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【ハグ-思いがけない幸運-】学術書Ⅳ「信念」背景物語【デッドバイデイライト】

こんにちわ。のんです。

本日は学術書Ⅳ「信念」のハグの物語が開放出来たので、そちらをご紹介していきたいと思います。

【ハグ-思いがけない幸運-】学術書Ⅳ「信念」背景物語【デッドバイデイライト】

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隙間時間でお読み頂けると幸いです。

記憶1072

理解できない力をむやみに扱うんじゃないよ。

リサの祖母は、幸運のために教科書に刻まれた紋章を見て小言を言う。

リサは祖母の物を嗅ぎまわったことを謝る。

知りたかっただけなのだ。

かつての村のこと、火刑に処されるか、追い出された魔女や人食いたちの話。

祖母が未知の言語と奇妙な記号で書かれた本をいくつか持っていると、母が話しているのを小耳に挟んだ。

祖母はそのような本に触れないようにと警告する。

自分や周りの人に大きな不幸を呼び寄せるかもしれないよ。

リサは笑いを堪える。

ちょっとイタズラをしていただけで、そんなくだら ない迷信は信じていないのだ。

魔女や人食いなんていないわ、おばあちゃん。

代数の試験にちょっとしたゲン担ぎをしたかっただけよ。

悪い事なんて起きないわよ。

祖母は、その紋章こそが人食いを沼のそばの木に変えてしまったものだと言う。

腐敗したドロドロに覆われた、ゴツゴツとして捻じれた木。

馬鹿馬鹿しくて、 吹き出しそうになるが、リサは堪えて祖母の人食いや消えてしまった子供たちの話を聞く。

祖母が話し終えると、リサは彼女を抱きしめ、シワの寄った柔らかい額に口づけする。

心配しないで、おばあちゃん。

私は沼の木に変わったりしないし、人食いたちにさらわれたりしないわ。

記憶1703

教科書の紋章のおかげか、プラシーボ効果なのかはリサにはわからないが、数学の成績が上がってきていた。

驚くべきほどではないが...

彼女は合格点を出し続けて、次第に点数も上がってきていた。

友人のパムは、ナンセンスだと言う。

成績を上げられるラッキーシンボルなんてあるわけがない。

気休めに過ぎないわ。

証明されていない、昔からの迷信。

パムは冗談交じりに、彼女も成績を上げたいと言う。

リサの教科書を取り上げると、紋章を時間割表に何度か書き写して見せた。

リサはなぜか嫌な予感がし、紋章を心配そうに見つめる。

それは本当にやめた方がいいわよ。

パムから教科書を取り上げた。理解できない力をむやみに使うべきじゃないわ。

パムは笑う。

一体どうしたの、リサ?

これであなたが数学を合格できるなら、私もこれで英語を合格できるはずでしょ?

心配ないわよ。

 

記憶1704

パムはまた例の"幸運の紋章"を写させてほしいと頼んできた。

嫌いな教師が担当する教科の試験の準備ができていないのだと。

デブでヤク中だと馬鹿にしている教師だ。

リサはその頼みを断る。

祖母の秘密の本を見ることは許されていないし、その内容を他人に教えるだなんて以ての外だと。

パムは肩をすくめ、爪楊枝で紋章を腕に掘りながらリサに尋ねる。

学校の近くの女の人の話を聞いた?

リサは首を振る。

パムは爪楊枝で血が出るほど腕を傷つけながら笑う。

間抜けなことに、本を読みながらふらふら通りを歩いてたそうなの。

そしてドン!

トラックに轢かれたんだって!

こっちよ!

彼女は爪楊枝を投げ捨てると、リサの腕を掴んで学校から数ブロック離れた通りへ連れていった。

リサは鼻を覆った。

アスファルトのヒビに染み込んだ体液の腐臭が漂ってくる。

パムは血の跡や毛髪の塊を指差し、少女の死を笑い話にしている。

リサは怒りを込めてパムの腕を掴んだ。

命を失った人を笑ってはいけないわ。

パムは腕を振りほどく。

気味悪いわよ、リサ。

気分を害するにも、もうこの世にいないのよ...

それに...

あなたの紋章のおかげで 最近ツイてるのよ。

リサはパムの腕を心配そうに見つめ、亡くなった少女の怒りに触れていないことを祈った。

祖母はいつも言っている。

そこに留まってしまう霊もいる。

特に死を望まない気持ちが強い場合は。

残りの人生、邪悪な霊に付きまとわれるだなんてまっぴらだ。

記憶1705

パムの英語クラスの教師は謎の死を遂げた。

パムは喜びで踊っている。

もう生きてもいない、聞いたこともない著者に関する馬鹿げた試験を受けなくてよくなったからだ。

英語教師が何を言っているかなんてどうでもいい。

ジェームズの本は、 何を言っているのかよくわからない。

ちゃんと理解してないから、何もかも曖昧なことしか書けない。

偽物の作家よ。

リサは肩をすくめる。

同意はできないが、 友人と喧嘩はしたくない。

面倒な友人だ。

リサはジェームズの作品が好きだ。

芸術家を描いた小説は様々なスタイルや要点が含まれた愉快で形のない、夢のシチューのようだった。

でもリサになにがわかるというのだ。

彼女はまだ16歳、英語の成績は平均以下だ。

パムは歓声を上げる。

イタズラげな笑みを浮かべると、インクで書き殴った紋章を見せてきた。

最高にツイてるわ!

試験なし!

あの豚ももういない!来年まで死んだ作家のことなんて気にしなくていい!

ありがとう、リサは彼女の手の紋章を見つめる。

よく知りもしない力を不用意に扱っていることを叱ってやりたかった。

リサは目を閉じて祈る。

あの英語教師が望まぬ死を迎えたことにより、地縛霊として徘徊していないことを。

記憶1706

クラスの生徒たちは愛すべき英語教師に敬意を表するために葬儀に出席している。

棺桶を担ぐ者たちはその重さに顔をゆがめる。

パムはリサに顔を寄せ、どれほどパムが幸運であるか、そしてどれほど棺桶を担ぐ者たちが不運であるかを囁いてくる。

想像してみてよ。

あの豚をお墓まで運ばなきゃいけないのよ。リサは、パムを肘で突いてやめるように伝える。

棺が彼女達に近づくと、リサは突然嫌な感覚に襲われる。

彼女の直感が言っている。

友人から距離を取らなければならない。

雷がパムに落ちるイメージが頭を走る。

怒れる魂がそれを引き起こすことができるのだろうか。

その傲慢さ故に、あらゆる筋肉、内蔵、血管が一瞬にして焼き尽くされる。

パムがまた不謹慎な言葉を発し、リサの意識を引き戻した。

頭の中で祖母の話が聞こえる。

祖母の友人が他人の不幸を笑ったばかりに不運を招いてしまったという話だ。

死者を笑ったばかりに。

リサは祖母の迷信を完全に信じているわけではない…

しかし…

彼女は友人からそろそろと距離を取る。

黒く染まりゆく雲を見つめ、雷がパムに襲い掛かるのを待った。