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【DbD】トリックスターの基本性能とおすすめアドオン&対策「Dead by Daylight」

 

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・トリックスターについて知りたい!
・固有パークは?
・背景物語も教えて!

とDBDのキラー、トリックスターについて詳しく知りたい方向けの記事となっています。

 

 

トリックスター 基本ステータス

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魅惑的なスキルを生涯をかけて磨き上げたハク・ジ ウンは、ナイフを速射する。

移動速度 4.4m/s 脅威範囲 24m
背の高さ 平均 難易度 難しい

トリックスター 特殊能力【名演】

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ナイフを44本持った状態で儀式を開始する。能力ボタンを長押しすると腕を構え、ナイフを投げるモードに入る。投げモードの間、攻撃ボタンをタップするとナイフを1本投げ、攻撃ボタンを長押しすると連射する。連射するとコントロールと投げる速度は上がるが、移動速度は低下する。ロッカーにナイフを補充する。

裂傷メーター

ナイフが命中するたびに生存者は裂傷メーターが上昇する。メーターが満タン【6本当たると】生存者はダメージを受け、負傷するか、ダウンする。

特性

短時間ナイフが命中しなかった場合、「走っている生存者は20秒」「そうでない生存者は15秒」で最大からゼロに。

特殊アビリティ【メインイベント】

メインイベントナイフが命中するたびにイベントメーターが上昇する。満タンになった状態でアビリティ発動のボタンを押すと【メインイベント】が発動する。このモードに入ると、

・ナイフを無制限に投げ、投げる速度が大幅に上昇し、投げモードの間も移動速度が低下しなくなる。

・発動すると自動的にナイフを投げ続ける。
・途中で中断できる。
・発動中、ナイフの所持数が減らない。

 

トリックスター 固有パーク

スターに憧れて

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発動条件 ・殺人鬼が生存者を持ち上げている間
効果詳細 ・殺人鬼が生存者を持ち上げている間、脅威範囲内の他の生存者は常に無防備効果を受ける。
・無防備効果は、対象が殺人鬼の脅威範囲外に出るか、殺人鬼が持ち上げている生存者をフックに吊るか落とすかしたあと26/28/30秒間持続。
・発動中、生存者を持ち上げている殺人鬼の脅威範囲に再び入るとタイマーがリセットされます。
・クールダウンは60秒間
詳細解説 『スターに憧れて』効果解説&使い方ガイド

呪術:クラウドコントロール

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発動条件 ・生存者が窓の高速乗り越えを行う
効果詳細 ・生存者が窓の高速乗り越えを行うと、その窓がエンティティによって14秒間ブロックされる。
詳細解説 『呪術:クラウドコントロール』効果解説&使い方ガイド

袋小路

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発動条件 ・生存者が脱出ゲートのスイッチにインタラクトする
効果詳細 ・生存者を初めてフックに吊るすたびに、袋小路の1トークンを獲得する。生存者が脱出ゲートのスイッチにインタラクトすると、12秒間に加え、所持するトークン1つにつき6/9/12秒間、脱出ゲートの両方のスイッチがエンティティによってブロックされる。
詳細解説

トリックスター「おすすめアドオン」

アドオン名 効果詳細

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玉虫色のフォトカード

・生存者の裂傷メーターがあと2回以下のナイフ命中で最大に達する時、その生存者は無防備状態になる

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エッジの効いた復活アルバム

・ナイフは生存者以外に命中すると砕け散り、付近の生存者に50%の裂傷を与える

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シングル『カット・スルー・ユー』

・ナイフが生存者を貫通する
・同じナイフが次に命中した生存者に50%の裂傷を与える

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トリック用の刃物

・ナイフがどこか生存者以外にたると2回跳ね返る
・跳ね返ったナイフが命中するとブラッドポイントを追加取得する

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檻の心のシューズ

・ナイフを投げる間、移動速度が2.5%増加する

 

トリックスター おすすめ解説動画


【DbD】新キラー「トリックスター」使ってみた【実況】


こちらの動画は「あっさりしょこさん」の動画になります。トリックスターの固有パークを使ってプレイされております。特に最後のおまけの地下救助狩りは圧巻でした!ぜひご覧頂ければと思います。

 

トリックスター対策

射線を切りながらのチェイス

トリックスターとチェイスる時は、ナイフで負傷しない様に射線を切る事を意識しましょう。障害物を上手く利用して、連続でナイフを当てられない様に投げにくい場所を利用しながら逃げましょう。

 

トリックスター背景物語

トリックスター 背景物語

 

ハク・ジウンは人の注目を浴びて成功した。彼に向けられたあるとあらゆる眼差し、そして彼の名を話題にするひと声ひと声すべてがジウンの原動力だった。名声を手にした彼の唯一の願い、それはさらなる名声だった。ジウンは幼少時から人の注目を浴びる方法を心得ていた。家族の経営するレストランで働いていたとき、彼はナイフ投げを使ったショーを披露して店に客を呼び込んだ。だまされやすい観光客はそれが韓国の伝統的な出し物だと信じ込み、喜んで鑑賞に金をつぎ込んだ。ジウンの父親は店の売り上げを息子がダンスや歌のレッスンを受けるために費やし、自分には手に入らなかった名声という名の希望をジウンに託した。

 

ジウンは期待に応えた。何年かスター発掘番組で特技を披露し続けた後、スターへの道がようやく開かれる。マイティー・ワン・エンターテインメントのプロデューサーであるリー・ユンジンが、ジウンを自らの訓練プログラムにスカウトしたのだ。ソウルにある寮に引っ越したジウンは、1日1時間のスター養成訓練を受けた。立ち振る舞いや歌をはじめ、自身と謙虚さをバランス良く演出する方法などを教わった。


骨の折れる訓練だったが、それが功を奏す。ユンジンはジウンをバンド「NOSPIN」のメンバーに選出した。バンドに飾らないエネルギーをもたらしたジウンは、瞬く間に有名になった。ひっきりなしのインタビューを受け、憧れの対象になったジウンは、目まぐるしいスケジュールにバンド仲間が疲れ切る一方で、元気いっぱいだった。自分は社会に吐き出された凡人よりも偉大な人間である。彼にとって毎日は、それを確信する日々だった。

ところが、時が経つにつれシャンパンの炭酸は抜けていった。ファンを見てみると、その発狂やあこがれは5人のバンドメンバーそれぞれに分けられ、薄まっている。それを認識した彼に残ったのは、さらなる名声への切望だった。


ジウンは物まねに精を出し、嫌悪の下に長らく秘めていた魅力を繕った。NOSPINの最新アルバムをレコーディングする時も、彼は動揺を見せなかった。長い休憩の後でスタジオに戻った時、ジウンは運命から贈り物を授かったことを知る。そこで彼は、ケーブルの焼けるにおいに気付いた。間違いない、コントロールルームに急ぐも、ドアは倒れたスピーカーでふさがっている。向こう側ではバンドメンバーがドアを激しく叩いていた。彼らの叫び声がバチバチと燃える火の音と一緒に聞こえる。


メンバーに呼びかけながらジウンはスピーカーへと走り寄り、1つ掴んで、止まった。ジウンはピタリと動かなかった。息をつくたびに、全身全霊で意識を集中させ考えた。すぐ近くで叫んでる彼らの声はほとんど聞こえない。ゆっくり彼が後ろへと下がるまでは。そしてジオンは聞いた。メンバーは焼けながら彼の名前を叫んでいた。助けてくれと彼の名を呼ぶ声。ジウン!ジウン!ハク・ジウン!ジウンはこれほど美しい声を聞いたことが無かった。消防隊が到着したときに流した涙は本物だった。

 

ジウンは悲劇の人物になった。無駄な努力ながらも仲間を救おうと、やれるだけの努力をした英雄として称えられた。ユンジンはインタビューで彼を見世物にした後、ブランドの再構築に取り掛かった。ジウンは「トリックスター」として生まれ変わった。自らの曲をプロデュースし、あらっぽい外見だが優しい心を持つソロアーティスト。しかし、コンサートやテレビでの舞台から離れたところで、なにか黒いものが大きくなっていく。


ジウンは1人暮らしをターゲットに選び、犯行は夜に行われた。1人目の被害者となった大学生の家にはリビングの窓へと続く非常階段があった。ジウンは就寝中だった女性の頭を野球のバットで殴り、目覚めた女性の手足を拘束して、口をガムテープで塞いだ。彼は女子大生を何時間も痛めつけ、生きたまま体を切断した。それでも何かが足りない。つながりだ。腹部を切開しながらジウンが聞きたかったのは心からの命乞いなのに、実際に得られたのはガムテープから聞こえるぐぐもった泣き声だけだった。
彼はそこから学び、適応した。

感情を抑えることなく声を出させるために、被害者を誘拐し、廃墟まで運び込まなければならなかった。被害者の声でジウンは曲を作った。適所を突いて、さまざまな悲鳴やうめき声を誘発する。腰方形筋を刺すとしわがれたうめき声を引き起こし、頸動脈を切りつけると猫を絞め殺すのと似た声を作り出した。彼らの苦しみには正直さがあった。ジウンは犯行のたびに録音し、合成してうまく曲に織り込んで、メロディーが折り重なる層の裏側に隠した。ジウンは自分の作品に大満足だった。彼は警察へのほのめかしとして、最近の写真撮影会で使用したミンクのボアを被害者の切り裂かれた喉に巻いておいた。その次の殺害時には男性の歯を抜いた。ミュージックビデオに出演していたボクサーの歯が無かったからだ。VIPのパーティーで出会ったファンの女性を殺した彼は、女性の目玉をダイヤのカフスボタンと入れ替え、胸に血で「私は神を見た」と書いた。どの現場も強烈な壮観だった。


音楽と殺人の間で、ジウンの作品は世界中で話題になった。ところが暴力が彼のアートスタイルの特徴になると、音楽のキャリアに影響が出た。収益が減収したマイティー・ワンの経営陣が、彼を非難しはじめたのだ。プロとして怒りを覚えたユンジンは彼を擁護したが、多数派に押され、ジウンは曲を自作することが禁じられてしまった。
その決定によって彼は大きく落胆した。彼の楽曲は本物の人間らしさを音楽に融合させたものだったが、どこにでもあるような万人受けする要素に欠けた音楽は、経営陣によって否定されたのだった。それであれば仕方ない。自分の芸術が理解されないのであれば、理解されるまで組み込むまでだ。

マイティー・ワンの経営陣に向けたプライベートライブを決行するために、ジウンは3ヶ月を準備に費やした。傑作を披露する計画だ。ジウンは獣医からとんでもない大金で亜酸化窒素を手に入れ、マイティー・ワンが経営する劇場の舞台スタッフに賄賂を渡して建物内に入った。有名だった彼を、普通の人間は疑おうとしなかった。ライブの準備が整い、経営陣と舞台係がジウンの登場を待つなか、部屋にはガスが充満していった。予定は都合よく遅れていた。


ジウンが登場する頃には、意識朦朧となった観客はそれぞれ座席で手足を広げた状態だったり、床を這ったりしていた。彼は素早く動き皆を拘束したが、ユンジンの番になって手を止めた。泥穴から自分を引っ張り出し、彼が報われるべき道を敷いてくれた人。彼女は特別に、これから起きる感嘆の光景を目の当たりにすべき存在だ。鎮静状態であってもユンジンは抵抗した。それは彼女の内にある。他の誰よりもずっと強力な激しい嵐だった。ジウンはたった一人の観客であるユンジンの身体を支え、目をこじ開けた。むせび泣く他の連中は最後のショーを行うため、ステージに上げられた。冷笑しながらジウンは彼らの顔に化粧を塗りたくり、舞台照明でその姿を照らした。楽器の準備はできた。


自作のメロディーを奏でるために、ジウンは彼らを拷問し、1つの肉体から別の肉体へと優雅に走って移動しながら、その悲嘆の声でオペラのようなクレッシェンドを演出した。叫び声、すすり泣き、金切り声。彼らは愛する家族を、母親を求めて泣き叫んだ。それは壮大なる感情のほとばしりだった。人間であるとはどういうことか。その間。彼らはジウンをじっと見つめていた。


ジウンがナイフを投げ、最後の人間楽器が音を出さなくなって音楽が止まり、舞台から内蔵の流出も止まった。ヘトヘトになった汗と血まみれのジウンは、ユンジンの方を見て一礼した。カーテンコールだ。彼は完全なるショーを成し遂げた。ナイフを握りしめ、ユンジンに向かった進んでいく。エンドロールが始まる前には仕上げが必要だ。
ところが後少しでー

 

霧が現れた。

 

どこからともなく、それは彼の周りに押し寄せた。ジメジメとひんやりして、不快な霧。ジウンが見たのは壮大なステージだった。病院、寺院、森林、屠殺場ー錆びたフックで飾られた、不滅の世界を維持する百万もの目が彼に注目し、彼から逃げ惑い、彼を体感する。ジウンのやるべきことはただ1つ。受け入れ、霧の道具になること。そして何よりも、叫び声を作り出すことだ。

 

アンコール!

トリックスターアーカイブストーリー

死者に捧げる不協和音 「記憶435」

ジウンはリオデジャネイロの喧騒の中で暮らしている。水たまりの水が飛び散り、スケートボードの車輪がアスファルトの上を削り、ナンベイコマツグミが鳴く。あとは...歌声だ。開いた窓から、ブラジル人青年の天使のような歌声が流れ、てくる。ジウンは

その男を知っている。ルーカスだ。

いい声だ。俺には遠く及ばないが、それでも磨けば光る。
彼の声は力強く、まさにジウンが探し求めていたものだ。ルーカスは運が良かった。ジウンが訪れたレコーディングスタジオで歌っていたのだ。

ジウンはルーカスの歌声でアートを作ることができる。それも本物の、悶絶するようなアートだ。絹のように柔らかいが、ゾッとするほど恐ろしい。

ジウンは明日の演奏ために、廃墟となった港に倉庫を用意していた。些細なことにも気を配っている。この一週間、彼はコンサートのリハーサルをする傍ら、その有名人の顔を変装させ、被害者を張り込み、別の人物を装い、備品を購入し、レコーディング機材を盗んだ。その間は警備員に金を払って見逃すように仕向けた。些細なことが、彼の作品の素晴らしさを高めていた。

ルーカスは明日には死んでもらう。きっと美しい作品になるだろう。

死者に捧げる不協和音 「記憶436」

ジウンがホテルの部屋に着くと、彼は凍りつく。扉が少し開いていた。中で誰かが物色しているのが、かすかに聞こえてくる。それならそれでいい。彼は、熱狂的なファンが、いつか度を越してしまうことを知っていた。奴らはどうやって抵抗してくるだろうか?しかし、彼には準備ができていた。自分を守りながら、腹に刃物を突き立てて侵入者を驚かせ、即興のアリアのようなオペラみたいな声がでるか試そう。

彼は足首の上に隠したナイフを撫でる。準備完了だ。扉を押し開け、豪華なカーペットをそっと歩き、角を曲がったところで侵入者の声が聞こえる。そこにいるのは...ユンジン?マネージャーだ。

怒りが次から次へとこみ上げてくる。

ここで何をしているんだ!

彼女はファンから受けた殺人予告に被害妄想的になっている。警備員がジウンを見つけられなかったため、自分が探しにきたのだ。笑える。あの脅しは単なる計略だった。ユンに気づかれそうになった場合に備え、彼女をまくために彼が作った嘘だ。しかし、彼はこのことを予想できたはずだ。ユンはすべてを把握していたーーだからこそ彼は彼女を尊敬していたし、だからこそ二人は素晴らしいチー、ムになれた。彼には百万ドルの歌声があり、彼女は行く手を阻むあらゆる問題を解決する。いつもなら、それはいい方向に働いた。

彼女の手には...クソッ!彼のサンプラーだ。その中には、彼の個人的なプロジェクトが入っている。彼が殺した犠牲者の悲鳴を重ねて歌にしたものだ。それはまだ繊細さに欠けた初期の下書きにすぎない。気の弱い人には少し露骨すぎるパイオレンスとホラーだ。彼女は吐き気を覚えた。怯えた声の向こうの、人間の苦しみの中にある美しさを理解することはできなかった。ジウンの首のところの髪の毛が逆立っている。彼はその様子を冷静に見ている。とても危うい状態だ。ユンは彼の正体に気付きつつある。

死者に捧げる不協和音 「記憶437」

ユンが持っているサンプラーは、まるで滴る血のように見える。ジウンにとって、唯一の安心材料は、彼女がそれが本当は何であるかを理解していないことだ。彼は彼女のことをよく知っている。もしこれが実際の殺害時の音声だと知ったら、彼女は股間に膝蹴りを入れて逃げ出そうとするだろう。しかし、怒りが収まらない彼女は、彼に向かって近付いてくる。

このホラーの真似っこは何よ。これが外部に漏れたらどうするつもり?あなたに、はすでに熱狂的で暴力的なファンがいるけど、この馬鹿みたいな音楽をマスコミが手に入れたらどうするの?マイティー・ワンはあなたを見捨てるわ。キャリアは台無しよ。

彼女が本当に恐れているのは、彼女自身のキャリアが終わってしまうことだということをジウンは知っている。彼女は背が高く、歩き方は力強いが、失敗を恐れる若い女性に過ぎない。彼には彼女の扱い方が分かっている。頭を下げて深呼吸し、手の甲で目を拭う。

ユン...火事で...NOSPINが亡くなってから...恐ろしい考えにさいなまれているんだ。友達を失い...自分がおかしくなるんじゃないかと心配になった。目を閉じると、ひどいものが目に浮かぶんだ。暗い霧の中で俺を導いてくれるのは、痛みを音に変えること...断末魔の苦しみを俺の心の中から歌に注ぎ込むことだよ。

ユンの顔が穏やかになる。彼女は座って、彼に同情する。彼は心の中でバンド仲間が燃えたときの神々しい悲鳴や、彼の名前を叫ぶときの膨らんだ胸を思い出していたが、顔は悲劇で歪んでいるように見える。

彼女は判断ミスを謝る。サンプラーは没収し、コンサートが終わるまでホテルの敷地内にいるようにと要求する。彼のためにはそのほうが安全である。彼女は彼にミニバーからドリンクを飲んで落ち着くように言う。

彼は静かに頷いて応じる。そして数日後にサンプラーを盗み返そうと自分に言い聞かせる。彼は彼女に、自分をコントロールしているかのように思わせる。  

 

死者に捧げる不協和音 「記憶438」

蒸し暑さにもかかわらず、ジウンはパーカーのフードを被り、大きなサングラスで顔を隠している。今は熱狂的なファンから注目を集めてはならない。ユンが、ミーティングに参加するまで待って、必要なものを入れたバッグを手にしてホテルを出る。ショーの主役は彼だ。

彼はイヤホンをポケットから出し、音楽を流して体を包み込む。楽曲「HowlBecame」は、6か月前にソウルで録音された。この作品は、酔っ払ったある晩に古い写真を見ながら書いたもので、彼の子供の頃のメタファーとなっている。

彼が7歳のときだ。教室の後ろのほうに座っている。人に見られたり、人前で話すことが苦手だった。しかし、今日は違う。数分後には自分の好きなものを発表することになっている。少年がクラスにハムスターを持ってきていたが、ジウンは、気にもかけない。フルートを抱え、自分が書いた歌の音符を見直す。

彼は静かに教室の前に出て、汗ばんだ指を楽器に乗せる。深く、不安定な呼吸に続いてそっと空気を吐き出すと、軽やかで気まぐれな音が流れる。目を閉じ、指を正確に動かし、一つ一つの音で戯れる。彼はハムスターの鳴き声を無視する。フルートの音は、風に乗ったチャイムのように伝わる。最後に魂に突き刺さるような音を出すとともに、彼は微笑んで目を開ける。クラスメイトはハムスターの周りに集まり、その動物の一挙手一投足を笑っている。彼の教師も同様だ。

彼はグループに近付く。ハムスターが鳴き続ける間も、クラスメイトたちは手から手へと回して遊んでいる。それがジウンの手のひらにも向けられる。彼は両手で受け取ると、しっかりとした動きでひねり潰す。鳴き声がして、軽く歯が動く。そして静かになった。子供たちは泣き叫ぶ。ジウンは何も感じない。

死者に捧げる不協和音 「記憶439」

雨雲が空を覆い、ジウンのサングラスに最初の雨が降る。彼は深呼吸をし、頭の中で繰り返して準備をする。期待に押しつぶされそうになる。これが芸術的なプロセスの喜びだ。

「彼は1980年代の安物のセダンの後部ドアに大股で近付き、両サイドをちらりと見
て、通りを歩いている数人の人々を確認する。誰も見ていないことが分かると、まっすぐに伸ばしたコートハンガーを窓の上部に突き刺し、反対側に押し込む。彼の細い指が素早く動く。壊して中に入るという過去の経験が報われる。ワイ」ヤーをドアロックに引っ掛けて、それを弾き上げる。間髪入れずに車内に入り、ドアを閉め、後部座席に体を横たえる。そこで彼はパーカーを脱ぎ、サングラス」を外す。

バッグの中から、ロープ、ナイフ、ぼろきれ、クロロフォルムの瓶を取り出す。それから彼は待った。イヤホンを取り出し、彼のものではない曲を聴く。ずっと以前に聴いたことがある曲。

彼が8歳のときだ。父親に肩車をしてもらい、海のように広がる大勢の人を見渡している。色とりどりのスポットライトに照らされた手の込んだステージが前方にある。派手で大胆な服を着た男がマイクの前に立っている。両サイドにはギタリストがいて、背後にはドラマーがいる。音がぶつかり、美しく、リズミカルな音楽を奏でている。メロディーの中で歌声が繊細に絡み合う。

父親が何かを叫んでいたが、聞き取れない。また叫ぶ。

お前の進むべき道はこれだ。お前の才能ならきっと成功する。

彼は背中がゾクゾクするような感覚を覚え、信じられない光景を目の当たりにする。一人の男の歌声に、みんなが夢中になっている。彼の歌声によって、何千人もの感情が動かされている。彼はみんなに見られ、そして愛されている。不思議な存在だ。

ジウンは二度とフルートを演奏しなかった。彼は、世界中の聴衆に音を届けることを大いに楽しんだ。熱狂的なファンを魅了し、男女を問わず憧れる存在になった。子供の頃の恐怖心は消え、ポップスの複雑さと柔軟性を通じて自分自身をさらけ出すことを学んだ。自分の内なる考えが音波の上に乗り、ロック、ヒップ」ホップ、ジャズ、パンクといった他のジャンルと融合していった。それは、彼にふさわしい爆発的な名声をもたらす音楽であり、彼は注目されることを約束され、た。もはや臆病な殻に閉じこもる必要はなく、音楽を極めることで自分をさらけ出し、心の内を音に込めた。彼は、その肺から生み出されるヒット作で、羨望や、欲望の的となり、尊敬されるようになった。

彼はイヤホンを手に取って微笑む。少年が神になっただなんて奇跡だ。

 

 

死者に捧げる不協和音 「記憶440」

雨が車の屋根に降り注ぐ。ジウンは時間を確認する。いつもなら、ルーカスはも」う車に戻っているはずだ。彼はこのことを知っていて、やることを済ませている。しかし、ルーカスは遅れた。ジウンは嵐のせいで計画が変わってしまったのではないかと不審に思う。

彼はコントロールが失われ、何か他のものに取って代わられるように感じてい」た。それは彼の胸に押し付けられ、彼は肺の中で重くてペタペタした空気を吸うことを余儀なくされた。すべてが台無しになってしまう。車のシートに爪を立て、声を出さないように口を閉じている。すべての計画が無駄になるかもしれない。ブラジルを離れる前に、別の美声の持ち主を探す暇はない。すぐに...彼は音楽を欲した。イヤホンをいじり、床に落としてしまい、必死になって探す。彼の歯ぎしりの音だけが聞こえてくる。車外に出ようとしたとき、彼の姿が見える。ルーカスは大雨でびっしょりと濡れながら運転席のドアに向かって歩いてくる。

しっかりしろ。ショーが始まるぞ。

ジウンはルーカスの首を絞めて、クロロホルムを染み込ませた布を顔に押し当て、る。二人は熱狂的なダンスのようにもがく。ルーカスが体を左右にひねって、腕を後ろに回し、何かを掴もうとする。ジウンはその動きに抵抗して、力いっぱい」彼を押さえつける。雨が降り、百粒の雨粒の音が争う声を打ち消し、流れる水でフロントガラスの中の様子は外に見えない。ルーカスは髪の毛を鷲掴みにして、ジウンを前方に引っ張り、首を解く。彼がジウンの手首を深く噛み付き、血が流れる。ジウンは歯を食いしばって叫び、布をルーカスの顔を殴るかのように強く、一押し付ける。ルーカスはもう片方の腕を必死に振り回し、意味もなく逃げ場を探そうとする。彼の手の力が抜け、ジウンの髪を離す。彼は前のめりになり、頭をハンドルに打ちつけ、クラクションを鳴らす。

ジウンはシートを乗り越え、ぐったりしたルーカスの体を助手席側に押しやる。彼はシートにもたれかかり、間を置いて呼吸を元に戻す。バックミラーを見て、自分の顔や髪の毛を確認すると、降りしきる雨の中、予想もしなかった光景を目にする。ユンの車が後ろに停まっている。

彼はルーカスのポケットからキーを奪い、シリンダーに差し込むと、アクセルを踏み込んだ。

死者に捧げる不協和音 「記憶441」

助手席では、ぐったりしたルーカスの体が前後に揺れている。ジウンが角を曲がると、通り沿いの店や落書きされた壁がぼやけて見える。風と雨が、まるで街を吹き飛ばそうとするかのように激しく打ちつける。ジウンは計画を見失う。いつもならユンに問題を解決してもらうのだが、今回は無理だ。自分が知らない道を走り、方向もぼんやりとしか分かっていない。ユンは後ろに付いてきている。彼女がいつになったら諦めるか分からない。レコード会社との契約交渉では役に立った粘り強さと度胸が、今では腹立たしい。彼は芸術的なプロセスをコント」ロールできなくなっている。手でハンドルを握る。できるならハンドルを引き抜きたいと思った。

くそ...駄目だ!このまま引き下がるわけにはいかない。お前は芸術を作るんだろ、チクショウ。

彼はラジオを点ける。二人の男が...何かについて話している。それが何であるかは分からない。チャンネルを変えると--ファーストフードレストランのCMだ。音で分かる。引き続いて--ブラジルのダンスミュージックが流れる。速いテンポ、重厚なベースライン、パーカッションのように軽快なギター音、そして滑らかな声。

彼はペダルを床に押し込み、嵐の中で遊んでいる数人の子供をかわす。反対車線に誰も来ないことを祈りながら、古いピックアップトラックの前に飛び出す。ハンドルを左に大きく切り、強い雨でコントロールを失いそうになったが、完璧なUターンをきめる。曲がサビに入ったところでエンジンをふかす。音楽に身を任せ、テンポに合わせてギアを上げ、リフレインに合わせて滑る。すべての動きに美しさを感じる。彼の中には音楽が流れている。彼は生きる芸術であり、クレッシェンドそのものだ。

彼の背後では、ユンが急停車している。

死者に捧げる不協和音 「記憶442」

ジウンは数日前に確保しておいた港のとある場所に車を停める。彼は仕方なくラジオを消し、周辺を調べる。ユンの姿は見えなかったが、彼は警戒していた。どういうわけか、彼女にはよく居場所がバレていた。彼は電話を出した...マイティー・ワンの社用電話だ。

彼女は、熱心なベビーシッターのように俺を追いかけてくる。彼女がこうなるのは予想できたはずだ...いつも細かいことまで干渉してくるのだから。

しかし、彼女は彼が運転しているとは分からなかったはずだ―知り得たのは、彼が車内にいるということだけだ。

ジウンは、ほとんど意識のないルーカスを引きずり出し、後ろにナイフを押し込む。ドアを閉める前にジウンは携帯電話を取り出し、コンに「助けて」とだけ」メッセージを送る。クロロホルムを染み込ませた布やロープと一緒に、電話機を車のシートに投げ込む。うーん、もっと証拠が必要だ。ジウンはルーカスの手のひらを切り、血まみれの手を窓に押し付ける。よし、これでいい。

ナイフを突き立てて、ルーカスを前に押し出す。

...

雷が廃墟となった倉庫の骨組みを揺らす。椅子に縛られたルーカスは、ジウンの前に座っている。殺されて、歌の一部となり、作品を生み出す準備が整えられている。ジウンはナイフを出したが...除隊していた。何かが間違っている。ここに来るまで大変だった。彼は芸術に取り掛かって血しぶきを上げようと思ったが、ユンにゲームを中断させられた。彼はその気持ちを振り払うことができない。彼女が簡単には諦めないことを知っていたのだ...いや、簡単ところか、まったく諦めようとしない。窓に向かって歩き、外を眺める。絶え間なく雨が降り、稲妻が、走る。そしてそこにーー下水道を動き回る漏れたネズミのようなユンがいた。な、んてしつこいんだ。さらにその後ろには...パトカーのライトが点滅している。ユンは血みどろのゲームに巻き込まれ、一撃で彼を終わらせる力を持っていた。

彼はポケットからイヤホンを探す。集中することができず、見つけられない。計画が崩れるような感じがする。自分の芸術の終わりが見える。音楽が途切れる。彼の構想は不完全なものになった。

いや...ここで終わらせるわけにはいかない。彼は音楽に耳を傾ける。居場所はいつもそこにあった。父親に肩車してもらったのが、彼の心によぎる。彼はそれを飲み込み、血管を循環し、彼を作り上げた。もうかつての少年に戻ることはない」だろう。彼はアイドルであり、神であった。まさに、トリックスターだ。そして彼は最後のトリックを演じようとしている...

~おしまい~