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【DbD】プレイグの基本性能とおすすめアドオン&対策「Dead by Daylight」

 

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・プレイグについて知りたい!
・固有パークは?
・背景物語も教えて!

とDBDのキラー、プレイグについて詳しく知りたい方向けの記事となっています。

 

プレイグ「特殊能力」

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【黒死の吐瀉】

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・能力ボタンの長押しで黒死の吐瀉をチャージ。これが生存者に命中すると生存者は感染する。マップ内オブジェクトに命中すると短時間汚染され、このオブジェクトに生存者がアクションを行うと、生存者も感染する。
・生存者の感染ゲージが満タンになると、負傷状態に陥り、衰弱のステータス効果を受け、不規則な間隔で嘔吐し続ける。

【特殊アビリティ】

 ◯腐敗摂取
感染した生存者は、献身の淀みを使用することで感染を除去し、完全回復できる。これにより献身の淀みは腐敗し、プレイグは腐敗を糧にして黒死の吐瀉を強力にする。腐敗した献身の淀みの隣でアクションボタンを長押しすると、黒死の吐瀉が汚濁の吐瀉に変化する。これにより献身の淀みから腐敗が消える。

◯汚濁の吐瀉
腐敗摂取のアビリティ使用後、短時間黒死の吐瀉は汚濁の吐瀉となる。汚濁の吐瀉で胆汁が命中した生存者は、即座にダメージを受けるが、生存者もマップ内オブジェクトも感染することはない。

プレイグ「基本ステータス」

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移動速度 4.6m/s 脅威範囲 32m
背の高さ 高い 難易度 簡単

 

プレイグ「固有パーク」

パーク名 解放レベル 優先度
堕落の介入 30 ★★★★★
伝播する怖気 35 ★★★☆☆
闇の信仰心 40 ★★☆☆☆

堕落の介入

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発動条件 ・儀式開始時から自動発動
効果詳細 ・儀式開始時に、一番離れた位置にある発電機3つがエイティティによって(80/100/120)秒間ブロックされる。
・その間は、ブロックされた発電機は修理ができない。ブロックされている発電機は白いオーラでハイライトされる。 
・堕落の介入はいずれかの生存者が瀕死状態に陥ると解除される。
効果詳細 「堕落の介入」効果解説と使い方ガイド

伝播する怖気

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発動条件 ・生存者を瀕死状態にする
効果詳細 ・生存者を瀕死状態にすると、脅威範囲内の生存者全員が叫び声をあげ、(4/5/6)秒間位置が通知される。 
効果詳細 「伝播する怖気」効果解説と使い方ガイド

闇の信仰心

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発動条件 ・オブセッション状態の生存者を通常攻撃を命中させる
効果詳細 ・ 1人の生存者に執着する。オブセッション状態の生存者を通常攻撃を命中させると、(20/25/30)秒間、オブセッション状態の生存者が32メートルの範囲で心音を出すようになる。
・ 効果中、殺人鬼は探知不可のステータス効果を得る。
・ 効果中、オブセッション状態の生存者は自分の心音が聞こえる。
・ 殺人者が一度に執着できる生存者は1人のみ。

 

プレイグおすすめアドオン

アドオン 効果詳細

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赤鉄鉱の印章

・オブジェクトの感染時間が30秒増加する

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祈りの石版片

・生存者に対して黒死の吐瀉の効果が無効になる
・オブジェクトの感染時間が40秒増加する
・感染されたオブジェクトからの感染率が100%上昇する
・邪悪カテゴリーのポイントが100%増加する

 

発電機にゲロをかけまくる立ち回り。感染時間が70秒も増加されているので、触りたくない生存者に対しての発電機遅延と直接ゲロを生存者にかけなくても勝手に感染状態になってくれるいやらしい構成になっています。

 

 

おすすめパーク

パーク おすすめポイント

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弄ばれる獲物

オブセッションにはゲロだけかけトークンを貯める

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観察&虐待

心音を更に小さくする事により、奇襲を掛けやすくなる

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堕落の介入

初動の索敵とサバイバーの初動遅延に便利

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まやかし

チェイス時間を短縮する事が可能に

プレイグ基本的な立ち回り

①通常ゲロで感染2段階目にして、負傷状態になった生存者を通常攻撃でダウンさせる。「ゲロで負傷状態にすると負傷ブーストが発生しないので即ダウンが取れる
②索敵中は発電機にゲロをかける。
③汚染していない生存者を吊った場合、吊った後にゲロをかければ汚染状態にすることが出来る
④ゲート戦になれば片方のレバーにゲロをかけておきもう片方を注意深く見る。

感染させる事が重要

プレイグの強みは感染状態の生存者を作ることになります。感染方法は
・生存者に直接かける
・板・窓枠・発電機などの間接感染
・感染した生存者の救助など…

 

【プレイグ対策】

泉(献身の淀み)はマップの端から使う

プレイぐのゲロで汚染されると「泉(献身の淀み)」でしか回復する事ができなくなります。泉をマップ上のランダムに配置されていますが、出来るだけマップの端、キラーを取りに行くのに時間がかかる場所を選んで使っていきましょう。

泉(献身の淀み)を使うタイミング

「泉」を使うベストなタイミングとは?対プレイグ戦で一番の悩みどころですよね…仲間やキラーの動きで変わったりもしたりするので明確な答えはありませんが、個人的にはメリハリをつけた行動が良いかなと思います。汚染されていても「ここは直したい!」って発電機は修理を進めたり、「ここは安全に回復しておこう」と思えば回復するのが良いと思います。

赤ゲロには要注意

生存者が泉を使うとその泉は赤く変色しプレイグは強化ゲロを使う事ができるようになります。「コーーン」と言う音がマップ全体に響いたらプレイグが強化状態に入った合図になります。この間はゲロに当たるとダメージ判定になり即ダウンを奪われる危険な状態です。

なるべく見つからないうに隠密し、もし見つかったら距離を十分にとったチェイスを心掛け遮蔽物をうまく使い赤ゲロをやり過ごしましょう。

 

プレイグの背景物語

7人家族の中で一番幼かったアディリスは、5歳の時、バビロン中心部にある浄罪の神殿の、赤レンガの焼け付くような階段に置き去りにされた。

神々の意思が介在しているのだと信じることで、アディリスはその衝動と悲しみを乗り越えようとした。新しい生活はひっそりとした奴隷のような状態だった。

アディリスは庭園の手入れを行い、儀式の食事を準備し、儀式に使う香炉を磨いた。夜になると、自らの存在理由を啓示してくれるであろう奇跡の出現を求め、神に祈った。

成人したアディリスは高位の司祭に随行し、水と創造の神である山羊座の、年に一度の礼拝に参列した。大列柱室で吊り香炉を揺らすと、分厚い黒い煙が広がっていく。それは冷たくそびえ立つ、石の屋根にまで届き、散り散りになって消えた。

悩みが取り除かれ無上の幸福感を覚えたアディリスは、自分がこれまでになく神々に近づいたと感じた。アディリスは来る日も来る日も身を粉にして働いた。自分の務めを果たす一方で新しい仕事を受け、浄化の儀式では司祭を補助した。


司祭はますます多くの助けを必要としていた。

神殿の高壁外からの求めにも応じるため浄罪は毎日行われたが、神殿の外では災厄をもたらす疫病が再び猛威を奮っており、数ヶ月もすると、司祭たちも疫病に罹患した。間もなく司祭たちは衰弱し、儀式を執り行えなくなった。

唯一儀式を続けることができたのは、浄罪の儀式を何度も手伝っていたアディリスだけとなってしまう。混乱が勢いを増すなか、たとえ自分が未熟な儀式者であったとしても、止めなくてはならない。


最初の儀式を前に不安になっていたアディリスは、司祭の聖所を訪ねる。アディリスがロウソクに火を灯すと、奥のほうに狭い通路があることに気がついた。

その隙間を進むと、アディリスは聖所の地下に隠されていた穴蔵を発見した。その部屋に何もなかったが、唯一、両腕を広げ、指に宝石を嵌めた黄金の女性像が立っていた。それはアディリスがずっと待ち望んでいた奇跡であった。

信者で埋め尽くされた大広間にアディリスが入っていくと、全員が頭を垂れた。アディリスは煉瓦作りの祭壇へと大股で歩いていき、銀で作られた儀式の短剣を握りしめた。

ルビーの指輪を嵌めた指が、かぎ爪のように刃の周りを包み込む。突如現れたその高貴な存在に信者は興味を惹かれる。信者はすでにアディリスの若さと美貌に目を見張っていた。

アディリスが創造の叙情詩の暗唱を始めると、背後にいた女性が気を失い、その場に倒れ込んだ。アディリスが駆け寄ると、その女性の足を黒い水膨れが覆っていることに気がついた。

躊躇することなくアディリスは神聖な短剣を握り、自らの足に向けて振り下ろし、足の指を切り落とした。アディリスは血に塗れた体の一部を神々に奉じ、その女性を守るよう神に祈りを捧げた。

信者の間に沈黙が広がる。信者たちはアディリスを新たな女司祭として崇めていた。アディリスの富、美貌、そして献身の物語は疫病と同じくらい素早く街に広まり、間もなくして信者たちはアディリスをバビロンの女祭司長と呼ぶようになった。

だが、アディリスの信仰心は試されることになる。感染初期の兆候が現れたのだ。痰と血の混じった咳をするようになり、首には発疹が吹き出して膿瘍ができ、指が四本となった足は黒ずみはじめた。

自らの容貌を恥じたアディリスは、ヴェールの付いた頭飾りを被りはじめ、疫病が原因の皮膚から漂う悪臭を隠すために吊り香炉を持ち歩いた。助かる望みを捨てることなく、アディリスは儀式を続け、祝福の水や食べ物を信者たちに与えた。

しかし、どれほど儀式を執り行っても、アディリスの症状は回復しなかった。躍起になり神への嘆願を試みる中、アディリスは街から姿を消した。少数の信者を伴い北へ向かったアディリスは、冷たいウラルトゥの森林地帯を抜け、歩けなくなるまで旅を続けた。

一行が野営を行なったじめじめとした洞窟の中で、アディリスは自らの吐瀉物の中で横たわっていた。黒変した足は腫れ上がり、これ以上遠くへ行くことはもはや不可能だった。洞窟の中で、アディリスと信者たちは全員が疫病に感染していることを悟る。

アディリスは吐き気に苦しむ信者の中でひざまずくと、最後の祈りを捧げた。湿った空気の中に立ち上る香の黒い煙を、冷たい風が吹き飛ばしていく。アディリスの骸や信者の骸はどこにも見つからなかった。多くの者がアディリスの帰還の物語を語ったが、バビロンの女司祭長に降りかかった運命は、誰も知らない。 

~おしまい~

プレイグのアーカイブストーリー「学術書Ⅶ」

【守護の乙女】記憶4097

声が境界の先へと届かんことを。声が境界の先へと届かんことを。声が境界の...アディリスはこの台詞が一つの言葉になるまで繰り返す。同胞の使者たちと声を合わせ喚き散らす。声-境-届か....声-境-届か・・・石の祭壇の周りを13人の女性が取り囲んで知る。アディリスの詠唱は時が経つにつれて揺らいでいく。痛む喉だけが、彼女の貢献の証だ。その発声、その痛み。彼女は祭壇の上で拘束され、うつ伏せで身悶える全裸の男の存在を忘れかけていた。

 

高僧のハバンが手を掲げる。アディリスは他の使者達に倣い頭を垂れる。自分に思い出させる。痛みを抱け、海の山羊への生贄、水と創造の神。使者達が視界から消え、アディリスは祭壇の上の男の方へふらふらと歩み寄る。彼の血走った目からは涙が流れ落ちる。彼に安らぎを与えたい。神の愛を確信させたい。ともすれば祭壇から降ろしてあげて、これから味わうであおう痛みから救ってあげたい。彼女は子供に向けて見せるような笑顔を浮かべる。その犠牲の重要性を理解させできれば、喜びで笑うだろう。優しく、愛情を込めて、彼女は男の額に口づけする。

 

声が境界の先へと届かんことを。

【守護の乙女】記憶4098

"執行者"が前へと歩み出る。小さくしわだらけの男、その身は真紅の――いや、白いが血に染まったマントに包まれている。アディリスは頭を垂れて周りの囁き」に参加する。海と星々の中を泳ぎ進まんことを。執行者は祭壇に拘束された男を見下ろす。そして頷く。マントを開けると、その手には槍が握られている。武器を振り上げ...突き刺す!先端が拘束された男の腰を貫く。男は身体を反らして叫び、震え、身悶える。下半身は動かせず、尿が祭壇に漏れる。執行者は石の台に足を乗せ、槍を更に突き進め一一身の毛がよだつ何かが弾けるような音が聞こえる。悲鳴...雄叫び...哀願?それをさらに上回るなにか――表現できない。大きな傷口から椎骨が飛び得る。血が吹き出す。

 

胆汁がアディリスの喉まで上がり、彼女は嘔吐を抑えようと顔を逸らす。同胞の使者達は上を見上げている。賛美せよ!神々に栄光を!男の悲鳴以外何も聞こえない。彼の声は間違いなく境界の先へと届くことだろう。アディリスは自身を落ち着かせる。心のなかで聖典を復唱する。神々の計画を疑ってはならない。神々は人間の目には理解できない美を知っている。神々の計画を疑ってはならない。神々は...

 

信じるのよアディリス、信じるの!信仰により彼女は落ち着きを取り戻し、他の者達との祝賀に加わるが――ハバンの異変に気づいてしまう。顔を覆うのが遅すぎた。アディリスはその目から涙が流れ落ちるのを見た。その顔は・・悲哀に満ちているように見えた。

【守護の乙女】記憶4099

アディリスは祭壇に水を掛け、磨く。赤い円が明るく渦を巻いている...彼女が寺院の前に置き去りにされた日の太陽のように。息が詰まるような暑さ、焼け付くような砂で足が痛む。母と父...記憶の失われた欠片、ぼんやりとしていて、その代わりとなったのは....ハバンだ。堂々とした高僧達の中、彼の視線だけが温かい。アディリスが泣くとハバンを彼女を抱え上げ、フードを外す。中庭では彼は、彼女に神々の石像を触らせてくれた。リシャン、星々の守護者。オルタレス、砂漠の番兵。アティル・アレラ、人類の母——彼女を見守ってくれる神々だ。ハハンは彼女の教師となり、父となった。彼らの信仰のことを教えてくれた。政治により他の信仰が腐敗してしまったと信じ、追放された者達の集まり。生後の新たな見識を持ち、すべての神々を偉大なる創造主、海の山羊の元に統一させた。

 

彼女は彼の教育を導きとし、隷属に意義を見出し、苦痛とは愛であることを知って安寧を得た。慈悲の心を血塗られた生贄に繋げることに身震いをするが、疑いを取り除くように努力を続ける。しかし、何年か経ち彼女の信仰心が強まるにつれて、ハバンは別の方向へ変化していく。彼が聖典を読む声は途絶えてしまう。以前は堂々と神々への生贄の傍らに立っていた彼が、今日は苦悩を覗かせている

 

砂漠の太陽を暗間が嗅ぎつけたのだろうか?  

【守護の乙女】記憶4100

アディリスは中庭で座っている。ハバンはその向かいに腰掛けている。視線は二人共、間に挟んでいるゲームボードに釘付けだ。彼女は木のサイコロを振り、黒、い円盤のマスを進める。ハバンの駒のところへ辿り着き、それを脇に置いた。ハバンは反応しない。アディリスは彼の顔を覗き込む。可愛らしくとも、心配をしている表情だ。今朝の生贄は喜ばしいものだったんでしょう?神々は喜んでいるわ。えましょう。ハバンは少しだけ視線を動かす。うむ...讃えよう。冷たいそよ風、鳥の囀り、他には誰もいない。ハバンは中庭を注意深く見渡しているようだ。他に誰もいないことを確認すると、アディリスの目を見つめる。彼は良い人だ。友人だ。彼がいなければ世界は光を失う――

 

アディリスは試されているのではないかと疑う。彼女は何と言えばいいのかわかっている。何千回も聞いてきた台詞だ。神々の指示だったのよ。彼は今や海の山羊の傍らで泳いでいるわ。ハバンはゲームボードの方へと視線を戻す。アディリスの円盤を指で弾き、彼の駒をゴールまで進める。私の勝ちのようだね・・・神々の指示だったのだ。アディリスは椅子を引き抗議する。ハパンはボードをテーブルから跳ね除けた。ウルのルールを新たに記すべきだな。法令、処罰、窃盗、生贄を付け加えなければ。異論がある者にはその由々しき言葉を説教して叩き込んでやる。血塗られた海の山羊と呪われた神々の指示だったのだ、とな。アディリスはあまりの衝撃に頭を振る。思いも寄らない言葉の数々に彼女の思考は痛むほど揺さぶられる。これは...冒涜よ!ハバンの目の下が腫れ上がったように見える。そうだ、真実はしばしば冒涜となるのだ。

【守護の乙女】記憶4101

"美徳の日"が訪れる。恐ろしき罪を浄化するための、毎月の式典である。鐘が鳴らされる。アディリスと他の寺院の者達は集まり、膝をつく。額が冷たい石に触れる。少し前を覗き見ると"守護の乙女"が到着し、群衆の間を歩き回っている。運命に導かれ、罪人を探しているのである。彼女は待つ。床の傷を数えていると-叫び声が上がる。女性が嘆願しい咳と窒息するような声が聞こえる。アディ」リスが見上げると、女性が首元を掴まれ寺院の外へと引きずり出されて行く。そしてアディリスはオリーブブラウンのブーツが目の前に来ていることに気づき、はっとする。立て。立て!アディリスは乙女の視線に縮こまり、その開いた口からは熟れたナツメヤシの香りがすることに気づく。海の山羊の名の下に、お前が目撃した邪悪を白状しなさい。盗人、姦通者、冒涜者を示し、追放するのだ。肩が強張る。アディリスはハバンの顔を見る。彼女を育てた男の顔を。彼の優しい声...そして冒涜を扇動する声が聞こえる。迷いが彼女の心の中で極れ、固く結ばれる。ねじ曲がる。

 

何も...邪悪なことは目撃していません。神々の名の下に、私の目は純粋です。乙女はアディリスを観察する。毎秒がとてつもなく長く感じる。まるで現実を引き、伸ばしているようだ。そして--乙女は頷く。海と星々の中を泳ぎ進まんことを。乙女は振り向き去って行く。アディリスはありったけの力を振り絞り、その場に崩れ落ちるのを堪えた。

【守護の乙女】記憶4102

アディリスは祭壇の床から誇りを掃く。石床を急ぎ駆ける音が聞こえ、次第に近づいてくる。彼女が振り返ると、そこにはハバンがいた。いつもの優しい顔は引き塗っている。娘よ、かつての私を呪うがいい。我が子としてお前を迎え入れ、聖なる審判と天罰の概念を植え付けてしまった。今はお前が苦しんでいるのが見える。そのような概念に囚われそうになっている。お願いだ、私が教えたことは忘れるんだ。この寺院に撒き散らされた血から目を背けてはいけない。どんなに努力してもここに染み付いた恐怖を拭うことはできないんだ。

 

教義が彼女の思考を満たす。神々の意思こそが法律だ。誰も神を疑ってはならない。波に逆らう者は減する。彼女自身、言葉が出ないことに驚くが、ハバンはその瞬間を見逃さない。私はもう年寄りだ。この人生を無駄にしてしまったが、お前の人生を台無しにすることはできない。二週間後の夜、ここに来るのだ。共に偽りの物から抜け出そう。疑うのならば神々に伺えばいい。我が娘よ、彼らの沈黙こそがお前の求める答えなのだ。  

【守護の乙女】記憶4103

アディリスの心臓は動いている。しかしそこに空虚を感じる。虚ろな空間が彼女のむかつく胃に酸を垂らしている。痣だらけの膝で、彼女は神々に祈る。嘆願し、沈黙の叫びで答えを求める。何もない。風は穏やかなままだ。彼女は孤独だ。石に囲まれ、動かぬ神々の石像に見下されている。埃が中を舞い、彼女の頬に止まる。これまで信じてきたものの何よりも現実味があった。これまでの信仰、安寧が崩れ落ちていく。思考が安定しない。ただ一つ確かなことは、ここを去るべきだということだけ。彼女は立ち上がり、寺院を背にすると――

 

鳴き声が聞こえる!

 

頭の中のそのヒソヒソと言う声は不明瞭だ。フォークの刺さった舌から放たれたような言葉にならない言葉。だが彼女は感じることができた。絶対の真実を理解する。彼女は二度と孤独にはならない。二度と。

【守護の乙女】記憶4104

部屋へと戻るアディリスを恥が襲う。恐れ多くも神々を疑ってしまった。混沌とした囁きの中には痛み、怒り、そして血の渇望がある。償いを!彼女はローブを脱ぎ去り、鞭を手に取る。棘と銅の釘に覆われた粗雑な観を。償いを!力を込め、て鞭を振るう。棘や釘が彼女の背中の肉に刺さり、殺を引くと肉に食い込む。階み締めた歯の間から彼女は悲鳴を漏らす。誰にも聞こえぬように、声を喉の奥へと押し止める。償いを!またも鞭を振るうと、血飛沫が床に飛ぶ。皮が剥がれると共に激痛が走る。その皮は力なく意図のように垂れ下がる。覚悟を決め、何度も何度も血溜まりができるまで鞭を振るう。償いを!どれだけ血を捧げればいいのか?激痛に彼女の身体は悲鳴を上げる。彼女は鞭を落とし、ここから逃げ出す。ことを考えるがハバンに教わった教義を思い出す。苦痛こそが真の愛なのである。彼女は鞭を強く握ると、また振るうのであった。

【守護の乙女】記憶4105

アディリスから汗がベッドのシートへと零れ落ちる。寝返りをうつと、分厚いかさぶたが剥げ落ちる。精一杯力を込め、彼女は頭を上げて後ろから聞こえる音の方へと目をやる。ハバンだ。彼は濡らした布を手に、彼女の傍に跪く。話をする。力はないが、頭の囁きが代わりにその意思を代弁する。急かすような感情が彼女の思考に叩き込まれるように流れ込んでくる。冒涜者だ!ハバンは彼女の背中から血を拭いながら、耳に口を近づけて囁く。守護の乙女の仕業か?盲目な信仰の成せる業なのか?冒涜者が彼女の手を取ると、意識が朦朧としてくる。お前を失望させてしまった、我が娘よ。だが、もう大丈夫だ。力を強く持ちなさい。早い内にここから逃げ出そう。

【守護の乙女】記憶4106

アドリスは痛みを伴うことを知りながらも頭を天の方へと持ち上げる。神々の導きに感謝を捧げる。神々の囁きはまだ遠く、不明瞭だ。それでも威厳に満ち、感化される。彼女は心を開き、鳴きに身を任せる。彼女は守護の乙女の部屋へと大股で歩んで行き、制服を手に取る。誰にも違反が見つかることはないと自信に溢れている。神々は彼女の味方なのだ。テーブルに置いてある甘い香りを放つ乳香の香炉が彼女を惹き寄せる。彼女は手を望むがままに動かし、香炉をオイルとほんのりと明るい燃えさしで満たす。彼女は神々の意思を疑わない。いつの日にか糸は織られ、タペストリーが完成するのだ。神々を信じなさい、アディリス!

 

彼女は月明かりの中へと踏み出す。夕暮れだ。煙が彼女の身体の周りで踊る。裸足の足は、彼女を寺院の入口まで運んでいく。中を覗くと、彼女は影を通して食える高僧ハバンの姿を認める。指導者であり、父であり、冒涜者であるハバン。

 

彼の声が境界の先へと届かんことを。


~おしまい~