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【DbD】ケイト・デンソンの過去(記憶)を覗いてみよう『学術書Ⅲ/アーカイブ物語』

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のん

こんにちわ。のんです。
本日は【学術書Ⅲ】で解放される「ケイト」のお話です。スキマ時間にお読みいただければと思います。

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【DbD】ケイト・デンソンの過去(記憶)を覗いてみよう『学術書Ⅲ/アーカイブ物語』

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原点回帰 ケイト・デンソン

記憶3221

どん底。だから彼女は度々、森を訪れる。不安を振り払うため。抱えてる問題を投げ捨てるため。新鮮な松の香りを吸い込み、意識を解放するため。何もかも投げ捨て、彼女自身の音楽に耳を傾けるため。

もう長いこと彼女自身ではなかった。自分以外を感心させるための演技。彼女自身から出てくるものではなく、大衆を満足させるために演奏していた。お金のために演奏していた。"お金のために一曲でも演奏すれば、自分の音楽は殺される"という教えを無視して。

母親から初めてこれを聞いた時には笑ってしまった。馬鹿馬鹿しいことに感じたからだ。彼女の音楽はどこにも行かないと思っていた。一生をかけても演奏しきれないほどの音楽が頭に溢れていた。

今は...今は...もう笑うことはできない。人生でこれほど偽りと退屈を感じたことはなかった。これまでにないほど、また自分の音楽...音...彼女自身を取り戻したいと思った。だから彼女は目を閉じる。

意識が空になり、未知の世界への扉が開くまで、"皮"を裂き続けるのだ。

記憶3222

ケイトは適当にギターをかき鳴らす。しかし何も生まれてこない。ただ暗く…耳障りなメロディが繰り返される。

どん底に落ちるといつもこうだ。彼女が一度も演奏したことのないような音色。なぜそのような音が出るのかがわからない。こんなに暗く...されどもキャッチーな曲は演奏したことがない。不吉なメロディを頭から追い出そうとすればするほど、その存在感は強くなっていく。この曲を書き上げろと迫ってくる。

メロディを止めたいと思っても、聞こえてくるのはただそれだけ。上からも、下からも、横からも聞こえてくる。彼女の中から聞こえてくる。止むことのない不吉なメロディ。こんなメロディは彼女じゃない...いや、彼女なのかもしれない...

商売のための演奏が彼女を変えてしまったのかもしれない。堕落させてしまったのかもしれない...潰してしまったのかもしれない。彼女自身でなければ...彼女の音楽を潰してしまったのかもしれない。

ギターを弾くのをやめ、目を閉じる。何もかも意識から押し出し、ゆっくりと、辛抱強くゼロへのカウントダウンを始める。

 

記憶3223

彼女は決して浮かぶことのないインスピレーションを待つ。あの孤独な、不吉な メロディ以外は何も思いつかない。別のメロディを弾こうと足掻くほど...意識の中ではあのメロディが大きく響き渡る。

沈黙を求め、彼女は演奏を止める。しかし...あの曲は止まらない。目を閉じて意識から追い出そうとするものの...彼女の 意識ではない。深い洞穴の中から来ているのだ。彼女は頭を振る。無に帰ると、あの曲はフェードアウトする。

最後にもう一度、自身の音楽を取り戻そうとする。本当の彼女の音楽。彼女から彼女自身を...本当の彼女を遠ざけてしまった演奏の一つ一つを後悔しながら。

「ファイブ。」つま先から力を抜く。

「フォー。」脚から力を抜く。

「スリー。」胴から力を抜く。

「ツー。」両手の力を抜く。

「ワン。」唇、鼻、顔全体から力を抜く。

「ゼロ。」彼女の意識は静寂となった。

記憶3224

3時間経つが、あの不吉なメロディ以外は何もない。少し自分を取り戻す時間を取ればよかった。偽りでなく、自分らしいことをするために人生の貴重な時間を費やしていればよかった。それを何よりも強く後悔した。

貴重な人生を...演技やルーチン、貯金のために費やしてしまった。こうなるはずではなかった。少なくとも彼女は。偉大なウディ・ガスリーは、彼女に影響を与えたアーティストの1人だ。彼が書いた曲は、すべて彼自身に偽りのないものだった。

彼がしたことは、すべて彼の内から出たものだ。偽りがなく、純粋な場所から生れ出たものだ。彼女もかつてはそうだった。

しかし今は...本物よりまやかしばかりを生み出してしまった罪悪感だけで彼女の音楽は潰されてしまったのかもしれない。彼女の本物の音楽。こんな今まで出したことのないような、奇妙で、孤独で、暗い曲ではない。

彼女はまたカウントダウンをしようとするが、その時...地面のシンボルが目に飛び込む…曲に合わせて明滅している…

原初の、古代の何かの心臓のように稼働している。彼女が目を閉じ、目を開けるとそのシンボルは消えていた。

 

記憶3225

ケイトは誰もいない森で独り叫ぶ!あの曲を頭から追い出したい。歯がゆい。イライラする。彼女の邪魔をする。ギターを弾くのをやめても、まるで生きているかのようだ。あらゆる場所から、どこでもない場所から同時に迫ってくる。

意識を集中すると、メロディは深い洞穴の中から響いてきていることに気付く。彼女は暗闇の音楽に降伏する。彼女は立ち尽くし、洞穴を覗き込むと...点滅する光が見える。目を閉じて、彼女自身の意識が彼女を惑わせようとしているのではないかと考える。

だがそうではないことを知っている。いつだって彼女だけが感じ取れるものがあった。誰かが言っていた。近年のシャーマンとは、芸術家、作家、 そしてミュージシャンなのだと。彼らは他の者たちとは違い、この現実の外側の思想、世界、発想を得ることができるのだと。

彼女はずっとその能力を持っていたのだ...しかしこれほど強くはなかった...これほど暗くはなかった...まるで才能を無駄にしていることを宇宙が罰しているかのようだ。何者が、あるいは何が彼女に呼びかけているのかと考えながら、洞穴に近づく。ぼんやりとした記憶が彼女を引き寄せていく...

これは前にもやったことがあるのだと。そこに何があるのかを知っているけれど、なぜか忘れてしまっている...彼女はそう感じ取った。