本日は「学術書5」で開放される「ブライト(タルボット・グライムズ)」の物語をご紹介していきたいと思います。
ブライトの基本性能
移動速度 | ・4.6m/s |
脅威範囲 | ・32m |
特殊能力 | ・壁や障害物に激突後、「能力ボタンを押すと死の突進が発動」する。 |
固有パーク | ・ドラゴンの掌握 ・呪術:血の恩恵 ・不死 |
ブライトのアーカイブストーリー【未知なる扉】「学術書5」
記憶1752
瓦礫と崩れかけた柱からなる荒廃した広い地で、男は花を見た。
一輪の花だ。
党束ない足取りで廃墟を進み、不鮮明な視界のなか手を伸ばした。
彼が触れるよりも先に、茎や花弁が崩壊していく。
幻覚か…男が見上げると、そこにもある…花だ。
花のほうに駆け寄ると、足元の地面が崩れ去る。
失われ、忘れ去られた世界の残滓の間を、どこまでも堕ちて行く。
止まってほしい。
押し寄せる熱い空気と、口から機器が出そうな感覚に耐えられなかった。
男は地面に叩きつけられ、胸から肋骨が突き出た。
尖った骨が悪臭を放つ皮膚を引き裂く。
ここはどこだ?
どういう場所なんだ?
そこはどことなく見覚えがある実験室だった。
ある紋章が目に留まる。
東インド会社のものだ。
男は戦争のことを思い出す。
アヘン戦争だ。
捕虜たちや実験のこと、別世界への入り口に関する飽くなき研究についても思い出した
。
男はそれを見つけるに至ったものの、それは思っていた形とは違った。
東インド会社の戦闘服に身を包んだ何千もの腐乱した捕虜たちに掴まれ、引っ掻かれて男の周囲に生温かい血の海ができた。
これは現実ではない。
現実であるはずがない。
お前らは死んだ!
全員死んだんだ!男は目を閉じた。
咆哮の渦が押し寄せ、捕虜たちは男を頭上に担ぎ上げた。
そしてその破損した体を、光の届かない地下牢に投げ入れた。
暗く寒く孤独だった。
男は震えながら懇願した…
花をもう一輪…
何でもする…
頼む、もう一輪だけ…
花を…
記憶1753
力は精神にあり一神秘主義者たちがいうところの「心眼」だ。
人々が夢を見ることを可能にし、視覚化を可能にするこの「眼」は、我々が思うより強力だ。
それも遥かに。これは鍵であり、扉を開けるためのもの...それも無数の扉を...そして、その鍵は秘匿されている...無限の生命である、渦巻く混沌の中の無数の世界を旅することが可能になる、薬物のような神秘の秘匿なのだ。
神への冒涜だ!そのような思想の者を学院には置けない!悪魔の考えだ!
彼はこの説を東インド会社に語り聞かせ、神秘がアヘンより優れていると説いた。
比類なき体験であり、「竜の門口」と名付けたことも伝えた。ケシで得られる恍惚感が、咳止め程度にしか思えなくなるだろう。
神秘主義者たちのことを思い出す。
正体不明の神秘主義者たち。適切な振動数で死ぬことを願って、賛歌をうたう者たち。適切な振動数?適切な振動数で死ぬとは、どういう意味だ?
つまり彼らは、異なる振動数が、それぞれ違う未知の世界への扉を開くと信じている。
死によって門が開かれる・・竜がその者を連れて行くのだ。東インド会社が興味を示した。
死の向こう側に隠されたオピオイドなど、どうやって収穫するつもりだ?方法は見つける。
そして言葉通り、彼は見つけた...だが人生をかけた集大成の完成を目前にして、奴らに見つかった。
撲殺されかけ、破損した死体だらけの集団墓地に放り込まれたことを、朧気ながら覚えている。
そして...分厚い暗色のローブを纏った、9人の神秘主義者たちに助けられたことも...
あの9人はどこへ行った?
彼らは私の研究で何をした?
何故私を止めようとしたのだ?
わからない...
わからないことばかりだ...
私の花はどこだ...
お前の頭の中だ...男は指を眼孔に突っ込み、目玉をえぐり出すこと、頭の奥深くまで掘り進んだ...花を...一輪の花を探して...
記憶1754
目が無くても見る事ができた。
訳がわからない。男は汚物と垢の中を這い上って行った。
滑って落ちた瞬間、すぐに腐敗した捕虜たちや中毒者たちの山をよじ登っていた事に気づく。
腹ばいになった多数の男女たちを掻き分けて進む間、彼らは様々な要求をした...
追加のオピオイド・紅茶・シロップ・アヘンを混ぜ込んだ飴...
バカげた約束まで持ちかけてくる...
家をやる...
金をやる...
子供たちをやる...
何でも持っていっていい...
もっとくれ...
あともう少しだけ...
まるで彼自身のように見えた。
朧げに覚えている不鮮明な顔を掻き分けて進む。
狂わされ、打ち砕かれ、破壊されたたくさんの人生。
彼のせいではない。
肉体を伴わない声が聞こえた。
こいつらを全員殺せ。
そうしたら花をやる。
男は苦悶する男女たちを見下ろし、杖を取り出した。
彼らの四肢や頭蓋骨を滅多打ちにした。
頭はスイカのように割れ、骨は乾いた小枝のように折れた。
やがて積みあがった肉片と吐瀉物と血だまりの頂に立つまで、男は手を止めなかった。
どこだ?
私の花はどこだ?
見つけなければ。
彼は膝をつき、花を見つけようと、ズタズタになった人間たちで出来た、分厚いぬかるみを掻き分けていった...
一輪見つかる...
だが彼が触れた途端、過去の残滓と共に消えてしまった。
記憶1755
タルボット...
私の名前はタルボットだ。
近づいてくる9人のフードを被った人影を見つめながら、彼は自分の名前を思い出した。
タルボットは奇妙な記号が描かれた、崩れかけの柱に躓いた。
その言語を、うっすらと覚えている。学院や秘密の学舎のこと、彼らが守っていた神秘や門外不出の知識のことも思い出した。
タルボットは準備もできていない内に、あと一歩のところまで来てしまったのだ。
人類にはまだ早すぎる。
知恵なき知識は自滅あるのみ。
タルボットにとって、そんな事はどうでもよかった。
貴様らが私を糾弾したのだ!
貴様ら全員が!
私が消えるように仕組んだんだ!
フードの人影の1人がタルボットに近づいた。
お前を糾弾したのはお前自身だ、タルボット!自分で自分を咎めたのだ...
9人のフードの人影が消えると同時に、地面から巨大な竜が飛び出して、生気のない黒い瞳でタルボットを見下ろした。
その顔のおぞましさは、これまで読んだり見たり想像したことのある、あらゆるものを超越していた。古の悪が暗黒の魂を持って甦った!
タルボットは自分を取り囲む狂気の霧の中で身震いした。古代の獣はタルボットを攻撃し、そのかぎ爪で捕らえて丸ごと飲み込んでしまった。
混ざり合った唾液と酸がタルボットのローブを引き裂き、皮膚を焼いて骨を露出させた。
激しい苦痛に叫び声を上げながら、悪臭が充満した腐乱死体だらけの胃の中で、タルボットはゆっくりと分解されていった。
自分の体や四肢が溶けて行くのを眺めながら、境目のわからない血みどろの塊に同化していくのだった。
記憶1756
タルボットは集団墓地の大量の骸骨や、腐乱した東インド会社の捕虜たちの中で目を覚ます。
彼はまばたきをし、神聖になった瞳から汚物を振り落とした。
胃の中の物を全て吐き出すも、自分の身に何が起きているのか理解できないでいる。
飢えているということ以外は意味がわからない。
頼む...
何でも...
何でもする...
私の欲しいものをくれたら、この身を差し出そう。
それを私にくれ...
必要なんだ...
腐った死体から突如、蔓が飛び出しタルボットを囲む。
花がつき、見事に咲き誇った。
視界の至る所で蜂蜜のような、美しい黄金の液体がしたたっている。
タルボットはその中のひとつに近づくも、触れるのをためらった。
手を伸ばし、花に触れてみたが...消えることはなかった。
また別の花に触れる。
さらに違う花にも。
何も起こらない。
花を掴もうとしたら、反対に、花にタルボットが掴まれた!
夢のような触手が飛び出して彼に巻きつき、血管を引き裂いた。
フードを被った9人の人影が、非難めいた面持ちで近づいてくる。
知恵なき知識は自滅あるのみ。
人影たちがにじり寄る。
何を願うかよく考えたほうがいいぞ、タルボット。
何を願うかは、よく考えろ。
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