。お前は芸術を作るんだろ、チクショウ。

彼はラジオを点ける。二人の男が...何かについて話している。それが何であるかは分からない。チャンネルを変えると--ファーストフードレストランのCMだ。音で分かる。引き続いて--ブラジルのダンスミュージックが流れる。速いテンポ、重厚なベースライン、パーカッションのように軽快なギター音、そして滑らかな声。

彼はペダルを床に押し込み、嵐の中で遊んでいる数人の子供をかわす。反対車線に誰も来ないことを祈りながら、古いピックアップトラックの前に飛び出す。ハンドルを左に大きく切り、強い雨でコントロールを失いそうになったが、完璧なUターンをきめる。曲がサビに入ったところでエンジンをふかす。音楽に身を任せ、テンポに合わせてギアを上げ、リフレインに合わせて滑る。すべての動きに美しさを感じる。彼の中には音楽が流れている。彼は生きる芸術であり、クレッシェンドそのものだ。

彼の背後では、ユンが急停車している。

死者に捧げる不協和音 「記憶442」

ジウンは数日前に確保しておいた港のとある場所に車を停める。彼は仕方なくラジオを消し、周辺を調べる。ユンの姿は見えなかったが、彼は警戒していた。どういうわけか、彼女にはよく居場所がバレていた。彼は電話を出した...マイティー・ワンの社用電話だ。

彼女は、熱心なベビーシッターのように俺を追いかけてくる。彼女がこうなるのは予想できたはずだ...いつも細かいことまで干渉してくるのだから。

しかし、彼女は彼が運転しているとは分からなかったはずだ―知り得たのは、彼が車内にいるということだけだ。

ジウンは、ほとんど意識のないルーカスを引きずり出し、後ろにナイフを押し込む。ドアを閉める前にジウンは携帯電話を取り出し、コンに「助けて」とだけ」メッセージを送る。クロロホルムを染み込ませた布やロープと一緒に、電話機を車のシートに投げ込む。うーん、もっと証拠が必要だ。ジウンはルーカスの手のひらを切り、血まみれの手を窓に押し付ける。よし、これでいい。

ナイフを突き立てて、ルーカスを前に押し出す。

...

雷が廃墟となった倉庫の骨組みを揺らす。椅子に縛られたルーカスは、ジウンの前に座っている。殺されて、歌の一部となり、作品を生み出す準備が整えられている。ジウンはナイフを出したが...除隊していた。何かが間違っている。ここに来るまで大変だった。彼は芸術に取り掛かって血しぶきを上げようと思ったが、ユンにゲームを中断させられた。彼はその気持ちを振り払うことができない。彼女が簡単には諦めないことを知っていたのだ...いや、簡単ところか、まったく諦めようとしない。窓に向かって歩き、外を眺める。絶え間なく雨が降り、稲妻が、走る。そしてそこにーー下水道を動き回る漏れたネズミのようなユンがいた。な、んてしつこいんだ。さらにその後ろには...パトカーのライトが点滅している。ユンは血みどろのゲームに巻き込まれ、一撃で彼を終わらせる力を持っていた。

彼はポケットからイヤホンを探す。集中することができず、見つけられない。計画が崩れるような感じがする。自分の芸術の終わりが見える。音楽が途切れる。彼の構想は不完全なものになった。

いや...ここで終わらせるわけにはいかない。彼は音楽に耳を傾ける。居場所はいつもそこにあった。父親に肩車してもらったのが、彼の心によぎる。彼はそれを飲み込み、血管を循環し、彼を作り上げた。もうかつての少年に戻ることはない」だろう。彼はアイドルであり、神であった。まさに、トリックスターだ。そして彼は最後のトリックを演じようとしている...