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【DbD】タップ刑事の過去が描かれた「アーカイブストーリー(背景)」を見てみよう「学術書10-ソウ」

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こんにちわ。きまぐれです。当ブログでは、DbD(デッドバイデイライト)に関する情報をお届けしています。初心者さん向けに分かりやすく。を心掛けております。どうぞよろしくお願いいたします。(※総プレイ時間約3000時間程度の若輩者です)

 

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きまぐれ

本日は「学術書10」で解放される「タップ刑事」の過去が描かれた背景ストーリーのご紹介です。

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タップ刑事の過去が描かれた「アーカイブストーリー(背景)」

youtu.be
「聞き流しでサクッと見たいっ!」って方はこちら。音声&字幕付きの動画になります。ラジオ感覚でお楽しみください!

タップ刑事「固有パーク」

パーク名 解放レベル 優先度
執念 30 ★★★☆☆
刑事の直感 35 ★★★☆☆

張り込み

40 ★★★☆☆

記憶 4100

車を降りるデイビッド・タップ刑事を倦怠感が襲う。背筋を伸ばすと、深く息を吸い込むが、まだそれは消えない。目に疲労を感じる。いつもそれに悩まされる。

サレンコ夫妻の家へは歩けばすぐについてしまう。彼はこれが永遠に続けば、一歩一歩もっと時間がかかればいいのにと思う。でも、それを申し出たのは彼自身だ。行方不明のご子息のシェインは亡くなりました、と伝える役を買って出た。

予定通り、休暇を取ればよかった。そうすれば今頃ビーチで肉を焼いていたかもしれない。いったい俺は何を考えてたんだ?

もう飛行機に乗ろうとしていたのに。空港で搭乗を待っている間、妻は手を伸ば、し、彼の指に指を絡め、しっかりと握りしめてきた。何も考えず、彼も握り返し、た。反対の手には、最新のジグソウ殺人の社者の司法解剖結果がある。ちらっと見るだけ、週の残りはしまっておくから、と約束する。

女性。37歳。腰の傷からドリルの破片を発見。流通品ではなく、80年代に倒産した会社の特注品。

タップは会社のロゴに見覚えがある。育ったところから数ブロック離れたところにこの工場があったからだ。あの場所はまだ放置されたままだろうか?誰かに任せるには重大すぎる。航空券はキャンセルして、数日後に取り直せばいい。
妻にそれを告げようと振り返る。何も言い出す前から、涙が彼女の頬を伝っていた。

記憶 4101

誰か別の人間がしゃべっているように聞こえた。ご子息のシェインは亡くなりました。
両親の顔から表情が消える。ショック。悲痛。苦悩。一言では表すには強烈すぎる事実。1秒が過ぎるたびに、トラウマの中を漂っているようだ。うめき声や泣き声を体中に浴びて。

タップはじっと立って、戸惑いを隠し、両親のほうがずっとつらいのだからと自分に言い聞かせ、待っている。彼は部外者として慰めるべきか、悲しませておいてやるべきか迷っている。どちらを選んでも誠実さに欠けるような気がする。長年経験してきたことなのに、それでもまだどうしたらいいかわからない。誰にも永遠に分からない。

父親が叫び声をあげた。シェインの叫び声を思い出す。数時間前の記憶が呼び起こされ、振りだしへと連れ戻される。はっきりと残る記憶・・・」
工場に到着した。今は使われていない建物。無理矢理侵入した形跡がないが調べて回る。20分後。足跡もなし、窓も壊れていない、フェンスも破られていない。疑惑が脳裏をかすめ、次第に広がっていく。

おんぼろの空き家を捜索するために妻を置き去りにしてきたのか。なんて休暇なんだ。
頭のどこかで謝罪の言葉を考えるが、過去数回と大して変わらない文言しか思いつかない。でも、家に帰る前に何か言うことをまとめておいたほうがいい。実母と話す時間は充分あったはずだから、怒りの炎は充分に焚きつけられているだろ。

花でも用意しよう...いや、陳腐すぎるだろうか?そうだな。花束を贈ったぐらいで無罪放免となるような時期はもうとうに過ぎている。それに、もうー

突然、音が聞こえた。

叫び声?ほんとんど聞こえないような、かすかな声。幻聴かと疑いたくなるくらいの距離から聞こえてくる。

待て、慌てるな。近くまで・・いや、やめた。

今回は間違えられない。もう捜査は打ち切りにして、家に帰って妻に伝えよう。悪かった、俺が間違っていた、馬鹿だった、もうやらない、次はちゃんとするから、許してくれ。次はちゃんとするから。

しっかりするんだ。助走をつけて、ポロポロの扉に体当たりする。

 

 

記憶 4102

サレンコ夫人に、中に入って、お茶でも飲みながらお話しましょう、と誘われ、る。それよりバーカウンターと、頭を突っ伏せる場所が欲しい。ウェイトレス以外に邪魔をする人間がいないところ。彼はとにかく誘いを断りたいと思う。

もちろんです、私にできることがあれば、ぜひお邪魔してお話しましょう。

埃っぽいソファーに腰を降ろす。サイドテーブルの上では紅茶が冷めきっていた。チャイだ。付き合い始めたころ、妻がよく作ってくれた。当時はあまり好きではなかったが、それでも飲んだ。彼女が喜ぶから。彼女が喜ぶと彼もうれし、かった。やかんの湯の沸く音、カップでお茶をすする感じ・・・まさに絵に描いたような夫婦の光景に感じた。いつ、サレンコ夫人がお茶を注ぎ終えたのか思い出せる。

シェインの両親は、息子の思い出話をしながら、涙の合間に笑顔を見せた。時々、現実を思い出して、どちらかが声を詰まらせ、ちょっとすみません、と言う。

タップは無線に手を走らせ、応援を呼ぶ声が聞こえないかと期待する。サレンコ夫人はシェインの最近の様子を思い出して涙をぬぐっている。

本当に優しい子だったのよ。フィアンセと別れて傷心していたの。やり直そうと、努力していたのよ...でもダメだった。なんとなく、彼女から離れていって。そこからすべてがうまく行かなくなったの。大学も辞めてしまって、することも定まらないまま日々ふらふらと。回復することはなかったわ...生きるのをあきらめてしまったのね、きっと。輝きを失ってしまった。

タップは申し訳なさそうな顔をしていたが、頭の中では、この情報を報告に書き込んでいた。人生をあきらめた人間を実験に使うのは、まさにジグソウのやり方だ。シェインは希望を失い、将来を放棄してしまった。それはこの狂人に言わせれば何かの罪なのだろう。あのイカレ野郎はこの不憫な若者を痛い目に合わせてやろうと罠を仕掛けたのだ。傷ついた心を癒すのに、不快な思いをすることが、必要なのか?そうかもしれない。今のところ、彼ほどジグソウを知っている人間はいない。いや、待てよ。本当にそうなのか?頭の中をかき回して、彼を苦しめる別の記憶を掘り起こす。背後に聞こえるサレンコ夫人の声でそれが判明する。

シェイン。彼を救うチャンスはあったのに、タップはそれを潰してしまった。

記憶 4103

そのシーンが脳内で何度も再生され、ひどい二日酔いのように頭がガンガンする。

廃工場の間に彼の眼が慣れてくる。窓に打ち付けられた板の隙間から、光の筋が、差し込む。カビっぽい空気が彼の肺を満たす。彼は前進する。棚の間を歩いてみ」る。床を見ると分厚く降り積もった埃に足跡がついているのに気づく。落ち着い」た安定した動作で、銃を抜く。立ち止まって、耳をそばだて、侵入者が姿を現わさないか待ってみる。何も起きない。静かだ。もう一歩、前へ出ようとしたその時―

コンクリートの床に金属が擦れる音がする。タップの横にあった棚が倒れかかってくる。背の高い、重たい棚。アドレナリンが一気に放出される。時間の進み方がゆっくりになったような気がする。千分の一秒ほど一瞬、意識下にあるはずの考えが横切る。

彼女は聞いた時に泣くだろうか、俺が死んー

神経のすべてが1つの目的に集中する。ジャンプしろ。体重を移し、蹴り出して、腕を伸ばして衝撃に備える。彼は激しく地面に落ちた。彼の周りで耳をつんざく、ような衝撃音がこだまする。

振り返ると彼がコンマ何秒前までいた場所に棚が倒れ、銃が下敷きになっているのが見えた。足音が床の上を素早く通り過ぎていく。マントを着た何者かが、影に逃げ込む。タップは立ち上がると、それを追いかけた。

 

 

記憶 4104

マントの中の姿を一目見ようと、走り去る影の後を追いかける。無駄だとわかりながらも、止まれと叫ぶ。

ミスタータップ?刑事さん?

突然、思考の中から呼び戻された。サレンコ夫人は辛抱強く写真を彼の前に差し、出している。見たいとは思わない。それより、紅茶に注意を向けて、冷めきったお茶を一口すすり、底に沈殿した茶葉のカスを見つめていたい。でも、そういう、わけにいかないのはわかっている。胃液がこみあげてくるかのように、罪悪感が、喉元にこみあげてくるが、自分の役割を果たさないといけないことはわかっている。

彼は写真を受け取った。プロムに行くために着飾った若いシェインが、笑っている。明るい、活発な笑顔だ。しかし、タップの目に映るものはすぐに消え始め、次第に殺害された少年の、痛みと恐怖とにひきつった顔と入れ替わった。そして、彼は思い出す。最初にシェインを見たとき、彼の目にはそれ以外の何かが、あった。希望だ。きっと助けてもらえると信じる気持ち。

それが何よりもつらかった。

記憶 4105

タップは、薄暗い部屋の中へとマントを着た影を追い込んだ。部屋に入った途端、電子音が鳴り響く。目の前に現れた光景の衝撃に、足がもつれてこおりつきそうになる。

恐怖におびえた若い男が、4、5メートルほど先に立っている。背中と腕を金属のフックが貫いていて、男の動きを妨げていた。前にはジャックハンマーが仕掛け、られている。ハンマーは首と胴体に鎖でつながれ施錠されていて、先端は胸の左側に当てられていた。その後ろの壁には2つに割れた心臓の絵が掛けられている。

タイマーが時を刻む。45秒。シェインは叫び声を上げ、自分の目の前にあるカギを取ろうと手を伸ばす。背中と腕に刺さったフックがさらに食い込む。体を伝って血が滴り落ちる。タップは彼に駆け寄る。

待て、いいか、息を吸うんだ。吸って。動くな。

タップはカギ束をつかんで、シェインの首の錠前に手当たり次第突っ込んでみ、る。無理矢理、ねじ込んでみる。ダメだ。次のカギ。役に立たない。手が震える。タイマーを見る。もう1本。はずれだ。

コンクリートに足音が響いてくる。影からマントを着た姿が現れ、急いで逃げ去る。まだ犯人を捕まえる時間はある。シェインは叫び声をあげる。呼吸が速く」なって、言っていることが不明瞭になってきている。タップは再び彼を見た。

クソッ。じっとして、もう少しだ。

次のカギもダメだ。一度試してみた中にあるのでは?そんなことはない。どれだい?

マントの影は出口へと走っていく。もう考えている暇はない。

記憶 4106

タップが玄関に立つと、サレンコ夫人は彼の肩に手を置き、悲しげな笑顔を見せた。夫人は彼に、シェインの最期の時に一緒にいてくれたこと、できるだけ苦しまないようにしてくれたことに感謝する。

あなたがいてくれて、きっとあの子も良かったと思っているわ。シェインはいつも1人でいるのを嫌がっていたから。

タップは口の中が渇き、心が沈み込むように感じた。何か言いたいのに、咳払い、をするばかりで何も言葉が出てこない。ただ頷き、それで充分なことを願う。ジャケットを着ると、振り返り、よろめくように家から遠ざかっていく。思った以上に道は遠い。

叫び声をあげたい気分だ。あるいは、黙って倒れ込みたい。その両方かもしれない。携帯を取り出して、妻の番号を探す。以前はこれが日常だった。妻に電話し、て、今夜は大変だったよと言い、インスタントのラーメンやビールなんかを買って帰る。夜更かしして、話をして、テレビで再放送の番組を見て、とっちが先に寝落ちしたんだろうと思いながらソファーで目を覚ます。

送信ボタンの上で親指がさまようが、押すことはできない。もう手遅れだ。どこにいるとしても、彼女はもう帰ってこない。今は彼とジグソウの2人だけだ。

そのことに気づき、彼は身震いした。重荷がのしかかる。誰にも聞いてもらえず、慰めてももらえない。彼女がいなければ、シェインの身に起きた真実の記憶は、埋もれ、悪化してしまう...