きまぐれDbD

DbDの楽しさを発信中!

【DBD】デススリンガーのアーカイブストーリー(背景物語)【学術書18】

\かんたんなタスクをクリアするだけ/

 

この記事の要約
DBDの学術書17で解放される「デススリンガー」の過去が描かれている背景物語のご紹介。

 

f:id:Rainbow_Color:20200919001636j:plain
きまぐれ

「治療もしくは修理中の生存者を2回銛で打ち抜く」の激ムズアーカイブ奇跡的にクリアできました!久しぶりに声出して喜びました!

デススリンガーのアーカイブムービー

youtu.be

アーカイブストーリーと一緒に解放された、デススリンガーのアーカイブムービーになります。ぜひ合わせてご覧ください。

デススリンガー「記憶の断片」

デススリンガー:記憶1428

母親の背後で、間に合わせの鉄の棒で木の輪っかを転がしながらカレブが駆け回っている。母親はミシンのペダルからサッと足を外すとドアに手を伸ばした。

カレブ!遊ぶなら外でおやり!

彼女がドアをドンと開けると、少年が全速力で駆け出していく。少年は馬が駆ける音の真似をして、ひだり、みぎ、ひだり、ひだり、みぎ、ひだりとスキップする。

少年は勢いよく通りを駆け抜けていく。聞き覚えのある声がその耳に入り、その歩を緩める。父と他の男が何やら声を張り上げている。

通りの角から彼の父親がバッと現れ、カレブとぶつかりそうになる。

ここで何をしてるんだい?

母さんに外で遊べって言われたんだ。今日も仕事がないの?

父親はため息をついてから、彼に微笑む。ああ、今日は仕事がないんだ。お前はどうだい?もう本は読んだのかい?

ううん。父さんに読んでもらいたかったんだ。

こうしよう。一緒に家に帰ってから、父さんに本を読んでくれ。いつまでも父さんがしてやるわけにはいかないからな。

デススリンガー:記憶1976

カレブが再び斧を振り落とす。木の幹はまだ割れない。外は身に染みるように寒いが、カレブの額からは汗が滴り落ちている。

もっと力を込めるんだ、"モ・ブアチャイル”。

カレブは苛立って、父親のほうを見る。長年の過酷な労働のせいで背中が折れ曲がった哀れな姿。カレブは唇をかんだ。

カレブがもう一度斧を振り落とすと、ようやく幹が割れる。彼は割った木を片方の腕で抱え、父親の腕をもう一方の腕で抱えながら家の中へ戻った。

ベッドには母親が横たわっている。おでこを触ると、ようやく熱が下がっている。穏やかに眠る母親の毛布を掛け直し、薪を火の中に投げ込む。そして、ベッドのそばに置いたコップにお湯を付け足し、毛布を温めるために置いた銅の棒を置き直した。

カレブ、ちょっと取ってほしいものがある。

ああ、いいよ。

ベッドの下にある。革のやつだ。

カレブはベッドの下を覗き込み、そこから軽い革製の作業用エプロンを引っ張り出した。腰回りにしまわれた工具は、錆びた古いレンチしか残っていない。父さん、他の工具はどうしたんだい?

もう何年も前に売っちまったよ。ここでは何の役にも立たなかった。ベッドの下で腐らせるより、お前たちを食わせたほうがいいだろう?

カレブはレンチを指でたどった。これも売るつもりかい?

いや。もらってくれ。使い方を教えてやろう。お前が一人前になる頃には、ここの状況も変わるかもしれん。それに・・・それを買うやつもいないだろうしな。  

デススリンガー:記憶2573

待ってください。さっきまで動いてたんです。

ベイショアは怪訝な顔で奇妙な装置を眺めた。このヘンテコな機械は何人分の仕事をしてくれるんだい?

カレブは薬室にオイルを塗る手を止めて、しばし考える。分かりません。十数人くらいかと。それよりもっと重要なのは、この装置にはミスがない、ということです。何度使っても、同じように正確に作業を行うんです。

クイン君、部屋に入ってくれ。中で話そうじゃないか。

カレブはボスについて贅沢な内装の部屋に入った。巨大な机の上には列車の模型やガラス製の地球儀が置かれている。その机は、カレブの持ち物を全部合わせたものより高価なものだろう。カレブは机の向かい側の椅子に座り込んだ。

クイン君、君は聡明な若者だ。結構な可能性を持っている。君がこの会社に残れるように私も努力してきた。でもそれは君に多大な期待があるからだ。君にはもっとスケールの大きいことを考えてもらいたい。

申し訳ありません。

まあ、謝る必要はないんだよ。しかしね、残念だがこの奇妙な装置を買うことはできない。作業場でリーと話してくれ。彼から説明を聞くといい。

カレブは立ち上がり、犬釘を打ち込む装置に手をかけた。

あ、それはここに置いていくといい。リーのところに行ってくれ。さあさあ早く!

デススリンガー:記憶2639

ベイショアの腹から流れ出る血が、カーペットに染み込んでいく。その顔は腫れ上がり、ひどい有様だ。彼は歯を一本吐き出し、カレブが部屋に入ってきてから初めて彼と目を合わせた。

これでお前は首吊りの刑だな。

怒りに取り憑かれたカレブは、その言葉に我に返る。ここに来たのはベイショアに抗議するためだった。何ヶ月にも渡って、あれこれ理由をつけては新しい機械を発明するよう言われた。何かを作るたびに、使い物にならないと言われた。でもそれはベイショアが特許を独り占めするため、発明品を大金で売るためだった。

ベイショアが咳き込み、傷口からさらに血が滴り落ちる。彼は巨大な机に自分を打ちつけているクギを掴み、力なく引っ張るが、どうすることもできない。

カレブはベイショアに伝えようとする。彼が欲しかったのは、お金でさえないことを・・・しかし言葉が見つからない。ベイショアがボコボコに殴られ、床に血を垂れ流していても、その顔を見るだけで怒りがこみ上げてくる。カレブの血筋のせいで仕事があるだけでも有難い、そう思い込まされていた。役に立たないものを作るとい非難。すべては彼を騙すための嘘だった。

警備員がようやくオーク材の重い扉を破って入ってきた。そしてカレブの顔を机に叩きつけ、彼を縛り上げた。ベイショアはすでに地元の医師から手当てを受けている。

今、カレブの顔はベイショアの顔のそばにある。今度は言葉が見つかる。そして引きずり出される前に囁いた。

これでお前が殺せるなら、首吊りの刑も悪くない。  

デススリンガー:記憶2781

刑務所長は俺と一緒にお前たち二人を釈放してくれるんだ。

カレブの隣の監房には、刑務所なら誰でも仲間にしたくなるような男たちがいた。ローリーは炭鉱労働者の暴動の際に警察官に殴りかかった男だが、二十歳そこらの内気で優しい大男だ。一方、デクランは弁の立つ人気者で、刑務所内のあらゆるギャングから気に入られていた。二人はこれまで何度もカレブを助けてきた。そして今度はカレブが恩返しをする番だった。もちろん先に口を開いたのはデクランだ。

冗談だろ。俺たちをタダで釈放するって言うのか?

タダじゃない。働いて刑期を縮めてもらうのさ。仕事はお尋ね者を捕まえることだけだ。

看守は一人ずつ手錠をかけ、監房から所長室へと彼らを連れて行った。そこは驚くほど質素な部屋だった。所長が説明を始める。

連れてきた手配犯一人につき、刑期を1ヵ月短くしてやる。生きたまま連れてくるんだぞ。これを罪の償いとでも思ってくれ。

でも、俺が逃げないって保証はないだろ?

カレブがデクランを睨みつける。

そういう態度はなしだ。

刑務所長がカレブに紙を手渡す。三人はそれをじっと見つめる。ローリーが書かれた言葉をゆっくりと読み上げる。カレブのレッスンが少し功をなしたようだ。

コロ・・・コロラド?かなり遠くないか?

馬に乗って数日の場所だ。馬とお金を少し持っていくといい。出発は今日だ。これがうまくいったら、他の男たちも捕まえてもらおう。

カレブは紙に書かれた内容を全て頭に入れると、その紙をポケットにしまった。気合の入った様子で三人が椅子から立ち上がる。

クイン、あともう一つ。色々と根回しをして、これを手に入れてやったぞ。

刑務所長は犬釘を放つ銃をテーブルの上に置いた。それを見たデクランが、笑いをこらえながら言った。

ボス、それを一体何て呼ぶんだい?

ベイショアに死を、だ。

デススリンガー:記憶6018

彼はヘルシャーギャングを引き連れ、馬の足を進める。彼らはいつになく口数が少ない。デクランでさえそうだ。

旅を始めてから何日も経ち、一行は疲れ切っていた。険しい山道が疲労した体に追い打ちをかける。しかし、ここを通るしかない。

メインストリートはガラガラだ。地元の劇場からは大勢の笑い声や歌が聞こえてくる。残りの者は、なにか隠れる理由でもあるのだろう。カレブは地元の酒場に馬をくくり付けた。ローリーとデクランもその後を追う。

酒場に入った三人は自分たちに集まる視線を感じながら、ドアに一番近いテーブルに座った。ローリーがカレブに目で訴える。一杯だけ・・・カレブは目を閉じ、首を振って答える。仕事が先だ。

この町になにかご用かい?それとも旅の途中かい?

カレブはバーテンダーの顔を見る。細い口ヒゲを生やした痩せ型の男だ。ちょっとした用事があってね。手伝ってもらえれば早く終わるかもしれない。

彼はしわくちゃになった紙切れをポケットから取り出した。ロドリゴ・サンドバル。借金を抱えて高飛びした男だ。バーテンダーがポスターに書かれた名前を覗き込むと、カレブの後ろにある大きな武器がその目に入った。バーテンダーの顔からサーっと血の気が引く。彼はゆっくりと奥のテーブルのほうを指した。

カレブがそのテーブルのほうに向かう。三人の男がトランプをしている。他の二人は椅子に深く腰掛けている。

どいつがサンドバルだ。

男たちは銃に手を伸ばしたが、ローリーとデクランの銃がすでに彼らの頭に向けられている。誰も口を開かない。

血を流す必要はない。生きたまま連れ戻すことになっている。

すると突然、真ん中の男が椅子から飛び上がり、カレブに体当たりしてきた。そして床に転げ落ちてから、ドアの方に走った。ローリーとデクランはすぐさま銃口を光らせ、銃を手にする暇さえ与えずに他の男たちを殺した。

ロドリゴの手がドアに届く前に、何かが割けるような恐ろしい音が響いた。犬釘がロドリゴの太腿に突き刺さる。傷み苦しむ叫び声が上がり、鎖が引っ張られ、ロドリゴの体が床に引きずり落とされた。

デクランは男たちがトランプで賭けていた現金を手に取り、バーテンダーに尋ねた。旅の途中で食べられるようなものはないかい?

デススリンガー:記憶4269

カレブとローリーは馬にまたがり、町の外れを目指した。内臓が飛び散るような大乱闘のあと、満月の輝きが彼らの肩を照らしている。彼らはそこにちょうどいい場所を見つけた。静かで眺めがよく、近くには小さなサボテンが育っている。カレブはローリーにシャベルを渡し、二人で硬く乾いた地面に穴を掘り始めた。

二人が穴を掘り終えたころには、地平線から太陽が顔を出そうとしていた。カレブは穴が開きバラバラになったデクランの死体を墓の中に置いた。そして彼の体を土で覆ってから、その上に硬い石で山を作った。ローリーが咳き込む。それは火薬のせいかもしれないし、こみ上げてくる涙のせいかもしれない。そして、いつになく小さな声で言った。

なにか言ったほうがいいかな?

カレブは出来たての墓を見下ろした。

上手い言葉は思いつかない。それが得意なのはデクランだった。

二人はしばらくの間、何も言わずに立ちつくした。これまで何人の男を失っただろうか。7人・・・いや、8人か。ヘルシャーギャングのメンバーが多くなってから、どのように仲間を失ったか把握できないほどだった。もう、そうでもなくなったが…墓に入れるのに十分なほどの"体”が回収できたのもデクランが初めてだった。

冷たい突風が辺りを駆け抜け、夜の間に冷えた地面を太陽が再び暖め始める。風に吹かれて飛んできた新聞がローリーの足に引っかかる。彼はそれを手に取り、必死にそれを読もうとする。

ボス。これ、本当かい?

カレブがその新聞に手を伸ばし、見出しに目を通す。

そして大声でそれを読んだ。ヘンリー・ベイショア、ヘルシャー刑務所を買収。

頭の中であらゆる筋肉が締め付けられ、熱くなっていく。彼の手は震えながら新聞を握り締め、その親指はベイショアの写真を突き破っていた。

馬の準備をしろ。出発だ。

~おしまい~

 

デススリンガーの詳細

入手方法 ・DLC「Chains of Hate」
・オーリックセル/シャードで購入
値段 【ゲーム内ストア】
・500オーリックセル
・9000シャード
解説ページ デススリンガーの基本性能&固有パーク、対策の解説
固有パーク 変速機
死人のスイッチ
呪術:報復