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【DbD】スカルマーチャントのアーカイブストーリー「記憶の断片」【学術書15】背景物語

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スカルマーチャント「アーカイブストーリー」学術書15
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・スカルマーチャントの背景を知りたい!
・スカルマーチャントのアーカイブストーリーってあるの?

とスカルマーチャントの背景物語について知りたい方の悩みを解決できる記事となっています。

 

本記事はDBDの学術書15で解放されるスカルマーチャントのアーカイブストーリーとなっています。スカルマーチャントの背景が描かれています。


スキマ時間にお読みください。

スカルマーチャントのアーカイブストーリー「記憶の断片」背景物語

 

物語と一緒に解放された、スカルマーチャントのアーカイブムービーになります。こちらも合わせてご覧ください。

記憶 2516

2番。彼女は吐き気がした。自分が2番になることなどない。出版会社の能無しが父さんのシリーズを終わらせなければ、自分も学期の最後まで出席できたはずなのに…やつらには天才のことがわからないんだ。彼女は自分の成績が落ちていき、ジョアンがクラスで1番になるのを黙って見ているしかなかった。

ジョアン。その名前を聞くだけで虫唾が走る。あいつに特別な所なんてないじゃない。あんなのはせいぜい2番でいるのが相応しいのよ。

記憶 2517

彼女は家で時間を持て余していた。ちょっと水を差してやろうか・・・学校に電話して、あいつをトラブルに巻き込んでやる。電話のベルが鳴る。まだ何を言うかは決めていない。でもそのまま相手が電話に出るのを待った。

電話に事務員が出た。もしもし?アドリアナは躊躇する。もしもし?

あのう、息子のことで電話したんですが…彼の名前はジョアンです。彼の成績表を受け取らなかったので、ファイルにある住所を確認したいんですが...

事務員は彼女の質問にすべて答えてくれる。簡単なものだ。彼女は電話を切る。そしてその電話を見つめた。なんでこんなことをしたんだろう。ふと、父親のマンガのことが頭に浮かぶ。これでいいんだ。情報を収集する。そして、それを利用する。マンガに出てきた「彼女」のようにね。

 

記憶 534

彼女は消火栓の後ろに自転車を置き、時間を確認した。もうすぐだ。

フェンシングの練習を終えたジョアンが時間通りに建物から出てきた。彼女はメモを取る。アドリアナは彼の予定を彼以上に把握している。1時間後、彼は家でビデオゲームをしているだろう。そして10時に寝て、朝起きたら学校に行き、友だちの家に寄ってから自転車で帰宅する。夕方は家庭教師と数学を勉強する予定だ。

この1ヵ月間、彼女はずっと同じことを続けている。ジョアンを尾行し、彼の予定を把握し、彼に関するあらゆる情報を収集する。彼女にはまだ、自分がどうしてこんなことをしているのか分からなかった。ただ、誰かを支配する力を持っていることが気持ちよかった。その気になれば、いつでも彼のスケジュールを邪魔できる。彼の人生だって滅茶苦茶にできるだろう。彼女は自転車に乗り、帰宅する彼の後を追った。

彼は、いつも近道として使う裏通りを進んでいく。尾行されているときに使うのは、あまり安全とは言えない場所だ。もちろん彼は尾行されているとは夢にも思っていない。彼女は気づかれないように十分注意を払ってきた。彼の自転車がクギの上を走り、ハンドルバーが回転する。膝と手のひらに擦り傷を負ったようだ。彼は文句を言いながら、その場に座り込んでパンクしたタイヤを見つめている。なんて使い物にならないやつ。こんなのがクラスで1番の成績を取るなんて。こんな間抜けな能無しが・・・

彼女は、彼に飛び掛かる自分を想像してみた。ここなら誰かに見られることはない。やるならここだろう。父さんのマンガの世界だったら・・・やるならここだろう。

記憶 1601

彼女は『ソーニャドレスソンブリオス』のダークで細部の乱れた絵をじっくりと見つめた。このマンガのどこかに手がかりがあるに違いない。彼女が気づかなかっまた何かが。あの日父親が家から出ていき、二度と戻ってこなかった理由を説明する何かが。

しかし、そこに答えは見つからなかった。その質問に対しては···

彼女の父親は毎晩、古い電気スタンドのほのかな明かりの下でこのマンガを描いていた。そこに彼女が見つけたものはインスピレーションだった。彼女が生きていく上での手本だ。

彼女は父親の最初のマンガ『アディ・ヴァレンテ』が大好きだった。しかし、それから何かを学ぶことはなかった。『ソーニャドレス・ソンプリオス』は違う。スカルマーチャントは明確な「やり方」を持っている。彼女はまず標的のあらゆる情報を集める。彼らの動きを完全に把握するまで、デジタルフットプリントから実際の足取りまで彼らを執拗に追跡する。そして彼ら自身よりも彼らの生活を知り尽くし、標的が日課にはまっているところでそれを破壊する。

そして彼女が標的に選ぶのは、選び抜かれた強者のみだ。最初は弱者を守ることがその目的だったが、次第にその責任感は薄れていった。そして、一番である自分の地位を脅かすような強者を倒すことが唯一の目的となった。スカルマーチャントは、馴染みのある快適な環境から標的を引き離す。そして辺びな場所で孤独と恐怖に震え上がる彼らに襲い掛かる。

アドリアナは自分も似たような状況にいることに気づいた。彼女が毎日関わりを持つ裕福な重役たちは、自分たちの恵まれた生活にどっぷりと浸かり、吐き気が出るほど現実離れした生活を送っている。自分たちは、勝ち組の特別な存在だと思っているのだろう。彼らの皮を剥ぐことは容易なことではない。しかし、やりがいのあるチャレンジは、たいがい容易ではないものだ。

記憶 950


スカルマーチャントは悪臭を放つ水の中に刃を浸した。キラリと光る炭素繊維から血や膿の汚れが落とされていく。彼女の肩から力が抜ける。また仕事をやり終えた。彼女は水の中からゆっくりと武器を持ち上げ、水が一滴も床に落ちないように注意しながら武器を壁に掛けた。水を無駄にすることはできない。

彼女は質素で狭い部屋の反対側まで歩いていき、壁から伸びたコードを自分のうなじに差し込んだ。彼女を取り囲む現実の世界が姿を消し、別の世界と入れ替わる。それは光に満ちた世界。きれいで完璧な、嘘の世界だ。彼女はしばらくの間、太陽を真っ直ぐ見つめていたが、自分のハードウェアに忍び込んたポップアップが邪魔に入った。彼女は太陽を見るのを止め、その侵略的なポップアップを閉じる。

あんたは取引をするんだろう?背後から気弱な声が聞こえた。彼女が振り向くと、筋骨隆々の人間の腕を持ったシマリスが立っている。するかもしれないわ。でも取引の相手は誰?

仕事を頼もうっていう人がいるんだ。その声の主は、高額クレジットを払って自分のアバターを手に入れたんだろうが、その姿は冗談にしか見えない。でも、彼女の顔は笑っていない。

私はもう仕事を引き受けない。今は自分のためだけに働いてるの。

でもこの話には興味を持つかもしれないよ。彼は「あんたは疲れ切ってる」と言っていた。引退したも同然だってね。

彼って誰のこと?

詳しいことは知らないが、彼はサイボーグだ。いや、もうサイボーグじゃないかもな。融合できる肉や皮膚が不足してるからね。今じゃロボットと呼んだほうがいいかもしれない。「テリー・クローム」って名前を使ってるよ。

見当違いもはなはだしいわね。そう言って彼女はその世界から抜け出した。彼女はベッドを見つめ、ため息をつく。今夜はあまり眠れそうもない。狩りが呼んでいる。彼女はネオデジャネイロの荒れ地を眺めながら、再び刃を腕にはめ込んだ。

 

記憶 8433

分からない人には分からないこと。それは、利益を得るのに、ビジネスが必ずしも「成功する」必要はないってことだ。もちろん、初心者のうちはビジネスが成功していた方がやりやすいかもしれない。しかし、彼女は企業買収の初心者ではない。やり方は簡単だ。まず、そこそこの総収入と膨大な費用がある会社を買収する。次に予算を削減し、必要最低限の数を残して無駄な人間を首にする。そして利益を搾り取ってから、内部状況を見抜けない間抜け野郎に価格を上乗せして売却する。

一方、自分と同じような考えを持つ取締役を揃えるのは簡単なことではない。株主が押し付けてくる取締役たちには臆病者や怠け者が多い。そして彼女が一番嫌いなのが道徳観を持つタイプだ。やつらは無駄を省くという「冷酷さ」を持たない。そして自分が正しいことをしていると思う連中ほど質が悪い。彼らは業績を上げること以外には興味を示さず、黒字であれば自分が正しいと勘違いする。

彼女は邪魔な取締役たちも過去のライバルたちのように排除できたらいいのにと思った。森の奥深くに連れ出して動物のように狩ればいい。しかし、彼らが相手だと、やりごたえはないだろう。やつらは軟弱で、自分だけでは何もできない愚か者だ。そんな狩りは簡単すぎる。スカルマーチャントと同様に、彼女の標的となり得るのは強者の獲物だけだ。

つまり、彼らは「従来の方法」で片付けるしかないだろう。冷酷な根回しを使うことによって...

記憶 2372

やっと。追い詰めるに値する獲物が現れた。

ちょうどいい獲物を見つけるのは久しぶりだ。今回の獲物には、かなりの期待が持てるだろう。彼は民間契約者に転身した元軍人。軍から引退した後は北西部の小さな農場で静かに暮らしている。噂によると、戦闘用ナイフだけで何か月も森の中で生き延びたこともあるそうだ。

今アドリアナが建設を計画中の工場がある。彼の所有する小さな区画が、その建設予定地内に位置していた。

何週間も続いた交渉は実を結ばず、彼が首を縦に振ることはなかった。土地の買取価格を引き上げても全く効果はない。役員たちは彼の区画を取り囲む土地を売却して、別の場所に建設することを話し出した。悪くない考えかもしれないが、彼女にとって重要なのはそのことではない。彼女は自分が負けることが許せない。彼女が2番手に甘んじることはないのだ。

彼女は彼に会いに行った。直接交渉するためだ。彼女は条件を提示するが、彼はそこれを丁寧に断った。それは残念だわ。戦場から退いたんだから、また誰かと戦うなんて避けたいはずよね。あなたにその覚悟ができてるといいけど。

彼の家を後にした彼女は、怒りで顔が赤くなるのを感じた。さっきは思わず言い過過ぎてしまった。彼のような男は、今まで以上に用心深くなるだろう。これで彼を罠にかけて連れ出すことは、より一層難しくなった。たとえ連れ出せたとしても、彼を追い詰めることは至難の業だろう。しかし、狩りのことを考えていると、彼女の中で苛立ちが興奮に変わっていった。方法は必ずある。それにはまず、彼に関するあらゆる情報を集めればいい。

記憶 2373


アドリアナがモニターアームに取り付けられたディスプレイを覗き込む。彼女のドローンが50階の高さを飛行しながら、ある部屋にズームインする。それは、彼女の会社が投資した豪華な建物内にある未完成のペントハウスだ。ドローンのカメラから、薬で眠らされた元軍人が目覚める様子が見える。彼は自分の体を揺すって眠りを覚ますと、すぐに周囲の警戒を始めた。そして建物の端まで駆け出し、危うく階下に落ちそうになる。

やめてよ。そんな簡単に終わらせようとしないで。

彼は状況を掴もうと建物内を歩き回り、その構造を調べている。彼が身を守れるように彼女が用意しておいた戦闘用ナイフも見つけた。そして脱出へ向け、階段を降り始めた。

彼女は隅から隅まで建物の構造を熟知している。彼女はドローンを所定の位置に配置した。もちろん彼のような軍人なら、ドローンを避ける手段も心得ている。しかし彼女の目的は、そのドローンを使って彼の動きを監視することではない。その目的は彼の進むルートを限定すること。そして彼女の思う場所へ誘導することだ。彼にはそのことも分かるだろう。しかし、そうであってこそ狩りが面白くなる。2つの優れた頭脳が、お互いの動きを先読みして競い合うのだ。認めたくないだろうが、彼もどこかでこの挑戦を楽しんでいるに違いない。

彼女は腕に刃を装着する。それは、父親のマンガに出てきたような光沢を帯びた銀色の刃・・・父親と自分を結びつけるものの一つだ。

彼女の父親は毎晩『アディ・ヴァレンテ』を読んでくれた。彼は何よりも、自分の作品に没頭していた。その情熱は、父親のことで最も尊敬するところだった。父親のためにも、彼の世界を大切にしなけらばならない。

大切するだけじゃない。息を吹き込むの。スカルマーチャントの話を誰も買わないのなら、彼女がスカルマーチャントになればいい。そうすれば、彼の物語はみんなに知られることになるだろう。

~~おしまい~~