きまぐれDbD

DbDの楽しさを発信中!

【DbD】エンティティの謎に迫るアーカイブ物語「奈落の網」学術書Ⅸで解放される最後の物語

f:id:Rainbow_Color:20200919001636j:plain
きまぐれ

本日は学術書Ⅸで解放されるで解放される最後のアーカイブ物語「奈落の網」のご紹介です。

ブックマーク(お気に入り)お願いします。

 

 

【DbD】エンティティの謎に迫るアーカイブ物語「奈落の網」

f:id:Rainbow_Color:20211221160134j:plain

3話目の「テラ・アラクネ。998日目」に「モレル先生」と気になるワードが出てきます。

 

テラ・アラクネ。987日目

今日は危なかった。複数のバージョンの毒を試験する際に、アラクネと接触してしまった。奴らが窓から入ってくるのを見て、博士はすべてを残して出るように命令した。彼女は、アラクネがいなくなって再び安全になったら研究室に戻ると言った。

この恐ろしい生き物を排除できる致命的な毒はまだ見つかっていないが、もう少しのところまで来ていると思う。あと少しだ。奴らの起源が分かれば、助けになるだろう。現状では、奴らがどこから来たのか、何を望んでいるのかは、分からない。唯一分かっているのは、攻撃が同時に始まったということだ。奴らのDNAがこれまでに出会ったこともないという事実が、私たちの調査を困難にし、ている。これはまるで...全く別の場所から来たかのようだ....

テラ・アラクネ。992日目

今日、間に合わせの研究室に戻ると、絹糸で包まれた人間が何十人も天井から吊るされていた。すぐ下には、血がべっとりと滴り落ちていた。私は目を逸らし、置いてきた毒の入った木箱を掴んだ。しかし、その木箱を廊下に運んだときに、視界の端で歯の中の一つが動いたことに気付いた。思わず目を凝らしてみると、この曲の中には食べ物ではなく、何か別のものが入っていることがすぐに分かった。歯の中で何かが動き、成長していることがはっきりと見える。その何かは、樹に包まれている体の一部から滴るものを食べていた。街の中でうめき声を上げていた生き物が、必死になって外に出ようとしているのを見て、私は震える足で即座に研究室を飛び出した。私が最後にやろうとしていたのは、アラクネの最終形態を確認することであった。アラクネは殺すよりも早く変異し、私たちが生き残るには適切な毒を見つけるしかない。手遅れになる前に、博士と私がやるしかなかった。

テラ・アラクネ。998日目

モレル博士と私は、三日間に渡って精力的に働き、大量生産の候補を見つけた。市のHJ7は、一分以内にアラクネの検体の100%を殺した。一回の投与で生物は、分解して泡立った黒いタールの厚い水たまりになり、すぐに蒸発して有毒な霧になって、実験のために飼育していた他のアラクネを殺してしまった。博士も私もその結果に衝撃を受け、驚いていたと思う。

これらの怪物がどこから来たのかは分からないが、今はそれを排除する方法がある。現在博士と私は、他の生存者に対する毒のサンプルを入手する方法を探している。事務員から料理人になった人が名乗り出たが、モレル博士は他の意外な候補者を何人か選んだ。彼女いわく彼が割り当てられた仕事を台無しにした履歴があるから却下したそうだが、私が思うに、それはただの言い訳だと思う。本当のところは...彼女が彼の料理を...彼のピザを気に入っているからだろう。その味が、侵略前の平和な日々を思い出させてくれるからだ。彼女だけでなく、私たち全員に。  

血の小部屋。それに続く物語。

警察官のダンカン・J・スミスは、行く先々で何千匹もの犬に悩まされていると口にしていたが、誰もその犬を見たことがなかった。彼は犬から逃れるために、小屋の下の空間やスノーモービルを置いていた納屋に隠れた。時には氷河に逃げ込み、氷の洞窟に隠れて、そこで遠吠えや鳴き声が止むように祈った。しかし、遠吠えや鳴き声が止むことはなく、彼がどこに隠れようと犬たちに見つかった。

ダンカンが初めて犬を見た日は、彼が自分の仕事に対して疑問を感じ始めた日であった。というよりは、法そのものと、彼が法を後ろ盾に行ってきたことに対して疑問を感じ始めた日だったと言える。衰えた犬を合法的に処分するには引っかかるものがあった。何か...間違っているような気がした...彼の心に引っかかって、離れない...何かが彼に、手遅れになる前にこの寒くて孤独な北極海の諸島から抜け出す必要があるような気にさせた。もちろんそれは、手遅れでなければの話だが。

ダンカンにとって、法律が必ずしも自分が想像していたような栄光ある文明の道具ではないということを実感したのは、警察官になって初めてのことであった。時に法律は、まったく異なる性質を持っていた。無遠慮で、扱いづらいもの。裁判所で使われるガベルという木槌と同じような存在...破壊または抑制、もしくは、破壊と抑制の両方の役割を持つ。

実のところ、ダンカンはもう自分が何を考えているか分からなくなっていた。彼は疲れ果てていた。そして、あの犬たち...そう、犬たちが、彼を放ってはおかな」いのだ。それに、彼はとにかく家に戻って農業をしたかった。彼は農業が好き」だった。農場では物事がシンプルだったからだ。しかし、この北部の地では、物事はもっと複雑だった。そのためダンカンは、つい法律のことを考えずにはいられなかった。

木槌のことを。

ダンカンはできることなら、誰に対しても木槌を振ることはしたくなかった。しかし、残念なことに、彼は木槌を犬に対して使ってしまったのだ。

すべてをマニュアルどおりにこなしていても...法では何の罪も犯していないとされていても...彼の心は常にその逆を証明していた。

確かに、ダンカンは数えきれないくらいの犬を入り江に連れていき、飼い主の目の前で害虫のように撃った。そして、1人になり、それらの亡霊に囲まれているときだけ、彼は自分がしたことは正しくなかったのではないかということを認めた。おそらく...これらの犬が、警部がもっともらしく言っていたような危険な獣や病原となる害獣では、本当はなかったのではないかと。犬たちは...そうだ...そんな存在じゃない。

友達であり、

家族の一員だ。

子供たちと遊び、楽しませ、安全を確保する。オオカミやホッキョクグマ、さらには吹雪までも、近づくものに対して警告をする。そして何よりも、ハンターが、吹雪で迷子にならないようにしてくれた。何もないところで故障し、冷たくて白く、どこまでも続く広大な土地に黒い煙の跡を残した頼りにならない「アイアンドッグ」や、スノーモービルとはちがう。吹雪の中で誰かを先導した「アイアンドッグ」はいない。同じことは...そう、同じことはあの犬たちには当てはまらなかった...

...そんな犬を、彼は無情にも殺したのだ。

しかし、商用の「アイアンドッグ」の生産が開始された当時は、そこまで法律的な課題はなかったので、ダンカンは自分がみんなのために善良で合法的なことをしているのだと、自分に言い聞かせようとしていた。

確かに、何が正しいか、何が合法的なのかを頭が区別しないのは事実であった。が、彼は心でそう信じこんだのだ。

よく言われることだが、心は嘘をつかない。

にもかかわらずダンカンは、自分を騙し、彼の心の訴えを無視する方法を見つけた。彼はこれらの犬が他の犬とは違うと自分に言い聞かせ、実際に数か月間、自分の城を信じ続けた。しかし、時間が経つにつれて、彼はこれらの犬が...よく知っている家の犬と似ていることにすぐに気付いた。

そのことを考えると、彼はますます眠れなくなり、やがて自分が撃った犬たちの幻覚が見えるようになった。

最初は1匹だった。それが2匹になり、十匹になった。十匹が百匹となり、百匹は千匹となった。千匹の死んだ犬たちが毎晩吠えてダンカンを見つめ、眠ることも、夢見ることも、考えることも妨げた。これまで彼が送っていた生活には戻れなくなっていった。

犬たちは、ダンカンがどこへ行ってもあの訴えかけるような、困惑した目で彼を見つめていた。このような冷たくどうでもいい最期を迎えてしまったのは、自分たちが何か悪いことをしたからなのか。家族や友達を裏切ってしまったせいなのかと、悩んでいるかのような目だ。

実際には、犬が自分の尻尾から逃げられないのと同じで、ダンカンもその亡霊から逃れることはできなかった。彼がどこへ行こうとも必ず犬たちがいて、彼の後を追い、彼があの木槌で破壊し、途絶えさせた命を思い出させた。

ある晩、ダンカンはベッドに座り、痛む頭を両手で押さえながら、周りに座った衰えた犬たちを見つめていた。犬たちは彼が眠りにつこうとするとじっと見つめ、まぶたが閉じようとするたびに吠えていた。ダンカンは、恐怖と疲労感に動揺しながら、自分は何も悪いことはしていない、法に従って行動したのだから、「放っておいてくれとつぶやいた。ところが一

犬たちは彼を放っておかなかった。犬たちはただ黙って彼を見つめたーそれは、彼がかつて飼っていた犬を思い出させるような目だった。

ダンカンは苦悩するあまりベッドから起き上がり、自分は眠りたいし、するべきことをしたのだから罪悪感を感じたくないと犬たちに叫んだ。彼は自分が警察官としての仕事を全うしたことについて、謝る気持ちも罪悪感も全く感じていなかった。彼は法で決められていることをしたまでだ!

犬たちは突然頭を下げ、尻尾を巻いて、心配そうに小屋の中を動き回った。ダンカンの叫び声は次第に大きくなり、犬たちは処分されたときと同じように、1匹ずつ、鳴いて命乞いをした。そして、ダンカンが怖がらせて追い払ったかのように、犬たちは跡形もなく消えた。

ダンカンは犬たちがいなくなったことに気付くと、ベッドに倒れ込み、自分のことは放っておいてほしいと祈った。彼はただ、自分の生活を取り戻したかったのだ。犬たちは彼の力と自由、そして道徳的に正しい警察官としてのアイデンティティさえも奪っていた。

その夜、嵐が彼の小さな小屋の辺りを襲った。骨まで染み渡るような寒さを感じながら、ダンカンはベッドから起き上がり、鉄のストーブで小さな火を起こして、人生で唯一飼った犬であるバスターを思い出した。バスターは、ふっくらとしたイエローラブラドール・レトリバーで、黒い鼻をしていた。

今までに出会った中で、最も賢く、親切で、温和な犬だ。

ダンカンにとって、バスターは単なる犬ではない。彼の保護者であり、親友であってり、大の仲良しだった。彼にはいなかった、兄弟のような存在。野兎を捕まえ、コヨーテから身を守ってくれ、農場では牛の群れを追い立てた。彼の父親は、良い犬は2人か3人の労働者に値すると言っていたが、バスターは間違いなく4人分の働きをしてくれた。今思えば、バスターや町の他の犬に対して、誰も法を使わなかったのは喜ばしいことだった。

確かに、バスターは北極の犬のように大きくも強くもなかったが、有能なハンターだったし、かつてはクズリから身を守ってくれたこともある。しかし、ダン」カンにとって最も印象に残っているのは、バスターが彼と一緒にベッドで丸くないり、不安な心を落ち着かせ、眠りにつくのを助けてくれたことだ。

そして今ダンカンは、邪魔をされず、静かな若者としての眠りを何よりも望んでいた。彼が眠りを求めていると、小屋の隙間から風が強く激しく吹き込んできた。炎が燃え上がり、揺らぎ、パチパチと音がし、嘘のような暴力的な影を映し出した。

ダンカンは幻覚かと思い、目をこすった。しかし、至るところに警察官とハンターの形をした影が見える。それらの影が混乱して怯えた様子の犬を撃つなか、不自然な黒い煙が小屋の中に充満し始めた。

ダンカンは自分の体をつねって、目を覚まそうとした。しかし、彼は自分が眠っていないことに気付くと、すぐに目を閉じて、再度犬たちに放っておくように求めた。

彼は一晩だけでも休みたいと思った。たった一晩でいい!彼の脳は絶望に打ちひしがれ、警部の歪んだ声が聞こえ始めた。警部は彼を笑い、怒鳴りつけ、苦しめ、こう言った。犬は危険...攻撃的...将来の計画に暗い影を落とすはずだと。

ダンカンは、狂気が魂のつなぎ目を掴み取るように感じた。それは嘘だ!彼は叫んだ。全部嘘だ!そして彼が再び目を開けると、黒い煙は消え、影は無意味な形となって再び小屋でちらついていた。

しかし、ダンカンが安堵のため息をついたのと同時に、音が聞こえてきた。

やさしく引っ掻くような音がする。扉だ。その時、どこかで聞いたことのある鳴き声が聞こえた。何度も何度も聞こえる鳴き声は、まるで一

バスターの声だ。

ダンカンは目を細め、木製の厚い扉に注意深く近づいた。彼がドアノブに手を触れたとき、引っ掻く音が止まった。彼は長い間緊張した状態で沈黙していた。引っ掻く音が再び聞こえ始めると、彼はすぐに扉を開けた。降り積もる分厚い雪の向こうに、黄色い毛が消えていくのがちらりと見える。

ダンカンは疲れ果てて混乱していたが、バスターに止まるように叫びながら、下着とスリッパのまま激しい嵐に飛び込んだ。そして、自分が理性を失っていることに気付き、突然立ち止まった。彼の疲れた心が、彼をもてあそんだのだ。

バスターは20年以上も前に死んだ。車に轢かれたのだ。そして一瞬の間、ダンカンは道路の脇でバスターの足を握り、徐々に失われる彼の命を落ち着かせようと、したことを思い出した。彼はこれまでの人生で、そこまで泣いたことはなかった。彼とバスターが一緒にいられる方法はもはやなかった。

雪に覆われたダンカンは、孤独を感じながらも、一晩だけは邪魔をされずに眠りたいと自分に言い聞かせた。彼は小屋のほうを振り返った。しかし振り返って、彼は気付いた
...迷ってしまったのだ。

どの方向を向いても、ちっとも前が見えない。寒さとパニックが一気に彼を襲った。彼は、風がうなり、叫び、ささやくたびに向きを変えた。荒れ狂う猛吹雪の中、彼がそこで見たのは一

犬だ。

犬の亡霊だ。死んだ、腐りかけの犬。数千匹が、彼の周りを走り回っている。陰り声を上げ、わめき、吠えていた。彼は混乱した。

ダンカンは止めるように叫んだ。そして以前と同じように犬たちを怖がらせようとした。しかし、犬たちはまるで嵐と一体であるかのように、より素早く激しく騒ぎ出した。ダンカンは膝をつくと、震える体に冷たさが伝わってきた。犬が嵐から飛び出し、代わる代わる冷淡な歯で噛みつこうとしているのを見て、彼は恐怖に顔をゆがめた。彼は苦しみのあまり、その場で倒れこんだ。ひどい痺れが彼を襲った。それは寒さのせいではなく、かわいそうな犬たちを傷つけてしまったという記憶のせいであった。ダンカンは止めるように懇願した。それから、これまでやったことのなかったことをした。

自分の恥ずべき気持ちを認め、赦しを求めたのだ。犬たちはすぐに動きを止め、心の中をまっすぐに覗き込むような目で彼を見つめた。

ダンカンは、「すまない。本当にすまなかった」と声を詰まらせ、マニュアルどおりにやったが、すべてが間違いだったとも言った。彼がやったことは間違っていた。彼らの家族にやったことも間違っていた。そして彼自身にやったことも間違っていた。

彼が心を空にしたとき、聞き覚えのある鳴き声が聞こえた。バスターが突然、亡霊の群れから現れ、彼の前に立った。

犬たちはバスターを見て、次にダンカンを、そして再びバスターのほうを見た。平穏の波が押し寄せたかのように、犬たちは1匹ずつ消えていった。そしてダンカンと、彼の守り役であり...友人であり...兄弟だけであるバスターだけが残され、た。バスターは脈拍が徐々に落ちていくダンカンの傍らで丸くなった。これまでに数多くがそうであったように、目がくらむような白い嵐が彼の命を奪っていく。

翌日、警察官のダンカン・J・スミスが署に現れなかったため、同僚の警察官が彼を探した。すると、小屋からほとんど離れていない場所で凍って死んでいるのを見つけた。彼は穏やかな表情で横たわっていた。ある警察官は、彼がぐるぐると走り回っていたことに気付いた。他の警察官は、なぜ吹雪の中、下着姿で小屋を出るような愚かなことをしたのかという疑問を口にしていた。

警部はダンカンの凍って黒く青白くなった顔の前にひざまずき、ため息をついてた。誰かに死体を覆うように指示をした矢先に、別の警察官がパニックになり、目をこすって、周りに犬がいると言い出した。彼は後ろによろめき、犬に近づくなと叫んだ。彼が見ていたものは誰にも見えなかった。警部は、ダンカン死をネタにジョークを言うのはやめろと言った。しかし、取り乱したその警察官は恐怖を上げ、本物の犬が追いかけてくるのだと訴えた。  

アーカス2911

一部の文明は、自分たちが未熟なために理解できない知識を発見した時に崩壊する。別の文明は、自然災害によって崩壊する。なおかつ別の文明は、少し....ほんの少し押すだけで...崖から転がり落ちる。

私は数え切れないほどの世界の終わりを研究した...

数多くの生存者の記憶を通じて...

そして、エンティティが世界を単に堕落させ、飲み込むだけではないということが分かった...私たちの集団の恐怖を利用し、少し楽しんでいるだけなのだ。

私が観察したところ、エンティティは、まるで黙示録が一種の芸術作品や不朽の名作であるとでも言うように完璧な破壊のデザインを考えながら、不幸のビュッフェから魂を選り好みするのに時間をかけているようだ。これは、故郷で学んだ古代人に関するすべてのことに相反する。

しかし、私が調べてきた物語や記憶は、この古代人による創造と破壊への自発的かつ非自発的な意志を示唆していることは否定できない。これは現時点では憶測の域を出ない。ただし、私は地下室に広がる最後の世界でテラ・アラクネに足を踏み入れることができ、そこでエンティティによって生み出された可能性のある巨大な蜘蛛のような生き物に世界が滅ぼされたのを目撃した。その化け物が塔の中に逃げ込むといけないので、私はすぐに地下室の扉にシンボルを刻み、世界を消滅させた。

それから、確認のために扉を開けてみると、黙示録で、あったものは、埃で覆われた小さな空っぽの空間しか残されていなかった。ところが部屋を調べてみると、廊下でペチャペチャというような音が聞こえた気がし、た。喉の奥からこみ上げてくるものを飲み込み、何か逃げ込んだものはいないかと塔の中を慎重に探した。中には何も見つからなかったが、外の騒音は相変わらず私の睡眠を妨げるし、霧の中で何かが動いたのを見たことも確かである。