きまぐれDbD

DbDの楽しさを知ってもらえるきっかけになれば嬉しいです

【DbD】ゴースト・フェイスのアーカイブストーリー「マスクの向こう側」【学術書13】

ゴスフェ「マスクの向こう側」学術書13

 

この記事を書いた人
こんにちわ。きまぐれです。当ブログでは、DbD(デッドバイデイライト)に関する情報をお届けしています。初心者さん向けに分かりやすい解説を心掛けております。どうぞよろしくお願いいたします。(※総プレイ時間約3000時間程度の若輩者です)

 

f:id:Rainbow_Color:20200919001636j:plain
きまぐれ

本日はゴースト・フェイスのアーカイブストーリー「マスクの向こう側」について記載します。

ゴースト・フェイスのアーカイブストーリー

「マスクの向こう側」記憶:708

怖い話。ダニーは子供の頃から怖い話に魅了されていた。父親がしてくれる怖い話は最高だったし、怖い話はいつでも、「自分の人生に対する感謝」という他の物語では得られない感覚を与えてくれた。鮮明な言葉に気味の悪い音。完璧にデザインされたドラマチックな静寂に、自分の心臓の鼓動を意識させられてしまう。話を続けてほしいと思うと同時にやめてほしいと思う感覚。不快であり不安をかき立てる。それでいて、虜になってしまう。そして

一番の醍醐味はクライマックスだ。

直後にはアドレナリンが大量に放出される。

しかし、ダニーがもっとも楽しんだのはアドレナリンではなかった。そう、アドレナリン以外のものである。その正体は・・・ダニーにもはっきりと分からなかった。ダニーは世界を救いたいと思ったことはないし、オリンピックに出てメダルを取りたいとも思ったことはない。また、外国に旅をして、新しいものやエキゾチックな何かを見たいと思ったこともない。その恐怖が終わってほしいと思っただけだった。自分の人生を取り戻したかったのだ。

話が怖ければ怖いほど、ダニーは自分の人生に感謝することができた。そして、父親の語る物語が真実だと知ることで、その感情は倍になった。その怖い話はダニーを2倍の力で魅了したのだ。物語の真実は、想像から創作されるダークファンタジーよりも、はるかに強力だった。父親の語る物語は、真実だからこそ余計に怖かったのである。

ずっとずっと恐ろしかった。

父親は自分がするように、ダニーにも物語を作ってもらいたいと考えた。自分の進んだ道を進んでもらうのだ。そう、闇の中で人間を狩って、殺すのである。

ダニーは従った。

ただ、それは父親が意図していたやり方とは違った。

そして今、ダニーはより素晴らしい物語を作り上げている。ずっとずっと魅力的な物語だ。その理由は物語の設定だった。父親の物語とは異なり、ダニーの物語はどこででも起き得る。父親の話は、専門家が「異常な状況」と呼ぶ、恐ろしくおぞましい物語が予期されるような場所で起こっていた。

ダニーの物語はその設定ゆえに、より個性的で

より予想外の恐怖が生まれた。

そして今、エアコンの付いたワンルームマンションのソファで座っているダニーは、突然新しい物語を作りたいという欲求を覚えた。そこでダニーは、コーヒーテーブルの上にあるノートに手を伸ばし、中身を吟味して、犠牲者となる候補の人間を探した。

「マスクの向こう側」記憶:709

ダニーはノートの中身を吟味して、次の物語に完璧なプロフィールを探した。彼が探しているのは、平凡で共感できるキャラクターだ。読み手が自分に起こり得るかもしれないと共感できるような、完璧な被害者。すべてを型通りに行い、死ぬに値しない人間である。

まるで「値する」という言葉が何らかの意味を持つかのようだった。彼は前科のある候補者や、地域で悪目立ちする候補者すべてのページをノートから引きちぎった。憎悪、復讐、嫉妬、ギャング抗争などで読み手を混乱させるわけにはいかない。読み手に他の解釈をさせてしまってはいけない。犠牲者と自分を同一に感じる必要があるのだ。

読み手がキャラクターを自分に置き換えて物語を読めなければ、物語は台無しだ。それではうまくいかないのである。どんな人でも自分と同一視できるような犠牲者を探していると、ダニーの指はひとつの名前で止まった。

ジョン・マイケルズ。姓も名もファーストネームである人物。素晴らしい。ダニーはジョンの監視メモに目を通した。9時から5時の仕事。受賞歴のある教師。独身。典型的な白いフェンスのある一軒家に居住。死に値するとは言えない人間だ。完璧である。

「マスクの向こう側」記憶:710

ジョン・マイケルズ。ダニーの本の次の章に完璧な名前。ジョンやマイケルという名前を持つあらゆる人間が、意識的、無意識的にかかわらず、このヘッドラインに惹かれるだろう。名前だけでもかなりの数の読み手を惹き付けることができる。

そして物語は彼らを恐怖のかぎ爪で鷲掴みにして、最後の最後になるまで離さないだろう。積み重なった恐怖が最後まで続き、最後にはもうや止めてくれと、自分の人生を取り戻したいと懇願するに違いない。

ジョンが人類学を教える短大から出てくるのを見て、ダニーは高笑いをあげた。ダニーは昔、人類学の授業を受けたことがある。ホモサピエンスの馬鹿げた理論を信じ込ませようとした教師と、熱い議論を交わしたのを覚えている。人類は本質的に好奇心旺盛で知性のある種であり、多くの文明と功績によって、平和と繁栄に向かって進化した、と教師は論じていた。

ダニーはこれに反論した。ダニーは人間が本質的に殺人者であり、他の人間を奴隷にし、手に入れ、破壊し、やがて自滅するように進化した人殺しであると論じた。実績と文明は血を手にするための道具だ。文明の仮面はあくまでも見せかけかつ茶番劇であり、人類の真の顔ーダニーはこれを「恐怖の血塗られた顔」と気に入って呼んでいるーを隠すための精巧なデザインであるというのが、彼の考えだった。恐怖の血塗られた顔は、常に仮面を破って外に出てくる。必ず。真実とは抑制し、隠そうとすればするほど、より強く創造的に解放されて出てくる。まるで命を持っているかのように。まるで欲求を持っているかのように。

そのような議論は楽しかった。教師は世紀末の繁栄の黄金時代に言及し、ダニーは第一次世界大戦を持ち出して反論した。教師は電気の誕生を持ち出し、ダニーは電気椅子や祭りで起こった象の感電死を持ち出した。教師はトラクターや緑の革命を熱く語り、ダニーは戦車や枯れ葉剤について熱く語った。教師は飛行機と、空を飛べることがいかに素晴らしい機会を人類にもたらしたかを指摘した。ダニーは爆弾を挙げた。それが議論の最後だった。

すべての好奇心と発明意欲は血を代価とし、さらに血を流すために使用された。

教師はこれを極端な状況と呼んだ。異常な状況であり、人間の創意工夫の誤使用だと。しかし、ダニーは納得しなかった。ダニーは20世紀を含めどの世紀にも、正常な状況よりも異常な状況のほうが多く存在すると主張した。

特に20世紀においてはそうである。

20世紀には、知識や技術が大幅に進歩したが、知恵は進歩しなかった。

知恵はいつになっても進歩しない。

知恵は進歩することがあれば、常に最後である。

特に20世紀においてはそうである。20世紀には、知識や技術が大幅に進歩したが、知恵は進歩しなかった。知恵はいつになっても進歩しない。知恵は進歩することがあれば、常に最後である。

平和な日々を得るために、10年間血を流す。父親はほぼ毎朝、1セント硬貨をベッドの上に落として、きちんと製造されているかを確認するたびに、そう言っていた。鋼のごとく丈夫で、石のごとく硬く、狂人のごとく狂っている。しかし間違ってはいない。絶対に間違ってはいない。

 

 

「マスクの向こう側」記憶:711

ダニーは黒のセダンの中で、汗まみれになって目を覚ました。居眠りをしてしまったのだ。彼らしくない行いである。エアコンが壊れていて、湿気のせいでダニーの意識は朦朧としたのだろう。

ダニーは瞼が重たくのしかかる目を開けて、ベタベタする首を突き出しリビングルームの窓からジョンが夜遅くのニュースでその日の恐怖を楽しんでいる様子を眺めた。

大きな恐怖がアドレナリン腺を刺激し、それがゆっくりと、毎日の異常な文明生活に対する安心感と感謝に変わっていく。気持ちが晴れる物語一つに対して十の怖い話。これがメディアの出す比率であり、視聴者を増やし、スポンサーである広告主をつけてニュースビジネスを成功させる秘訣だ。

ジョンは突然立ち上がった。

ジョンがテレビに近寄ったのを見て、また受信状態が悪くなったのだろうと思った。ジョンは2つの長いアンテナをいじり、テレビの横を叩くと、元の場所に座り、世界で起こっている恐怖を自分の安心で安全な家で見ながら、ぬるくなった牛乳を一口飲んだ。

ダニーはテレビに関するメモをノートに書きこんだ。おそらく冷蔵庫とともに、これを最終的な物語に組み込めるだろう。緊張感を与える可能性を考慮していると、汗の玉が鼻から滴り落ち、ペンに当たった。ダニーは腕で顔を拭うと、エアコンの修理費を払える金があればいいのにと思った。そして、もうすぐデザインと彼の物語は完成し、それとともに金が入ってくることに気づいた。

しかし大事なのは、物語を急いで作らないことである。急いでしまうと、忍耐と時間が暗い想像力をもたらすという事実を知る機会を失ってしまう。

「マスクの向こう側」記憶:712

既にダニーはジョンのルーチンを記憶していた。数日にわたる監視のおかげで、ジョンというキャラクターと自分の次のデザインの設定の支配者となりつつあった。

ダニーは冷蔵庫の扉から始めるつもりだ。ちょうどあと3分で警告のチャイムが鳴り、ジョンは目覚めるだろう。

ジョンは無造作に階段を下りて、扉を閉めると、ローズビルモールでエスカレーターに潰されるという予期していなかった最期を遂げた可哀想な男のことをいまだに考えながら、すぐに眠りに戻るだろう。ジョンが眠りに落ちるのに完璧な物語自分でなくて良かったと、自分の幸運を喜べる物語だ。自分は生きていてよかった、と。

それでいて、自分の運を使い果たそうとしてしまっている事実、そして自分が明日の夜遅くに報道されるニュースのネタになるという事実に完全に気づいていない。

ジョンが眠りにつきそうになった瞬間、ダニーは再び冷蔵庫を開ける。そして再び、ジョンは台所に戻る。ジョンが冷蔵庫を閉める。しかし今回は、本当に、本当に閉まっているかを完全に確認するため、数分間待つ。そして、もう邪魔されないと何となく満足してベッドに戻る。

ダニーは少しの間、待つ。そして冷蔵庫を再び開ける。ジョンが台所に戻ると、ダニーはリビングにいて、テレビをつける。この時点で、ジョンは家の中に侵入者がいるのでは、と疑う。ジョンは疑うかもしれない一

ローズビルのゴーストを。

ゴーストフェイスを。

伝説を。

ジョンは急いで電話に向かうが、切断されたコードを見つけるだけである。その瞬間、夜を駆け抜けるヒョウのようにダニーが闇から現れ、ジョン・マイケルズの最初で最後の叫びが聞こえるのだ。

ローズビルで最も立派な市民が、このような残酷で理不尽な死を迎えるのは、最も値しない。

完璧ではないか。

湿気が多く、暑いセダンの中で、ダニーはジョンの首にナイフを滑らし、叫んでいる途中でその舌を切断して、ジョンの顔が恐怖で大きな口を開けた状態で固まってしまうのを思い浮かべた。殺害の様子を何度か頭に思い浮かべると、成功確率が上がるということを知っている。父親が教えてくれたのだ。デザインのあらゆるシーンを思い浮かべろと言っていた。それが理由で、父親はメダルがもらえるほどの人間ハンターになったのだとダニーに断言した。殺しの学校では教えてもらえない内容だ。

ダニーは再びデザインを思い浮かべた。その後、目を開けて車から出ると、闇の中を移動して、完璧な家の勝手口に向かった。フフェンスをひょいと越えると、しばしの間、庭の様子を確認する。そして、ガラスの扉を持ち上げて、カチッという音がするまで扉をいじくる。ダニーは注意深く扉を開くと、エアコンの効いた家に滑り込んだ。

少しの間、狭い廊下で涼む。そして、暗い台所に移動し、ゆっくりと冷蔵庫の扉を開けて、漂ってくる冷たい風を楽しむ。柔らかく、暖かい電球色が、床とダニーの隣の小さな丸いテーブルを照らしている。

すべて計画通りだ。しかしその時、ダニーが振り向くと、視界に何かが映った。一瞬、動きが止まる。ダニーは微妙に首をかしげて、目を細めると、マスクを取って自分の目で見えているものが正しいことを確認した。テーブルの上に散らばった恐怖に気づくと同時に、ダニーの顔は無言の叫び声をあげた顔で固まった。

「マスクの向こう側」記憶:713

ダニーは開いた口を閉めると、小さなアングラ新聞に手を伸ばした。「都会の茶番劇」とある前面ページを持ち上げ、以前のデザインで意図的に生かしてやった、酩酊した目撃者による警察の発表に基づいた自分の伝説の風刺画をじっくりと読んだ。ダニーは、読み手の想像力にゆっくりとイメージを構築したかったのに・・・

...それなのに今、大勢の馬鹿者がダニーの物語をパロディで笑いものにしている。パロディなんかで!最悪なジャンルだ。他の人間の創造物を食い物にする太った寄生中め!

自分の生涯をかけた仕事をバカにしやがって!

ダニーは荒く息をして、自分を落ち着けようとした。今日のデザインを遂行することは無理だということに気づく。あまりにも多くの感情が入り混じり、集中できない。憤怒。憎悪。屈辱感。不信感。すべてがぼやけている。最初のデザインのように、かすんでいて、感情的だ。

あのときは状況が違った。しかし、ダニーは最初のデザインで、感情によって最高のデザインが台無しになってしまうことを学んだ。素早く振り返り、冷蔵庫の扉を閉めたが、既に遅かった。

小さな家中に、チャイムが鳴り響いたのである。

やばい!

ダニーは、扉をわずかに開いたままにして、素早くパントリーの闇に隠れた。

その後すぐに、ジョンがあくびをしながら台所にやってきた。冷蔵庫の前で、頭を掻きながら、混乱した様子で立っている。再びあくびをすると、残り物を見つめている。夜食を考えているようだ。すると、何か訳のわからない独り言を呟いてから、残り物には手を付けずに冷蔵庫の扉を閉めた。

これで去ってくれ。ベッドに戻るんだ。ところが一

ジョンはその場を去ろうとしない。

何かおかしいことに感づいているかのように、ずっとそこに突っ立っている。

ダニーからはジョンの輪郭が隙間から見える。ジョンがこちらに近づいてきているようだが、確信は持てない。心臓の爆音が喉から聞こえる。血管の中で血が沸き立つ。脱力感を覚え、頭がクラクラする。まるで失神しそうだ。ダメだ。

ダニーはただ単に殺すのではない。

デザインするのだ。

暗い影がパントリーに近づく。

ダニーは気を持ち直すと、ナイフを突き立てる準備をした。しかし、ダニーには分かっている一

これは大間違いだ!生々しく、原始的で目的が違う。

頼む・・・扉を開けるんじゃない。頼む・・・

ダニーは息をひそめ、避けることのできない事態を待った。

 

 

「マスクの向こう側」記憶:714

ジョン・マイケルズには、その夜、まだ幸運が少し残っていたのだろう。ジョンがパントリーの扉を開けていたら、ダニーはジョンの威厳ある教師としての人生を終わらせるほか、選択肢はなかったのだ。しかし、ジョンは扉を開けなかった。そのため、ダニーには「都会の茶番劇」を持って逃げる機会ができた。

そして今、ダニーは郵便局を双眼鏡で監視し、編集者かアーティストが現れるのを待っている。自分のイメージに対する公然の攻撃を止めるため、素早く対応しなければならない。パロディだと?パロディである必要があるのか?まったくパロディだなんて・・・完全に作り上げられた物語を、大きく口を開けた幽霊のような人物という曖昧な発表を利用して、冗談に変えてしまったのだ。完全な冗談に。自分が努力して築き上げたすべてが風刺画によって台無しにされる前に、今、これまで以上に、この恐ろしいマスクの似顔絵を皆に知ってもらわなければいけないことに気づいた。

このパロディしか人々の記憶に残らなかったとしたら?

そんなことはさせない。すべて集めたんだ。

ダニーは振り返ると、車の後部座席で山積みになった新聞を見た。一晩中かけて、近所の公衆電話からすべての「都会の茶番劇」を集めてきたに違いない。

手を拳にすると、大きくため息をついた。ユーモアが理解できない。自分のすることに何も面白いことなどない。ダニーは、狂気の都会生活で苦しんでいる人々に、ちょっとお門違いの治療を施しているのだ。ダニーは、ローズビルの市民が、その単調な生活を喜ばしく感じる手伝いをしている。少しばかりの休息と安堵をもたらしてやっている。自分のマスクで文明の仮面を守っているのに、人々はそれを笑っている。ダニーの父親が戻ったときに、笑われたように。

ダニーは歯を食いしばった。

このようなクソを出版するのは、世の中に反抗しようとする金持ちのガキぐらいだろう。

誰かが郵便局に入った。ダニーは双眼鏡でその姿を私書箱「19」まで

追った。

出版社の人間ではない。

次は他の男を私書箱

「7」まで追う。

こいつでもない。

また他の男が私書箱

「15」を利用する。

双眼鏡を下ろして、屈辱でいっぱいになった気持ちを落ち着けた。新聞をもう一度見た。編集者への手紙。住所を見て私書箱をメモする。顔を上げると、郵便局に入る若い男が突然目に入った。机を通り過ぎて移動する様子を追い、私書箱

「13」に近づく。

これだ!

「マスクの向こう側」記憶:715

午後10時3分。ダニーは車の中に座り、3人のいじられ役がローズビルコロシアムに鍵をかける様子を見ていた。

ダニーは彼らを「いじられ役」と呼んでいる。トム、ピート、ブラッドリーは全員、大学を中退して、コロシアムでトムの父親の下で働いている。床の掃き掃除や棚卸しを担当し、休憩室でたむろしたり、父親のコピー機を利用してくだらない新聞を作ったりしている。そして夜はビールを数杯引っかけて、レーザータグを1ラウンド遊んで締めくくる。

甘やかされたクソガキは飲んだくれて映画の話で盛り上がり、ゲームセンターやレーザータグで少ししかない脳みその気を紛らし、建設的なことは一切しない。しかし一

ダニーは彼らの名前には感謝している。

完璧な名前だ。

大作などで出てきそうな名前と言えばいいだろうか。トム、ピート、ブラッドリーが極端な状況に置かれ、悪者を全員やっつけて、怪我ひとつなく帰ってくるだけのアホらしい大作。

怪我ひとつなしだって?

ものすごい技術を手にした敵を相手に?

それこそ、プロパガンダでなければパロディである。

トム、ピート、ブラッドリーという名前を持つ全員に、人間を殺すために入隊するよう説得するプロパガンダ。自分を何年間も追いかけてきた実際の悪者を尊敬していた父親が嫌うような類の話だ。本当の話を言えば一

ピートとブラッドリーは戻ってこない。

2人は死ぬ。

恐ろしい死を迎えるのだ。

そしてトムは郊外の町に戻ってくるが、人々の仮面をすぐに見破ってしまうせいで拒否される。自分はもう町に受け入れてもらえない。つまり受け入れてもらえないから、文明という名の下彼という真実の象徴的存在は隠され、それが原因で忘れ去られる。そしてトムは完璧に手入れされた芝や典型的な白いフェンスを見つめ、知ることになるだろう。その先も、ずっと一

すべては見せかけにすぎないということを。

ダニーは3人の酩酊したいじられ役が笑いながら休憩室に入ってくるのを見た。

好きなだけ笑うがいい。もうすぐ、越えてはいけない一線を越すとどうなるのか分かるはずだ。

ダニーは酸が喉に上がってくるのを感じた。もうすぐ、自分が最後に笑うのだと自らに言い聞かせる。このデザインの課題は、湧き上がる怒りを乗り越えることなのだ。ダニーは、ほぼ準備ができたと感じている。あとはコロシアムに行き、完璧な叫び声に最適な場所を探せばいいだけである。今のところ休憩室が第一候補だが、実際に現場を歩いてみるとおそらく気が変わるだろうと考えている。

 

 

「マスクの向こう側」記憶:716

午後10時04分。トム、ピート、ブラッドリーはいつもより1分早く戸締りをした。ダニーは明るい街灯を避けて影に潜み、ガラス扉を通して彼らを観察している。3人が休憩室に入っていくと、ダニーは愛する真っ白のマスクを身に着け、現場でのリハーサルの準備をする。デザインを仕上げる前に、少なくともあと2回コロシアムでリハーサルがしたい。アイデアが自然に湧き上がるのを待つために。

偉大なデザインの秘訣はアイデアを生む時間を持つことだ。

そしてダニーは、これが急いではいけない段階であることを知っている。最も重要な段階だ。あとは執行あるのみ。処刑だけに。

ダニーは自分の冗談に笑い、闇の中を滑るように出口に向かった。デザインに問題を抱えていて、真夜中にインスピレーションが湧いてきたことがどれほどあるだろうか?創造におけるスランプが起きた時は、とりあえず眠ればいいということを今のダニーは知っている。なぜだか、眠るとデザインに磨きがかかるのだ。

今、ダニーは昼間に仕掛けをしておいた扉を開いている。こっそりとゲームセンターに入り、小さな売店を通り過ぎると、議論の声が大きくなってくる。休憩室の近くに隠れたダニーの耳に、ホラー映画や殺人鬼の話で盛り上がるいじられ役の声が聞こえる。連中の声は大きく、やかましい。

彼らの言うことすべてが間違っているのを聞いて、ダニーは突然首に血が集まってくるのを感じた。バカどもがからかっているのは、彼らが理解していないか、あるいはせいぜい理解していると思いこんでいることだ。バカどもは偉大なデザインの批評をして、もっと上手くできたのにと辛辣な言葉を浴びせている。もっと、ずっと上手くできたと。トムは自分たちで共にデザインを作るべきだとまで提案している。ローズビルが怖がるような何かを作り上げようぜ。

ダニーは拳を強く握り、休憩室に入り込んで彼らの首を引きちぎってやりたい思いに駆られた。少し間を置いて、気持ちを落ち着かせる。あと1週間ほどで、あの横柄な愚か者どもに思い知らせてやることができる。単なる傍観者として横から大声を上げ、実際にリングに上がるのはどんな感じなのだろうとあれこれ考える人間が励む脳内の自慰行為。クリエイティブな世界なら、どこにでも存在する輩だ。

ダニーはそれを分かっている。そして、実際に感情を揺さぶられてしまったことに対し、笑った。実のところ、いじられ役たちが自分のデザインの制作を試みるところを見てみたいものだ。最後の最後まで何もかもをしくじり続け、失敗だらけに違いない。最終的に何をするのかを見るために、生かしておきたいと思ってしまいそうだ。

そんな気にさえなる。

ダニーは腕時計に目をやった。あと1分。彼らが不満を言い、自分たちだけで完璧なデザインを遂行できると偉そうなことを言っている間、ダニーは時間をカウントダウンする。自慢と威勢が消えると、すぐにコロシアムのスピーカーから大音量のロックンロールが流れる。

いじられ役たちが休憩室から出てきて、手軽なアドレナリンを求めてレーザータグアリーナに入ると同時に、ダニーは素早い足取りでピコピコ音を出しているゲームセンター裏に戻った。ダニーは静かに影から出ると、休憩室まで10歩数えた。彼らのレーザータグの試合が終わるまで、ちょうど22分ある。

扉を開き、小さな部屋に入ったが、気の抜けたビール、傷んだコーヒー、汚い灰皿のねじれたタバコの吸い殻の悪臭で、思わず吐き気を催した。少し横を見ると、ダニーはマスクの下で目を見開いた。

何なんだこれは!

歴史上の自分の傾倒する殺人者の風刺画だらけの黄ばんだ壁を見て、心臓の轟音が耳にまで届いた。ダニーの顔がこわばる。奥歯で歯ぎしりをすると、マスクの下の自分を抑えようとした。少し時間が必要だ。気持ちを落ち着かせて、ここを去る必要がある。

見てはいけない。見るんじゃない・・・

しかし、自分が抑えられない。伝説的人物を見て笑うわけにはいかない・・・

「マイナー」と呼ばれる殺人鬼の風刺画に手を伸ばして触れた。伝説の偉人を笑うわけには…ダニーの口が開いた。唇が震える。このような気持ちになったのは久しぶりだ。

伝説の偉人を笑ってはいけない!レジェンドだぞ!

背を向けて離れようとするが、足がセメントでくっついたようだ。身体全体に刺されたような感じがして、血が激しく血管の中を流れ、抑えられていたものが湧き上がってくる。

ダニーは目を閉じて、10数えた。最初のデザインの頃から進歩しておらず、数を数えても何にもならなかった。自分を見つめなければ。

歩き去れ。

歩き去るんだ。

デザインのために。

ダニーはパロディの壁を見つめ、大きく息をした。目を閉じて、10から下に数えていった。そして目を開けると、歪んだ、滑稽なあらゆる顔が自分を笑っている。

無視したい。その場を去りたい。その場を去るべきだ。しかし、何かに突き動かされて、それができない。そして何が起きているかに気づく間もなしに、自分の中の何かが解放された。拳を強く握ると、壁に打ち付けた。

デザインなんてどうだっていい!

「マスクの向こう側」記憶:717

最後の10分間はあまり記憶にない。すべてが一瞬の感情で起きた。瞬間瞬間は覚えている。部分的な瞬間。閃光灯を点けたこと。音楽の音量を上げたこと。ドライアイスの機械を起動させたこと。涼しい、霧のかかったアリーナで、3人のいじられ役をスロアーモーションで狩ったこと。そして今、ダニーは完全に誰か分からなくなった血まみれの顔からギラリと光る狩猟用ナイフを抜いている。

クソッ。頭を百回ぐらい突き刺したのだろう。

ダニーは目を細めて顔を見るが、閃光灯のせいでうまく見えない。顔が昔の犠牲者の顔に見える。光が点滅するたびに顔が変わる。

首を横に振り、しっかりと顔を見つめた。これはトムだ。いや、そんなはずはない。トムは脚を刺したはずだ。まだ生きている。どこかで芋虫のように這っているはずだ。

ピートか?いや、ピートであるはずもない。ピートは頭を落としたはずだ。意図した内容ではないが、どうしようもない場合もある。ナイフを少し強く押しすぎた。少し深く切りすぎた。少しカを入れすぎた。

ピートでなければ、そしてトムでもなければブラッドリーに違いない。あのブラッドリーだ。ブラッドリーが叫び、自分がナイフを口に突き刺して黙らせるイメージが突然浮かんだ。ダニーは領き、ため息をついた。そうだ。ブラッドリーだ。絶対にブラッドリーだ。

ズタズタになった顔を長い間見つめた。思ったほどひどくない。ダニーは思った。ちょっと汚いが、なんとか挽回できる。

最後にデザインを即興で行ったのは、父親とだった。あの世で元気しているだろうか。ダニーはこれよりも優れたデザインと処刑を成し遂げるはずだった。だが彼は、どれほど自分の中で我慢していたのかに気づいていなかった。物語やメダルを取り戻す練習や、非現実的な期待のせいで、何かがプツンと切れてしまったのだ。

予期していなかった方法でキャンプをしていたある夜、それは突然あふれ出した。よくあることだ。日常的で、最高峰の人間にも起こり得る。ただ、自分に起きるとは思わなかった。そして、ここでまたそれが起こっている。

音楽が一瞬止まり、誰かが泣きじゃくり、助けを求めているのが聞こえた。

トムだ。

ダニーは点滅する照明と暗闇の中を移動し、温かい血の跡を追って迷路を進んだ。やがて血は、セメントの地面の上を這いずり、必死で外に通じる扉へと向かっている若い男のいる場所に案内してくれた。

ダニーは威圧的に近づく。トムの前で膝をつき、彼を見つめる。エアコンがついているにもかかわらず、汗が顔を伝って、血だまりに滴り落ちる。汗が顔から落ちるのを見て、気づいた。

マスクをしていない。血まみれになった温かい顔に手を触れると、休憩室で風刺画のすべてを引き裂いた後にマスクを外したのを何となく思い出した。

それは、これがゴーストフェイスに関係ないからだ。これは別の話なのだ。こんなに不器用な、それでいて満足のいく殺害をゴーストフェイスのせいにするわけにはいかない。

トムはダニーを見上げる。

ダニーは汗と血を顔からぬぐった。二人の目が合う。

もう笑えないよな?

ダニーはトムの手にナイフを握らせた。

模倣犯って知っているだろ?お前がそれだ。失敗した模倣犯、真の殺人鬼のパロディさ。

トムはそのナイフでダニーを攻撃しようとする。

落ち着けよ、トム。怪我するぞ・・・

トムの腕は下がり、血だまりの血を跳ね散らせた。ナイフは指先にぶら下がっている。必死に血濡れた指で柄を握り、ナイフで攻撃しようとするが、切るのは空ばかりだ。

ダニーが笑う。政治家がお前の話を利用して、ビール、ロックンロール、ホラー映画の撲滅運動をする。今考えているのはそんなシナリオだ。お前はどう思う、トム?

トムは喘ぎ、何かを言おうとするが言葉が出ない。

ダニーがさらに近づいた。声を低くして無慈悲な囁き声で、トムの次の記事のヘッドラインを提案する一

ゴーストの模倣犯。悲劇がローズビルコロシアムを襲う。従業員が同僚2名を刺し殺し、その上致命傷を負う。

ダニーは検討すると、別のバージョンを提案した一

行きすぎた冗談。悲劇がローズビルコロシアムを襲う。酒、ロックンロール、ホラー映画で楽しんだ夜、行きすぎたいたずらで3名の従業員が死亡。

ダニーは首を少しかしげた。両方のバージョンを検討する。酒、ロックンロール、ホラー映画は罪を負ってもらうのに最適だ。読み手の注意を引くのにちょうどいい。

槍玉に挙げる対象。

隠れられる場所。

だが、この件に関して隠れられる場所を提供したいかどうか、ダニーは確信を持てない。ダニーはトムに近づく。どう思う?模倣犯か悪い冗談か?

トムは何か訳の分からないことを呟いている。

ダニーは微笑んだ。悪いな。ちょっと聞こえないよ。もうちょっと大きな声で言ってくれるか?大きく息を吸って・・・しっかりと発音するんだ。ほら・・・お前にはいろいろと意見があるんだろ?皆にどうやって覚えてもらいたいかについても意見を言えばいい。

トムは必死に身をよじり、どうにかして死ぬ前に最後の叫び声を上げた。

ダニーはため息をつき、点滅する照明の中、目を閉じた。いまだにどちらの切り口でいけばいいかわからない。でも、どちらにしろ、どうだっていいことだ。どちらのバージョンの話でも、ローズビルの善良な市民は恐怖におののき、寝る前に自分たちの仮面をしっかりと顔につけて、幸運と、とんでもない狂気に満ちた郊外の生活に感謝するだろう。

~終わり~