・アーカム邸の物語が読みたい！
・全部読める？
・アーカイブムービーも見たいな！
とDBDの学術書18で解放される物語、アーカム邸「隠され、知られざるもの」について記載しています。
キラーに妨害ステータス付与や、攻撃を3回新距離で回避する。など激ムズアーカイブがありましたなんとかクリアできました。
スキマ時間にお読みください。
アーカム邸のアーカイブムービー
アーカム邸「隠され、知られざるもの」
ホラーの物語。虚無の闇を通り抜けて-3。
窓の外に果てしなく広がる混沌とした虚無の世界。ジェイデンはそこに巨大な触手を持つ巨大な目玉を見つけた。それは超重戦車にジリジリと近づいてくる。その触手が地面に転がる死体を掴み、自分の網膜の前に差し出すのを見て、ジェイデンは思わず震えた。その目玉はその死体を吟味しているようだ。すると突然網膜が開き、そこに刃物のように鋭い、湾曲して歪んだ歯が現れた。「なんてこった」ジェイデンはそうつぶやき、驚愕した様子で後ろによろめいた。彼はすぐにバランスを取り戻すと、ヘイリーのほうを向いて尋ねた。
「どうする?あれを見たか?こっちに向かってくるぞ」ヘイリーは小さな窓から化け物のような巨大な目玉を観察した。そしてゆっくりと息を吐いた。「あの生き物のことは読んだことがある･･･」彼女は記憶の奥に埋められた謎を掘り起こすかのように、時間をかけてその生き物を見つめた。「私たちが見つけた学術書に出てきたわ。あれは深淵の生き物で、偉大な”ジャイアンツ”の一つよ。あれは確か……”イゴトゥール”と呼ばれている。あれは光に、いや、恐怖に引き寄せられるの･･･それとも、光と恐怖の両方に引き寄せられるんだったかな…」
「どっちなんだ?」
「思い出せない」ゆっくりと近づいてくるグロテスクな生き物を見ながらヘイリーが答えた。「どっちだったか、はっきり覚えてないの」
「両方だってことにしよう!」マハンはすべての照明を消そうと、パネルを見つけて、いくつかレバーを引いた。
しかし、何も起こらない。
発電機の電源は落ちていない。照明はマハンをイラつかせるかのように、ちらいたあとその明るさを増したようだ。イゴトゥールも動きを止めず、戸惑った様子も見せず、ジリジリと近づいてくる。
マハンはとっさに発電機の所に行き、それを思い切り蹴り上げた。しかし再び、彼を嘲笑うかのように照明はより一層明るさを増した。マハンは壊す機械を間違えてるんだと思い、今度は発電機に接続され、奇妙な有機燃料の入った容器を思い切り叩きつけた。容器のガラスが粉々に砕け、悪臭を放つ黒い液体が床に飛び散り、魚のような小さなものがバタバタと飛び回った。そして発電機の稼働音が止み、照明がちらついたあと、何回かゆっくりと点滅してから完全に消え、そこは完全な闇に包まれた。
イゴトゥールは突然その動きを止めた。しかし、その網膜は、彼らのほうに注意を向けているようだ。
そのときヘイリーは自分の横でジェイデンの肩が震えているのを感じた。彼女は彼を軽くつついて囁いた。「震えないで、ジェイジェイ。まだ終わってないのよ」
「俺だって止めようとしてるんだ」
「怖がっちゃダメだ」マハンが小さな窓に近づいた。「あいつは恐怖を感じ取っているようだ・・・」
イゴトゥールは彼らから目を離すことなく、すぐそばまで近づいてきた。怪物のような触手は青く輝く粘液を出しながら、腹を空かせたウナギのように超重戦車の上を這い回っている。
「ジェイジェイ・・・お願い...落ち着いて・・・」
「こいつはクトゥルフだろ!落ち着けるわけないじゃないか」
ヘイリーはゆっくりと息を吐いた。「あいつのことは考えないようにするの。目を閉じて...羊を思い浮かべて・・・その数でも数えるのよ・・・」
「羊だって?」ジェイデンは彼女の言葉に戸惑いながらも、言われるように目を閉じた。そしてどこかのエレベーターで一度耳にした穏やかなメロディーをバックに、物静かな草原で羊が草を食べている様子を思い浮かべた。すると突然エレベーターの音楽が止み、羊が草を食べるのを止めて空を見上げた。立ち上がる霧の中から、イゴトゥールが姿を現わす。その巨大な生き物は恐ろしい金切り声を上げながら触手で羊を掴み込み、空腹にヨダレを垂らした自分の口にそれを丸ごと突っ込んだ。その口の中で悲鳴が鳴り響き、羊の頭蓋骨や体中の骨が粉々に砕かれていく。
ジェイデンは目を見開いた。「ダメだ!やつのことが頭から離れない･･･」
イゴトゥールの大きなうなり声がジェイデンの声を遮り、狂ったように触手で地面を叩きつけた。
ジェイデンはまるで遺体安置所に足を踏み入れたかのように息を止めて瞬きをした。
三人は状況を理解しようとその恐ろしい生き物を見つめた。イゴトゥールは地面を叩きつけるのを止め、少しの間、動かなくなった。それは三人には永遠とも感じられた。そしてイゴトゥールはゆっくりと向きを変え、胸をなでおろした三人が見守ある中、廃棄物や骨や死体をムシャムシャ食べながら、果てしなく広がる荒野を滑るように進んでいった。三人は、虫や形のない鳥のようなものでできた厚い雲の中に怪物が消えて見えなくなるのをじっと見つめた。
長い沈黙のあと、ジェイデンが神経質な笑いを放った。
マハンが彼の背中を叩く。「やつを引き寄せるのが光だけでよかったな」
ジェイデンがヘイリーのほうを向く。「羊を数えろなんて二度と言わないでくれよ「な!」
ヘイリーの顔に笑みが広がり、笑いがこぼれそうになったとき、容器からこぼれた黒い泥の中から、生まれたての赤ん坊のように奇妙なものが泣いているのが聞こえてきた。ジェイデンがヘイリーのギョッとしたような視線を追う。信じられない光景が彼の目に映る。恐怖と混乱が入り混じった声で彼が尋ねた。
「こりゃいったい何なんだ?」
アーカス10 187
私は数週間、あるいはもっと長い間、虚無の中を歩き続けている。そこには見渡す限り、無数の死体や放棄された領域が散らばっている。これまで読んだパーラのどの話より遥かにひどい状況で、絶え間なく続く恐怖感に圧倒されそうになる。ひょっとしたら、この場所から脱出できた者など、いないのではないか･･･最近そう思うようになった。
アーカス732
弁護士はドワイトに数百万ドルで会社と和解するよう提案した。それに対しドワイトは、パワハラ経歴のある人物を雇って野放しにしたことに関して謝罪の手紙を受け取ったら和解すると告げた。しかし会社側は彼の要求を嘲笑った。謝罪するくらいなら大金をくれてやるというのだ。ドワイトはその申し出を断った。
私は彼があのような態度に出るとは思っていなかったが、私が数年に渡って研究した人物のほとんどにも、多かれ少なかれ最初の印象とは異なる態度を見てきた。人間というものは、そういうものなのだろう。矛盾した生き物なのだ。
ドワイトはお金を受け取って引き下がるべきだったのかもしれない。そうすれば、つまらない仕事に人生を無駄にする必要もなかった。
動物園で働いていた時のゾウ事件や、路上で車にはねられて死んだ動物を片付ける仕事をしていた時のコヨーテ事件も起きなかった。メタルバンドのためにリムジンで国中を走り回ることもなかっただろう。
でもよく考えると、ドワイトがお金を受け取らなくてよかったと思う。彼が経験した事件は楽しいものではないが、なかなか興味深いものだ。
アーカス10 202
今回はこれまで見たことのない奇妙な領域に遭遇した。無駄な物のないその領域では段ボール箱を着た人たちが、腐ったキャンディやジャンクフードで作られた家に住んでいる。
まさしく「Zzzlトリクス」の世界だ。カビの生えたジンジャーブレッドハウスを蹴り倒すと、それはすぐさまキラキラとした青いエネルギーの渦の中に消えていった。
それにしても不思議だ･･･この狂気のデザイナーはどこから来たのだろう。そして彼女はなぜ物語にほとんど出てこないのだろう。この次元を操作して、頭に浮かんだものを具現化できることを考えると、彼女は私の世界と同じように進化した世界から来たのだろう。
ひょっとしたら、もっと高度な世界から...一つ明らかなのは、Zzzzlは思考と感情の関係を理解し、現実を創り出していることだ。彼女は自分の創造物の血の中に秘密を隠す方法さえ見つけている。彼女は、領域のアチコチに無数の秘密を隠した知られざる者達の一人かもしれない。
アーカス42
「知られざる者達」と呼ばれる人々は、奇妙な方法で領域内に秘密の知識を隠しながら、この「原初の存在」の中を旅してきた。その知識は霧や建物の中に、さらには生き物の血の中にさえ隠されていると言われる。彼らが何を意味するのか理解するのは難しい。明らかなのは、知られざる者達は領域中を比較的簡単に移動できるということだ。たとえ霧の中に潜む恐ろしい生き物の皮を剥すことになっても、領域間を移動できる能力といった秘密なら持つ価値はあるだろう。
偉大なるモーリス2
おかしな事態に巻き込まれたもんだ。どういうわけか、腐った干し草に覆われた崩れかけの馬小屋にたどり着いた。馬小屋には他に数頭のウマがいて、狂ったブタやイヌも数匹いる。
私は農耕馬として連れてこられたが、まだ若すぎて、私の足は作業をこなすほど丈夫ではない。そこでは冷たい金属製の道具に皮膚に食い込むほど縛り付けられ、それを引っ張ったり、農夫に鞭で打たれたり、イヌに追われたりした。楽しいとは言えない生活だ。
ある日、最高の冗談を飛ばす老馬のロイに一匹のイヌが楯突いた。ロイはそいつの歯を蹴って、他の動物に噛みつけないよう歯を|粉々にした。そいつの首の骨も折れていた。農夫のジョーは腕が疲れるまでロイを鞭で打ったあと、大酒を食らって倒れ込んだ。
ジョーはすぐにキレる性格で、周りの動物はみんな酷い目に遭わされていた。意地悪で愚かでバカなやつ・・・
しかし、やつには自業自得の運命が待っていた。
私は馬小屋の隙間から、その一部始終を見ていた。あれはジョーが友だちのベティを殴り、イヌたちをけしかけたときのこと。ベティは寒くて疲れている。
イヌはベティじゃなくてジョーを追いかけるべきだ。
私はそう心の中でつぶやいた。
面白いことに、その後、イヌたちは動こうとしなくなった。ジョーの言うことを全く聞く様子がない。ジョーはますます怒り狂って、鞭をイヌのほうに向けた。
イヌがジョーを懲らしめてくれればいいのに…私はそう心の中で願った。すると何が何だか分からないうちに一匹のイヌが農夫のジョーの足に噛みつき、肉の塊を食いちぎった。ジョーは大声を出し、金切り声を上げながら立ち上がろうとする。
しかしイヌたちが彼を取り囲んで襲い掛かる。彼の叫び声と金切り声は喉を鳴らす音に変わり、すぐに喉を鳴らす音は沈黙に変わった。するとイヌが一匹やってきて、私たちを解放してくれた。馬小屋から抜け出すと、銃声と叫び声が聞こえてきた。動物たちは一斉に砂利道や草原や川へと四方八方に走り去り、私も森の中へと駆け出した。私は木々やイバラの中を駆け抜けた。
しかし何かに後をつけられている。立ち止まって振り返ると、そこには子犬たちがいた。私は、母親を探しに行くよう子犬たちに言って追い払ってから、再び光と影の中を進んだ。
しかし後ろを振り向く度に、そこには子犬たちの姿があった。子犬たちは茂みや幹につまずいたり、私の怒った視線から目をそらそうとしている。ついてくるのは止めるよう、もう一度子犬たちに言い、私はその場を立ち去った。
赤鶴物語。知られざる者達の秘密。
咲は中世の村で石畳の道を走りながら、モーリスに注意の言葉を囁いた。空には眩く光る赤い月が浮かび、崩れかけの石造りの家に不気味な光を投げかけている。村中の家でかまどの火がちらつき、闇の中で血の鍋がグツグツと煮立っている。積み重なり腐敗した死体の山からは、真っ赤な血や体液がしみ出している。咲はその死体の中に黒蛇会のメンバーが数人いるのに気づいた。彼らの成れの果ては、引き裂かれ、ズタズタにされ、ウジ虫に食い荒らされ、噛まれ、腐っている。その姿は、彼女が本で読んだのと同じだった。
これがあの場所か。
あの場所に違いない。
黒蛇の門弟たちは、知られざる者達の隠された秘密を探し出し、巻物に収めようとここにやって来た。そして、牙を持った化け物の犠牲になったのだ。やつらのことは考えたくもない。
吸血鬼め・・・
咲は吸血鬼を軽蔑していた。無数の領域に現れるすべての吸血鬼たちを。
知られざる者達が村に残した形跡やシンボルを探すため、咲はモーリスにゆっくりと進むよう促した。彼女が廃塔で見つけた数多くの書物の一つには、秘密のシンボルのことが書かれていた。集めた書物の物語から、彼女はたくさんの秘密を学んでいた。自分が閉じ込められ、必死に抜け出そうとしている、この恐ろしく奇妙な次元について･･･物語や日記や注釈を読み漁った彼女には、この村が「吸血鬼村」であることが分かった。それは知られざる者達が、霧を操作する秘密の知識を隠した村だ。
「吸血鬼に気をつけるのよ」咲が小声で言った。
「吸血鬼?」モーリスが尋ねる。「吸血鬼とはどういうことだ?ここに吸血鬼がいるなんて言わなかっただろう。そいつらは人間みたいなやつか?それとも、巨大なコウモリみたいなやつか?」
「獣のようなやつよ・・・翼のある獣」
「なんてこった・・・ひと騒ぎ起きそうだな。嫌にな・・・」
突然の金切り声がモーリスの言葉を遮った。かみそりのように鋭い歯が闇に光り、翼を持った巨獣が彼らに突進してくる。咲は目がくらむようなスピードで宙に飛び上がり、刀をきらめかせた。
野獣の爪や手足や頭が地面に転げ落ちる。地面に舞い降りた咲に考える暇はない。息をつく暇さえない。頭の上から恐ろしい爪が音を立てながら降りかかってくる。
咲は野獣の攻撃をかわしながら、巧みな剣さばきで反撃する。野獣を片付けた彼女が振り返ると、モーリスが自分の二倍も大きい吸血鬼に向かって突進している。咲はすぐさま彼らの方に向かおうとするが、最後に残った吸血鬼がモーリスを壁に叩きつけた。
吸血鬼はモーリスに向かってシャーっと威嚇してから、突然その赤く光る目を咲の方に向けた。咲はゆっくりと歩み寄る。吸血鬼は彼女を睨み、うなり声を上げて彼女を怯ませようとするが･･･
彼女の刀がピカっときらめいた･･･冷たい刀のどう猛な一撃で、うなり声はもだえ苦しむ声に変わった。間欠泉のように血が吹き出し、吸血鬼は喉を押さえて地面に倒れ込んだ。
咲は吸血鬼が息を引き取るのを見つめながら、刀から血を振り落とした。そして、知られざる者達が隠した秘密を見つけようと村を見て回った。何の形跡も見つからない。どこにあるのか見当もつかない。しかし、彼らはありとあらゆる方法で知識を隠している。それを見つけるのは困難なこと。不可能ではないとしても・・・
咲はその時ふとひらめいて、物語の一部を鮮明に思い出した。彼女はしゃがみ込んで、刀で吸血鬼の腕の皮膚を剥がしてみた。脂肪と肉の中に輝くシンボルが見えるかも・・・
そう思ったが、そこには何も見えなかった。
彼女はため息をつきながら立ち上がり、濃くなっていく霧の中に立ち並ぶ家を見つめた。モーリスが彼女の横に来て、話をしようとしたそのとき、音を立てないよう咲が指で合図した。
何かがおかしい。
咲は前方を見つめながら、彼女の鋭い聴力でしか聞き取れないような、かすかな音に耳を傾ける。爪が石に擦れる音、歯がカタカタする音、足元の石がガタガタする音、そして奇妙な言葉で吸血鬼が会話する音。
さっきの攻撃は、単なる腕試しだったのか･･･そして小さく一歩前に進んだ。咲は本能的に刀を構え、物影の奥を見つめる。彼女が視線を下げると吸血鬼たちが襲い掛かってきたが･･･
彼女に敵う速さではない。
～おしまい～
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